統計から被災地の介護保険を見る9

それでは、サービスの系統ごとに、各自治体の給付額を比較してみます。
1号被保険者1人当たりで算出していますが、例によって、給付額自体には2号被保険者分を含みます。

分類方法は前回(統計から被災地の介護保険を見る4)同様、次のとおりです。

訪問系 : 訪問介護、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリ、居宅療養管理指導、
       定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護
通所系 : 通所介護、通所リハビリ、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護
短期入所系 : 短期入所生活介護、短期入所療養介護
施設・居住系 : 特定施設、グループホーム、地域密着型特定施設、地域密着型特養、特養、老健、療養型
その他 : 福祉用具貸与、福祉用具購入、住宅改修、複合型サービス、居宅介護(介護予防)支援
(各介護予防サービスを含む。)

(実は、前回の説明では夜間対応型訪問介護を記載していませんでした。今回、前回分のデータを含めて見直してみましたが、夜間対応型・・・を加えたとしても数値は動きませんでした。ごくわずかなので。)

では、まず全国平均からです。

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訪問、通所系サービスは26年頃まで増加していきますが、27年は減少しています。
短期入所系は25年頃が、施設・居住系は24年頃がピークで、その後は下降に転じています。
施設サービスは、受給者数自体が、やはり途中から減少に転じていますが、在宅関係(居宅+地域密着型)の受給者数は年々増加しているので、費用が減少した原因としてはH27報酬改定の影響でしょうか。

前回同様、県レベルは省略しまして、大槌町を。

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震災後に施設・居住系が大幅に増加しました。前年から倍増です。その後、徐々に減少しましたが、27年でも、震災前よりはかなり高い水準です。
短期入所系は23年に減少し、その後は変動はありますが、震災前よりは低いレベルで推移しています。
訪問、通所も、震災後に激減しましたが、その後は増加傾向が続いています。

次に石巻市

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震災後、まず施設・居住系、短期入所系が増加、24年頃からは微減または横ばいというところです。
通所系は26年頃まで増加し続け、27年でも震災前よりは高い水準です。
訪問系は震災後に減少、その後、変動はありますが、27年には震災前より低い水準に戻っています。

最後に相馬市。

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震災後、やはり施設・居住系が増加。その後、変動はありますが、震災前よりは高い水準です。
訪問系は(他地域に比べ)もともと多い自治体ですが、震災後に一度減少するものの、24年頃からは震災前よりも高い水準で推移しています。
通所系も増加傾向です。短期入所系も、変動はありますが、27年まで、ほぼ震災前を上回っています。

(つづく)