基準パブコメ結果・就労定着支援

(2)就労定着支援関係


 指定就労移行支援等の指定障害福祉サービスと指定就労定着支援を同一事業所で行うことを考えているが、就労定着支援のために新たな区画を設置するに当たり、面積が一定以上となった場合、建築基準法上の「建物用途変更」を求められる場合がある。ただ、賃貸の場合は用途変更が容易でない場合が多いので、何らかの措置をしてほしい。

 指定就労移行支援等の指定障害福祉サービスと指定就労定着支援を同一事業所で行う場合、就労定着支援専用の新たな区画を設置することは求めず、指定就労定着支援事業所の設備や備品等は、同一事業所で行う指定障害福祉サービス事業所の設備や備品等を使用することが可能な取扱いとすることとしています。

 利用者それぞれで様々なケースがあるため、「雇用した事業主への訪問を月1回以上行うこと」等の定型的な支援だけでなく、様々なケースに対応できる柔軟な運用をしてほしい。

 月に1回以上の利用者との面談等は、サービス内容の最低限度の要件として定めているものであり、実際には利用者の必要性に応じて柔軟に支援を行っていただくことになります。なお、事業所への訪問については努力義務として規定することとしています。

 就労定着支援の利用を希望する方が、スムーズに手続ができるよう、制度の周知をしっかり行ってほしい。また、利用料が発生するとサービスの利用を遠慮する方がいる可能性あるため、利用者に新たな負担が発生しないような配慮をしてほしい。

 就労定着支援は、他の障害福祉サービスと同様に、本人及び配偶者の所得に応じて利用料が発生するものであり、低所得者には負担軽減措置を講じています。また、いただいた御意見も踏まえながら、就労定着支援の意義等の周知を図っていきます。

 過去に障害福祉サービスを利用して就職した者が、就労定着支援を受けるために、サービス利用計画案の作成を希望することで、当該計画案の作成希望数が増加することが予想される。その場合、実際の計画作成がサービス利用希望に間に合わないことがないように、セルフプランを可能にするなど柔軟な措置を図るよう自治体に周知してほしい。

 平成30年4月から就労定着支援の利用を希望する方に対して、柔軟な取扱いを検討していきます。

 これまでどおり、障害福祉サービス事業所を経由して就職した場合は出身事業所、そうでない場合は、障害者就業・生活支援センターが支援を担うべきである。就労定着支援の対象者と受給要件、就労移行支援事業所との住み分けをどうするのか。

 過去3年間において平均1人以上、一般就労させている生活介護、自立訓練、就労移行支援及び就労継続支援事業所が就労定着支援事業を実施することとし、いただいた御意見を踏まえ、出身事業所においても就労定着支援を行うべきであることを規定上明確化し、基本的にはこれまでどおり出身事業所に定着支援を行っていただきます。一方、これらの事業所を経由せずに就職した場合は、障害者就業・生活支援センター等に定着支援を行っていただきます。
 また、就労移行支援は利用者の特性等に応じて一般就労を目指すものである一方、就労定着支援は、生活介護等の障害福祉サービスの利用を経て既に一般就労している障害者に対して、一般就労後の支援を実施するものです。

 サービス管理責任者と就労定着支援員は兼任可能か。

 就労定着支援に携わるサービス管理責任者については、利用者が60人までの場合は、就労定着支援の指定を受ける生活介護、自立訓練、就労移行支援及び就労継続支援事業所に既に配置されているサービス管理責任者が担うことが可能です。ただし、サービス管理責任者の1人以上は常勤・専従である必要があり、この常勤・専従で配置するサービス管理責任者については、他の障害福祉サービスと同様に職種間の兼務は認められないため、就労支援定着支援員との兼務はできません。
 なお、就労定着支援も含め一体的に支援する利用者数が60人を超える場合には、新たにサービス管理責任者を配置する必要がありますが、このサービス管理責任者の配置については、常勤配置や常勤換算員数での配置を求めていないため、就労定着支援員と兼務することは可能です。

 利用者数が変動しやすい性質や通所支援に対して平均的な支援量が少ない性質を考慮し、1名のサービス管理責任者が担当できる上限人数について、60名以上を可としていただきたい。

 就労定着支援は通所支援ではないため、サービス提供に当たっては、目の行き届かない状況において、本人や事業所への支援、関係機関との調整等を効果的に行うことが必要です。このため、個別支援計画の作成や評価等を適切に行えるよう、サービス管理責任者の配置体制を整える必要があると考えており、当該規定に関してはお示ししたとおりとさせていただきます。

 就労移行支援事業等と一体的に行う就労定着支援事業の場合は、就労移行支援事業等の常勤配置の緩和をお願いしたい。

 同一事業所で一体的にサービスを行う就労移行支援事業所等の職員が引き続き就労定着支援に従事することを想定し、就労定着支援員の配置は常勤換算方式としております。
 なお、就労移行支援事業等の人員配置基準については、現行においても6月以上の職場への定着支援を実施することが就労移行支援事業所等の義務等となっており、支援員の配置要件を緩和することはサービスの質の担保という観点から望ましくないことから、緩和はしないこととしています。

 毎月の訪問ではなく、利用開始後半年までは月1回、半年~1年は3か月に1回以上、1年以上2年未満は半年に1回以上など段階的な訪問頻度がよいのではないか。

 就労定着支援に係る自立支援給付は、月単位で算定されるものとなるため、支援を実施しない月に給付費を支払うことはできません。このため、月1回以上、利用者との対面により職場への定着のための支援を行うことを基準としています。

 新規参入を広く認める趣旨からは、指定相談支援事業者も参入できるようにすべきではないか。

 就労定着支援は、就労移行支援等の利用を経て一般企業へ就職した方に対し、職場への定着支援を実施するものであることから、一般企業への移行者のいる事業を実施主体として規定しています。指定相談支援事業者については、当該事業所が主体的に支援した場合において、一般企業へ就職することが想定されないため、実施主体に含めることとはしていません。

 実施主体が過去3年間において平均1人以上雇用とあるが、このカウントは就労した者か、それとも定着6か月以上の者か。

 雇用された者の人数とします。