障害報酬案・就労定着支援

「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正等の御意見の募集について」より
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170344&Mode=0

まず、新設サービスについて。


第2 各サービスの報酬・基準に係る見直しの内容

1.新設サービス

(1)就労定着支援

 [1] 基本的な考え方
 ・就労定着支援は、利用者との対面による相談等や利用者を雇用した企業への訪問、関係機関との連絡調整等を一体的に実施するものであることから、基本報酬は月額とし、包括的にサービスを評価する体系とする。その上で、就労定着率に応じて基本報酬を算定する仕組みとする。

 [2] サービスの対象者
 ・生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して一般就労した障害者を対象とする。

 [3] 職員配置
 ・以下の職員を配置する。
  一 就労定着支援員
   常勤換算方法で、利用者の数を40で除した数以上(資格要件は定めない。)
  二 サービス管理責任者
   次に掲げる利用者の数の区分に応じ、それぞれに掲げる数以上
   イ 利用者の数が60以下 1以上
   ロ 利用者の数が61以上 1に、利用者の数が60を超えて40又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上
   ※就労定着支援と生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を一体的に運営している場合は、それぞれの利用者の合計数に応じて配置する。

 [4] 基本報酬・加算の設定
  ア 就労定着率に応じた基本報酬の評価
  ・利用者との対面による支援を月1回以上行うことを算定要件とする。
  ・生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して一般就労した障害者の職場定着を促進するため、就労定着率(過去3年間の就労定着支援の総利用者数のうち前年度末時点の就労定着者数(雇用された通常の事業所での就労が継続している者の数)の割合)に応じた基本報酬とする。また、利用者数の規模に応じた報酬設定とする。

≪就労定着支援サービス費の設定≫
イ 利用者数20人以下
(1)就労定着率が9割以上の場合 3,200単位/月
(2)就労定着率が8割以上9割未満の場合 2,640単位/月
(3)就労定着率が7割以上8割未満の場合 2,120単位/月
(4)就労定着率が5割以上7割未満の場合 1,600単位/月
(5)就労定着率が3割以上5割未満の場合 1,360単位/月
(6)就労定着率が1割以上3割未満の場合 1,200単位/月
(7)就労定着率が1割未満の場合 1,040単位/月
ロ 利用者数21人以上40人以下
(1)就労定着率が9割以上の場合 2,560単位/月
(2)就労定着率が8割以上9割未満の場合 2,112単位/月
(3)就労定着率が7割以上8割未満の場合 1,696単位/月
(4)就労定着率が5割以上7割未満の場合 1,280単位/月
(5)就労定着率が3割以上5割未満の場合 1,088単位/月
(6)就労定着率が1割以上3割未満の場合 960単位/月
(7)就労定着率が1割未満の場合 832単位/月
ハ 利用者数41人以上
(1)就労定着率が9割以上の場合 2,400単位/月
(2)就労定着率が8割以上9割未満の場合 1,980単位/月
(3)就労定着率が7割以上8割未満の場合 1,590単位/月
(4)就労定着率が5割以上7割未満の場合 1,200単位/月
(5)就労定着率が3割以上5割未満の場合 1,020単位/月
(6)就労定着率が1割以上3割未満の場合 900単位/月
(7)就労定着率が1割未満の場合 780単位/月

  イ 利用期間終了後の就労定着実績に応じた評価
   ・就労定着支援のサービス利用終了者が雇用された通常の事業所に継続して雇用されるよう、就労定着支援事業者はサービス利用終了者が登録している障害者職業・生活支援センター等の要請に応じて必要な協力を行う必要があることから、サービス利用終了者のうち、雇用された通常の事業所に3年6月以上6年6月未満の期間継続して就労している者の割合が7割以上の事業所を評価する加算を創設する。

≪就労定着実績体制加算【新設】≫ 300単位/月

  ウ 就労定着を促進するための評価
   ・障害者の職場定着をより促進するため、職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修を修了した者を就労定着支援員として配置している事業所を評価する加算を創設する。

≪職場適応援助者養成研修修了者配置体制加算【新設】≫ 120単位/月

  エ 中山間地域等に居住する利用者を支援した場合の評価
   ・中山間地域等に居住する利用者への支援については、移動コストを勘案することとし、特別地域加算を創設する。

≪特別地域加算【新設】≫ 240単位/月

  オ アセスメントを要する利用者を受け入れた場合の評価
   ・就労定着支援については、就労移行支援事業所等の利用者が利用していた就労移行支援事業所等の職員から引き続き職場定着のための支援を受けることを基本とするが、当該就労移行支援事業所等以外の就労移行支援事業所等を利用して一般就労した障害者の職場定着のための支援を行う場合には、特にアセスメント等に時間や労力を要することから、こうした業務負担を評価する加算を創設する。
   ※初期加算を取得するため、同一法人内の他の就労定着支援事業所を利用させることは認めないこととする。

≪初期加算【新設】≫ 900単位/月(1回限りの算定)

  カ 支援開始1年以内の利用者に対する評価
   ・支援開始1年目は障害者本人に対する支援回数も頻回になると考えられるとともに、就職先企業、医療機関等の関係機関との関係性を構築するなど、時間や労力を要することから、支援開始1年以内の利用者に対する支援の手間を評価する加算を創設する。

≪企業連携等調整特別加算【新設】≫ 240単位/月

  キ 利用者負担上限額管理加算の創設
   ・利用者負担額合計額の管理を行った場合、業務負担を評価する加算を創設する。

≪利用者負担上限額管理加算【新設】≫ 150単位/回(月1回を限度)

 [5] 自立生活援助、訪問型自立訓練(生活訓練)との併給
 ・就労定着支援は雇用に伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言その他の必要な支援を行うものであり、生活支援としては、生活リズム・生活習慣、衛生管理、健康管理・服薬管理などを行うことになる。このため、就労定着支援は自立生活援助における支援内容の範囲をまかなえることから、自立生活援助との併給は認めないこととする。
 ・また、就労定着支援は、訪問型自立訓練(生活訓練)の相談援助の内容の範囲をまかなえることや、就労定着支援の利用者は一般企業に就職していることを踏まえれば、新たに生活に関する訓練を行うことは想定されないことから、訪問型自立訓練(生活訓練)との併給は認めないこととする。

 ※サービス内容が異なる他の障害福祉サービス等との併給は妨げない。