夜間の避難勧告(追記あり)

二次被害を招く危険があると判断~大島町

 台風26号の影響で大きな被害が出た東京・伊豆大島大島町川島理史町長が16日午後7時過ぎ、会見を開いた。

 川島町長「夜間であるということと、相当の大雨であること、今までの私たちの経験上の防災対策としては、避難勧告を出すという認識を持っていなかった。夜中の1時、2時くらいから本当に大雨で、しかも大金沢が氾濫しだしているという状況の中で、避難勧告は、さらに被害者を増やしてしまうと考えた」

 避難勧告は気象庁の発表する警報などを基に、市町村が作った防災計画に基づいて判断する。しかし、大島町では、夜中に避難勧告を出すことで二次被害を招く危険があると判断し、避難勧告を行わなかったという。
 川島町長「町長として土砂災害についても、防災計画をしっかりと見直しますが、行政の長として甘かったなと思う。しっかりと究明していく、教訓にしていくことが、亡くなられた方々や被災された方々に報いる道」
(日テレニュース 2013年10月17日 2:31)
http://news24.jp/articles/2013/10/17/07238448.html
 
今回の伊豆大島のような災害については、いろいろ難しい問題があると思います。
 
離島で、火山灰が降り積もった土壌が多いという地域性、
ある程度広域の災害が予想されないと「特別警報」が出されないという気象庁の基準など。
 
ここでは、誰が悪いということではなく、今後の災害による被害を少しでも減らす方法はないか、という観点で考えてみたいと思います。
 
 
以前、平成21年の佐用町の豪雨災害の頃、「あえて避難しない勇気」という記事を書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/20835606.html


防災関係者のひんしゅくを買うかもしれませんが・・・

大雨時の夜間の避難は大変危険です。
健康な若者でも数十センチの水の中では、なかなかマトモに歩けません。
 
早めの避難に越したことはありませんが、
避難するタイミングを逃した場合には、
2階以上がある住宅なら、明るくなるまで自宅に籠城した場合の方が安全なことが多々あります。
 

家の裏に土砂崩れの恐れがある崖などがある場合にはこの限りではありませんが・・・
最終的には、自分(と家族)での判断です。
(ここまでの短い記事です。)


 
この考え方自体は、間違っているとは(今でも)思いません。
ただ、地震の際の津波や、記事中にも触れている「家の裏に土砂崩れの恐れがある崖などがある場合」など、
状況はさまざまです。
最終的には、最善の行動は何か、ということを自分たちで判断する必要はあります。
 
上の町長の発言に即して言えば、
「尋常ではない大きな危険があること」
「夜間の外部への避難は危険な場合があること」
「屋内の2階以上、かつ、崖から遠い側に避難する方法も考えられること」
等を防災無線などで伝える、という選択肢はなかったでしょうか。
 
たとえば、下図(イメージがきれいに出ているかどうかわかりませんが)のAへの屋内避難ですね。
 
┌─────┐         /
│A       │       / 山側
├─────┤     /
│        │   /
└─────┘─/
 
           ┌─────┐
           │       A│
           ├─────┤
            │        │        
        /─└─────┘
川側   /
    /
 
今回の伊豆大島については、家全体が押しつぶされた場合もあるようで、このような勧告を行ったとしても防ぎきれなかったかもしれません。
 
ともかく、今後の災害の犠牲が少しでも減少するような工夫が生まれることを願っています。