選択別姓、ジェンダーその他

前記事のうち、選択別姓訴訟(というか「夫婦同姓強制は違憲」訴訟か)に携わった最高裁の元裁判官2名のコメントを、一部色塗りしました。

 

男性(元)裁判官
「どうしても耐えられないという程度の問題ではない」
「ちょっとの不合理さや不便さを理由に、違憲判断はできない」

女性(元)裁判官
最高裁判事になった時、『どこの馬の骨か分からない』と言われ、経歴や実績が切れた悲哀を味わいました」
「今も海外などでは、旧姓を使っても身分証明が非常に難しいなど、不便どころか大変な問題が生じることもあります」

 

抜き出し方にちょっと主観が入っているかもしれませんが、それでも男性側(多くの場合は当事者でない)は女性側(たいていの場合は当事者)の深刻さを理解できていないという印象です。

「裁判官の旧姓使用は認められるようになったじゃないか」という男性裁判官がいるかもしれませんが、認められなかった時代の女性裁判官の社会的・精神的不利益は解消されないままだったでしょうし、その件について国から慰謝料等が支払われたという話も(当然)聞きません。
女性の中の先駆者ともいうべき人たちが「世間」とぶつかり、文句を言う中で、彼女たちの後輩の道が少しずつ整備されてきた(けれども、まだ障害は残っている)ということでしょうか。

 

ついでにいうと、結婚等に関する障害って、姓の問題だけではないような気がします。

たとえば(書いたような気もするけれど見つけられなかったので)ロコ・ソラーレの公式ブログ(2022-07-27)より引用。

 

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昨日7月26日に吉田知那美が入籍をいたしました。
なお、吉田知那美は今後もロコ・ソラーレの一員として競技を継続してまいります。
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吉田さんの配偶者は、アルペンスキーの(現役選手ではなく)コーチです。
なぜ、彼女(だけ)が「今後も競技を継続」と書く必要があったのでしょうか?
(私が見たところ、当時のメディアで、この表現について疑問を提示したところはなかった。)

冬季五輪に3回連続して出場し、直近2回でメダル獲得(その前も一応、チームは違うとはいえ5位入賞)。
なんで、入籍で競技を継続するかどうか書かなければならない?

同実績の男子オリンピアン(かつ連続メダリスト)がいて、たとえば他競技の女性コーチと結婚する際に、「結婚後も競技は続けますか?」とか問われますか?

ロコ・ソラーレの(たぶん)事務局を責めているのではありません。
河野コーチを批判しているのでもありません。
ジェンダーの問題があるとすれば、社会とか世間とかの方ではないでしょうか。


さて、硬めの話でしたが、ゴールデンウイークでもありますし、ちょっとユルメの話題で終わります。

今年の3月、世界カーリング選手権(女子)でSC軽井沢クラブは11位(3-9)となりました。
もし、世界選手権で実績のある他チームが日本代表になっていたとしたら、という、あまり根拠のない推測です。

カーリングのショット成功率の算定に準じて、勝てそうな確率を25%(0.25)刻みで積算してみました。
SC軽井沢クラブは実績なので、確定値です。

 


他国の代表チームとの最近の相性、彼我の調子などを勘案し、素人が適当に判定したものです。
ロコ・ソラーレなら6位から8位ぐらい、中部電力なら7位から9位ぐらいと予想しました。

ロコ・ソラーレは今季不調で、PCCC準優勝はいいにしても、カナダでの大会でポイントをあまり稼げず、日本選手権(1/27~2/4)の直前(~1/21)までカナダで「稼いで」いました。
若い頃ならまだしも、時差や疲労などが日本選手権のパフォーマンスに影響を与えたのだろうと思います(もちろん、国内の他チームとの実力差が縮まってきた面もあるでしょう)。
日本選手権のあと、スウェーデンの大会(2/15~)で、世界選手権出場チーム(スウェーデン、イタリア、エストニア)等を破って準優勝しましたから、ピーキングの問題はあるにしても、極端に弱くなっているわけではないと考えます。

で、中部電力にもいえることですが、今季の3強(カナダ、スイス、韓国)に勝つ確率は25%未満。
イタリア以下の3チームにも分は悪いですが、この中で1勝はできるかもしれません。
デンマークのM.デュポン選手は、好調だと手がつけられませんが(中部電力の北澤育恵選手にちょっと似ていると私は思います)、スキはありそうです。

重要なのは、順位争いになりそうな米国のピーターソン選手に(ロコ・ソラーレは)相性がよいこと。
今季もPCCCを含めてほとんど勝っています。
トルコには北京五輪最終予選から(ロコは)連敗中ですが、中部電力は1-0だったりします。このへんは相性でしょうか。

 

かなり適当な予想ですが、ロコ・ソラーレでも中部電力でも、SC軽井沢クラブよりは上に行く確率は高いと思います。
この3チームには、ファンもアンチもいるでしょうが、その点について同意する人は、3分の2よりも多いのではないでしょうか。

だからといって、今年の日本選手権の結果で、SC軽井沢クラブ以外を代表とすることも困難ですし、この3チームを責めるのも妥当とは思いませんが。