事業者団体ヒア・質疑6

2017年9月13日 第147回社会保障審議会介護給付費分科会議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000183515.html

の続きです。直近の前々記事は、ほぼ武久委員の意見表明だけでしたが、今回からは質疑らしい質疑に戻ります。

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○東委員(公益社団法人全国老人保健施設協会会長)
 まず、日本ホームヘルパー協会に1つ質問でございます。資料3の2ページにある「3.集合住宅におけるサービス提供の適正化について、どう考えるか。」のところですが、当分科会の議論では、単に移動時間の長短ではなく、提供されるサービスの種類が単一化・集中化することが問題ではないかとの意見が多く出されております。そこについてどうお考えでしょうか。それから、「高齢者に特化した集合住宅にとどめる」と書いてありますが、ほかにどういうところが集合住宅としてあるのかお教えください。

 次に日本認知症グループホーム協会の資料で質問と御意見を述べさせていただきます。資料5の14ページ「低所得者への負担軽減」の要望について説明があります。これは厚労省にお聞きしたいのですが、グループホームが補足給付の対象になっていない理由をお聞かせください。

 資料5の7ページ、入院時情報連携加算および退院時情報連携加算の新設とあります。私もグループホームを運営しておりますが、グループホームに入所していらっしゃる方は、結構認知症の重度の方が多いです。そういう方が入院すると、入院側も受け入れ側も大変なのです。手術したりするとBPSDが出てきたりして大変なので、グループホームから入院機関へ、この人はこういうことがあるとBPSDがひどくなるという入院時情報の連携が必要だと思っております。退院時情報もあればいいのでしょうけれども、入院時情報は少なくとも要ると思っています。
 資料5の6ページです。これは日本認知症グループホーム協会にお聞きします。私もグループホームでのショートステイがもっと活用できればすばらしいなと思います。認知症の方を御家庭で見ておられて、一時的に困って、グループホームに預かってほしいというのはいいと思います。しかし、私のところのグループホームも9名1ユニットなのですけれども、いつも大体満床です。ショートを受けたいのですが、お部屋がないのです。今回の「1ユニット定員+1名」のご提案の「プラス1名」とは、お部屋が余分にあるところだけでも認めてほしいということなのか、具体的にお教えいただけたらと思います。

○青木意見陳述人
 論点3の集合住宅におけるサービス提供の適正化というところですが、私どもは移動に焦点を当てましたといいますのも、訪問介護は自宅に出向いて行うサービスです。集合住宅の居室とみなして、移動というところに焦点を当てましたので、そういうことになりました。

○河崎意見陳述人
 ショートステイの件でございますけれども、定員プラス1、この1のお部屋は、あるところだけというのでなくて、プライバシーの確保がきちっとできるところにおいてこういうことをぜひお認めいただきたいということでございます。

○橋本介護保険計画課長
 御質問ございましたグループホームの補足給付の関係でございますけれども、認知症高齢者グループホームは居宅サービスという位置づけでございまして、在宅生活者との負担の公平性という観点から、制度創設当初から在宅の方と同様に保険給付の対象外といたしておりまして、補足給付の対象とはいたしてございません。

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今回は、東委員の質問と、それに対応した回答らしい発言を、分離せずにひとつの記事にまとめました。

で、最初の黒の太字部分はヘルパー協会の青木氏が回答し、紫色部分は厚労省の橋本課長が、茶色部分はグループホーム協会の河崎氏がそれぞれ回答しています。
では、緑色の部分は?
誰も回答していないように思います。

ヘルパー協会でも厚労省事務方でも回答可能と思いますが、誰に尋ねたのかわかりにくかったのでしょうか?
それとも、議事録作成上のミスでしょうか?

それはさておき、紫色の補足給付の問題。

たしかに、(純粋な)在宅生活とグループホームとだけを比較すると、公平性の観点から(グループホームの)補足給付なし、ということになるのでしょう。
ですが、グループホームと(特養などの)介護保険施設との公平性、という観点では、グループホームが不利益を被っている、という見方も可能です。

そもそも、
グループホームは居宅サービスという位置付け」
ということ自体に、無理があるのでしょうが。

(蛇足ですが、厳密には居宅サービスではなく地域密着型サービスです。「在宅サービス」という大きなくくりの中に入れるのなら、まだしもですが。)

(気が向いたら、もう少し続くと思います。)