事業者団体ヒア・質疑13

○堀田委員(慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授)
 質問は、共通する問題関心で、小規模多機能の宮島さんとグループホームの河崎さんにお願いしたいと思います。小規模多機能のほうでは、資料の7ページの5番の地域拠点としてというところ、グループホーム協会のほうでは、4ページの認知症ケアの拠点としてということをそれぞれお出しくださっていたと思います。このことについて、これをより進めていく、あるいはそのことを評価するということを考えたときに、登録者あるいは入居者、それを超えた世帯あるいは地域の多世代にとっての地域の拠点あるいは認知症のケアの拠点としての機能というものを、本日の資料ですと、それぞれ相談を受けているとか、研修事業とか認知症カフェをやっているといったアウトプットでまずは評価してはどうかというお考えではないかと推察したのですが、そういう理解でよろしいかということ。
 さらに、アウトプットレベルではなくて、地域全体の人の暮らし、地域の暮らしにとってのアウトカムというものを、地域の拠点あるいは認知症ケアの拠点としての機能が発揮された結果としてのアウトカムをどのように評価するかということについて、定性的あるいは定量的に何らか現状でアイデアをお持ちかということを教えていただきたいと思います。
 これはすぐに次に反映できるとは思っていないのですが、中長期的にそういうことが必要ではないかということで質問です。

○宮島意見陳述人
 今の御質問につきましては、8ページと9ページのパワーポイントのスライドが御説明の一つになるのではないかなと考えております。
 地域密着型サービスというのは、収容型ではなく拠点ということで、内包されている機能と外側にある資源とが融合することによって、相乗的な、例えば地域をつくっていくとか、地域の機能を高めていくとか、そういった効果があるのかなと考えております。ですので、私どもは、内包されている資源が一体何で、地域資源がどういうものがあって、どの組み合わせによってどのような効果が生まれるのか。先生がお話しのアウトプットの部分については、具体的には例えば運営推進会議においてのサービス評価とかそういったところでそれぞれの個別の事業所の中では話されているのではないかと思っております。もちろん、サービス評価の中にその項目があります。
 アウトカムにつきましては、毎年実態調査を全事業所に向けて行っていることと、先ほど申し上げましたサービス評価の項目の中でどのようなことが図られているのかということを定量的、定性的にアウトカムについて将来抽出して、拠点としての機能がどのように有効に機能しているのかということを評価することは今後やっていきたいなと思っております。

○河崎意見陳述人
 我々グループホームといたしましても、随分昔でなく、今は外に向かっていくということを大々的にやっておりますので、地域の中に入って、例えば相談支援。今、全国的にもモデル施設といたしましては、地域の大きなスーパーで、地域の人を対象に無料で相談支援をいたしております。そうすることによって、認知症というものに対する理解が。長生きすればみんなが通る道なのだなということ、認知症の理解度というものが随分と地域の方々にも広がってきたのではないかということも考えております。
 我々は、認知症の人を中心にまちづくりができればいいなという大きな夢も持っておりまして、サポーターの方、オレンジリングを持っていらっしゃる方も積極的に我々に協力していただき、そして認知症カフェをいたしておりますので、これは週に1回、例えば公民館とか自治体の公共の場所、それぞれの地域のスーパーなどで開いておりまして、週に一度したり、月に1回、2回のところもございます。そういうことを通じまして居場所づくりということ、そういうところを核にいたしまして地域の方の御理解と御賛同を得て、ともにまちづくりをしていく。そして高齢者になってでも、やはりよかったなという笑顔づくりの核になっていきたいという大きな望みを持ってやっておりますので、その辺のところのきっちりした結果はまだ数ではあらわせておりませんけれども、夢を持ってやっておるというところで、お答えになりますかどうか。どうぞよろしく。ありがとうございます。

○堀田委員
 残り2つは質問のつもりでしたが、意見です。先ほどの武久委員の御指摘と私も同じ関心を持っておりまして、きょうのお話をお聞きしながらも、改めて予防、リハビリ、看護、介護、ケースマネジメントという機能が訪問、通い、泊まりというさまざまな形態でより柔軟に組み合わせられるようにと。そのうちのどの機能がどの形態で組み合わされて、そのアウトカムがどうなのかという視点からシンプルに整理していくことはできないかなと感じさせられました。
 実は訪問介護の生活援助についても、一昨年度の老健事業の中でも、今の生活援助の中に、大半はきょう御説明くださったような生活援助という見かけをとりながらも、御本人のアセスメントをしたり、重度化予防につなげたり、意欲を出したりということにしているということも十分に認識されましたし、他方で、一部は純粋な家事代行的なものも残されているのではないか。そのことが評価を高めることを阻害しているのではないかという議論も既にあったところだと思います。
 そうすると、もしかすると、生活援助、身体介護という区分けを超えて、今、御退席されようとしています石本さんの御指摘と同じように、一本化して暮らしを支えるということの専門性あるケアが行われていたと言えば評価をするという形にシンプル化するということもあり得るのではないかなと思わされました。2点目は意見です。


<堀田委員の発言については、前半部分は質疑で、それに対する宮島氏、河崎氏の回答と並べる形で特にコメントせずにおきます。
堀田委員の発言の後半部分は、もっともな意見だろうと思います。

長々と紹介してきましたが、これでこの事業者団体ヒアリングについては区切りとします。>