事業者団体ヒア・質疑12

○石本委員(公益社団法人日本介護福祉士会会長)
 まず、24時間在宅ケア、冨永先生の部分のオペレーターの資格要件の緩和については、オペレーターはフェース・トゥ・フェースの場面ではない場面で判断をしなければいけないという役割があればこそ、そこは資格の専門性というのが必要ではないかというのが私どもの意見でございます。
 訪問介護に関しては、私どもも介護福祉士会でございますので、関係がある団体のスタンスとして申し上げます。まず、地域生活の介護ニーズを支える上でヘルパーが重要であるというのはもう重々認識しておりますし、身体も生活援助も同じように、必要な方にとっては必要であり、そこに必要な専門性が存在するのも重々わかっております。
 ただ、財源と人手に限りがあるという中において、機能分化や支え方のスタイルを変えるというのは、一定避けられない部分があるというのが現状だろう思っております。サ責の皆様をはじめ、現場が非常に業務過多になっている中で、有資格者の方とそうでない方が混在して同じ業務を担う現状のままでは、結果として介護の有資格者もしくは介護の価値がいつまでたっても上がらないのではないかと思います。
 本当に専門性が確保されている場面においては、しっかり評価されるべき。この意見書の中にもありますような看取りの場面であったり、多職種との連携の場面であったり、そういったところはしっかり評価されるべきと思いますし、仮に生活援助が緩和され、規制緩和が行われたとしても、そこのマネジメントを有資格者であるサ責がしっかりとグリップして、その質の管理を担保していく。そこをしっかりと評価するという考え方も一つあるのではないかと思います。
 現在、サ責の多くは介護福祉士が担っている状況にありますので、今後の方向性としては、サービス提供責任者は介護福祉士という方向に持っていくというのも一つの方法であろうと思っております。

<これは質疑ではなく意見ですね。もっともなところもありますが、「有資格者の方とそうでない方が混在して同じ業務を担う現状のまま」というのはどうなんでしょうか? 現状は介護福祉士なり(身体介護も可能な)研修修了者なりが業務を担っていますよね? 全業務に対して全て有資格者です。生活援助しかできない程度の簡易な研修修了者が入ってくることこそ「有資格者とそうでない方の混在」ではないかと思います。>


○石田委員(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事)
 それでは、ホームヘルパー協会、ホームヘルパー協議会のほうに質問です。御提出いただいた資料の3、4で実際に述べられているように、こういった形で知識や技術や経験を蓄積されたホームヘルパーが在宅に来ていただくということであれば、利用者としては安心ですし、こういった形の技術、スキルを評価していただくというのは大変重要だと思いますけれども、実際に御自身のほうからも御発言があったように、絶対的な人材の不足というのがございます。一方で、地域支援事業の中で住民互助型の、誰でもできる訪問、生活支援、家事援助のようなものを導入されて、今、実際に進んでいるわけです。その中で、それぞれの団体としては、こういった活動、この中で行われている住民互助型の訪問等、ボランタリーな助け合いの生活支援業務(の業務←削除)につきまして、非専門的なマンパワーと、両協会所属のような専門職ヘルパーとの関係について、どういったスタンスをとっていらっしゃるのか。あくまできっちり区別していくのか(全部分けるのか←削除)それとも何かの形で連携していくのか。その辺のスタンスをお聞かせいただきたいと思います。(ければなということで、←削除)2つの協会のご意見を、よろしくお願いいたします。

○青木意見陳述人
 日本ホームヘルパー協会としてもそのことは大変重要だと認識しておりますし、総合事業にはかなりかかわっています。依頼があれば、講師として行っています。私もつい2日ぐらい前に行ってきました。ところが、現実には人が集まりません。ということで、総合事業でこの先どうなるのかなと懸念しているような状況です。
 それから、受講に来ても登録をしない。ある市では80名ぐらいの方が受けに来たけれども、1名も登録しないという状況なのです。確かに人材不足ですし、物によっては、例えば買い物なども、その方が注文をしてとりに行くというケースは、地域の支え合いでも大丈夫だろうと思っています。そういうことであれば連携も必要かなと思うのですが、実際に連携というよりも人材不足、集まらない現状のほうが私たちの頭や心を痛めているような現状ですので、そのことだけを御報告しておきます。

○神谷意見陳述人
 互助型というところで、地域のボランティアさん、傾聴ボラとか買い物の支援というところは、包括支援センターと連携をとってやるということと、あと、民生委員さんとの協力も必要だと思い、民生委員さんも研修等に参加していただいているところが現状であります。
 例えば独居の方とか高齢者世帯の方で、離れている家族が1週間に1回ぐらいは見てきてほしい、見守ってほしいというのも今まで要支援の方にも十分ありましたし、そういったところは傾聴ボラとか民生委員さんのほうにお願いしていけばいいのではないのというお話を、包括支援センターを踏まえて、地域の区長さんというところと連携を図っているところでございます。
 もう一つはシルバー人材センターと一緒に行っているところでありますけれども、シルバー人材センターのところでは、60歳以上の方たちが会員になって登録してサービスを行うというところで、自立支援に向けてというところはなかなか難しいということで、そこも一緒にやっていこうねという中で、この4月から何回か研修も重ねております。ただ、事例を出していかないと理解ができないところがありますので、成功事例も踏まえて、こういうやり方をしていると、失敗事例も含めて、事例提供のほうをお互い出し合ってやっていくというところが必要なのかなということで、そこにはかなりの時間を割いて行っていますけれども、現場のヘルパーさんたちにそこに参加してもらうというところは、今は難しい状況であります。

<こちらは、だいたい質疑になっています(当然ではありますが)。なお、紫色の部分は厚労省の添削作業がそのまま残っているのでしょうが、原文のまま掲載しています。

たぶん、もう少しだけ続きます>