イスラエルとロシアの扱い

2024年の平和記念式典にイスラエルは招待 ロシア・ベラルーシは3年連続見送る方針 広島市
HOME広島ホームテレビ 4/24(水) 18:43配信

紛争当事国での判断が分かれました。広島市の松井市長は、8月6日の式典についてこれまでも紛争地域かどうかにかかわらず招待状を送ってきたとして、イスラエルを招待する方針を示しました。

一方でロシアやベラルーシについては「現時点でも状況が変わっていない」とし、式典の円滑な進行に影響を及ぼす可能性があるとして3年連続で招待を見送る方針です。

広島市 松井市長
「受け止める人の意思なので私としてはどうしようもない。片方の戦争は良くて片方の戦争は悪いなんて一言も言ってない。」

広島市はロシアとベラルーシに対し、一刻も早く戦争を解決し広島で被爆の実相に触れてほしいとする書簡を送るということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/51f4e657c969d94e4f6c2f0fdf6df025dae7a45d

 


難しい問題でしょうが、今回の広島市長のような選択もあり得るだろうとは思います。
どちらも(ロシアやベラルーシも、イスラエルも)呼ばないという選択もあり得るでしょうし、どちらも(核の恐ろしさを訴えるために)招待するという選択もあり得るでしょう。

 

ないのは、イスラエルは呼ばずに、ロシアやベラルーシは呼ぶ、というケースぐらいでしょうか。

 

私の見るところ、イスラエルパレスチナハマスに限らず)は過去からの遺恨が積み重なり、あえてサッカーで例えれば、どちらにもレッドカードが飛び交っている状況です。
今回は、ハマスの襲撃、民間人の誘拐や殺害は、明白なテロ行為。
それまでに、イスラエル側のオスロ合意違反など種々の非違行為があったにしても。
そして、イスラエル側のガザ侵攻によっても、超レッドカード級の悲劇が現在進行形です。
超レッドカード級ハマス側が観客席に紛れ、それをイスラエル側が(観客への配慮なく)重火器で攻撃するというような。

ただ、たとえば日本政府のような相手と違って、イスラエル政府なら、人質を何人確保しようが、国際的非難があろうが、このようなことをやりそうな予感は(私でも)ありました。
ハマス側の情報機関なら、当然に予想できたはず。

 

一方、ロシア対ウクライナについていえば、(ロシア側の主観というか主張はともかく、国際常識的には)レッドカードはロシア側にしか出ていません。
2014年のクリミア侵攻、ウクライナ東部の親ロシア派と政府側の対立など、経緯はありますが、国境を越えて進軍したのはロシア側のみでした。
ロシア側に言い分があったとしても、露軍が国境を越えた時点で内政干渉、というより侵略という国連憲章違反になります。
2014年の露軍の行為を肯定するわけではありませんが、クリミア半島など係争中の領土を抱えている時点で、ウクライナNATO加盟資格はありません。
少なくとも、2022年2月の時点で、露軍がウクライナに侵攻しなければならない理由は(国際的には)なかった(国内上の理由は、ここでは無関係)。
イスラエル側やガザ地区側のような次元での「戦う理由」は(ロシア近辺が何を主張しようが)ロシアにはなかった。

 

話を戻して、だからロシア軍が撤退すれば、すぐ停戦じゃん(プーチン氏の首が国内でヤバくなるだけで)、というような解決方法は、パレスチナ問題では難しいな、と思います。
オスロ合意の精神にまで戻れれば、とは思いますが、どっちも(主流派としては)戻る気はないみたいだし。