入れ墨と外国人と偏見と

またまた(?)ネット上某所での話題から。

過去に入れ墨を入れた介護職員(今は見えないようにして介護職に従事している)について、さまざまな議論が展開されているようでした。

こういう、サブカルチャーとか個人の信条などに関連する分野については、なかなか難しいところもありますが、少なくとも、入れ墨を露出して介護することを良しとする意見はない模様。
(まあ、利用者が目にした場合のことを考えれば当然ですね。)

意見が割れているようなのは、若い頃に入れ墨を施した高齢者が、入所施設やデイサービスなどを利用する場合について。

実は私自身は怖がりで(笑)
自分の体を傷つけることが怖くて、入れ墨はもちろん、ピアスですら恐ろしいと思っています。

ただ、若い頃から、いろいろな人を見かけてきました。
学生時代に住んでいた安アパートでは、元ヤクザらしい(たぶん、下っ端)初老のおっちゃんとか。
(部屋に風呂なんかなかったので、近所の風呂屋で見たんですよね、彫り物を。)

公務員になってからも、さまざまな窓口で、腕の袖口などから入れ墨が見えるような住民との接触とか。
基本的に、法令を基に行っている仕事というのは、相手の容姿や態度ではなく法令に従って判断するので、世間で思われているよりは大変ではないと思っています。
福祉関係ではもちろんですが、税でいえば、滞納処分なんかも、割と普通にやっちゃいますし。
(まあ、そうでない職員もいると思います。このへんは個人差があるかも。)


気になったのは、そういう話ではなく、入れ墨を入れた人に対して厳しめの議論を展開していた人の書き込みです。
(厳しめの議論自体は、全面的に賛同するわけではないにしても、あり得る議論だろうと思います。)

「彫り師の多くが在日や有色人種で、日本人や白色人種は少ない」
と書き込まれていたんですね。

あと、生活保護の不正受給の話に関連して、「同和者や在日」という言葉が出てきたりもしていました。


念のため。「在日」というのは、在日韓国人朝鮮人の人たちを、「同和者」というのは、被差別部落であった地域の人々を指すのだろうと推測しました。


スレッドをここまで読んで、ちょっとがっかりしてしまいました。

最近、中国や韓国と、相互の国民感情的にも関係がよくないのは周知の事実でしょう。
(ただし、「在日」の人たちの中からも、これら諸国に対する批判の声はあったりします。)
北朝鮮に至っては、拉致問題などの解決の兆しも見えません。

でもねえ。

「在日」「有色人種」「同和者」というカテゴリーとして(「その中の一部の人間が」などというのではなく)貶めるような議論を、よりによって福祉系の掲示板で展開する感覚というのが、私には理解できません。

ちなみに、日本人も、いわゆる有色人種の中にはいると思うのですが・・・


正直に言います。
何らかの事情があって、若い頃に入れ墨を入れた人が、たとえば私の身内の介護に従事したとすれば、最初は「ぎょっ」とするでしょう。
ですが、そういう人たちとは、個々に話をしていく中で、事情がわかったり、気持ちが通じ合ったり、あるいは外見には抵抗があったとしても技術的には認めざるを得ない、というような可能性があるでしょう。

でも、「在日」「有色人種」「同和者」というカテゴリーで批判を、それも一般に公開された場で堂々と展開するケアマネには、身内の介護を委ねる気にはなれません。