介護職員の吸引等・事業所の登録5

<通知>
第3 3.

(11)安全委員会等の運用上の留意事項
 安全委員会等の運用においては、以下の点に留意すること。
・安全委員会等の管理及び運用を司る責任体制を明確にすること。
・安全体制の確保を重視し適切かつ迅速な運用対応が行われるよう調整連絡を行う役割を明確に設けること。
・新規対象者に対しても適切な喀痰吸引等の提供体制が速やかに構築できるよう、委員等の構成について臨機応変な対応がとれるよう留意すること。
・安全委員会等の構築にあたっては、その構成員が所属する機関の設置運営法人、地域の関係者、行政機関等についても、適宜、協力及び連携が図られるよう努めること。

(12)研修体制の整備その他の安全確保
 喀痰吸引等の提供については、安全確保を徹底して行う必要があることからも、喀痰吸引等業務従事者が介護福祉士であるか否かに関わらず、各登録喀痰吸引等事業者の業務に応じた実践的な研修(いわゆるOJT研修等)の実施や、ヒヤリ・ハット等の事例の蓄積及び分析を行うことは有効であることから、そのための体制整備を行うこと。
 加えて、登録喀痰吸引等事業者においては、喀痰吸引等の提供について賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、当該事業所において実施している喀痰吸引等についても対象となる損害賠償保険制度に加入しておくか、又は賠償資力を有することが望ましいこと。

(13)備品等の確保
 省令第26条の3第2項第4号のそれぞれの事業所において確保すべき備品等としての喀痰吸引等に必要な機械器具等の品名及び数量等については、下記の「登録喀痰吸引等事業者が備えておくべき備品等一覧」により、当該事業所等において行われる喀痰吸引等の提供業務に必要な備品を整備すること。

「登録喀痰吸引等事業者が備えておくべき備品等一覧」
品名数量備考
吸引装置一式適当数 
経管栄養用具一式適当数 
処置台又はワゴン適当数代替機能を有する床頭台等でも可。
心肺蘇生訓練用器材一式適当数 

 なお、同一の登録喀痰吸引等事業者が同一敷地内にある複数事業所において喀痰吸引等業務を行う場合には、事業所毎の喀痰吸引等に支障がない場合は、備品等の併用ができるものとする。また、喀痰吸引等業務の提供を受ける者が必要な備品等を所有している場合にはこの限りではない。

(14)衛生的な管理及び感染症予防措置
 省令第26条の3第2項第5号については、同項第4号の備品等についての衛生管理に努めることのほか、喀痰吸引等業務従事者の清潔の保持及び健康状態の管理並びに事業所の設備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したものであることから、特に感染症の発生を防止するための措置として、登録喀痰吸引等事業者は対象者間の感染予防及び喀痰吸引等業務従事者が感染源となることを予防するため、消毒・滅菌の徹底、必要に応じて使い捨て機材の活用を図るほか、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じる必要があるとともに、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。

(15)対象者又はその家族等への説明と同意
 省令第26条の3第2項第6号については、喀痰吸引等計画書の内容として記載されている医師の指示、具体的な喀痰吸引等の手順、具体的な緊急時の対応手順などについて、対象者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行い、十分な安全確保が図られている中で実施されていることについて、対象者の理解、同意を得た上で実施すること。

(16)秘密の保持
 省令第26条の3第2項第7号については、登録喀痰吸引等事業者に対して、過去に当該事業所の従業者であった喀痰吸引等業務従事者が、その業務上知り得た対象者又はその家族等の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、登録喀痰吸引等事業者は、当該事業所の喀痰吸引等業務従事者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用契約締結時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこと。
 また、介護福祉士においては、法第46条においても守秘義務が課せられているので、登録喀痰吸引等事業者は従事者である介護福祉士に対しその旨についての周知等を徹底すること。

(17)公示
 都道府県知事は、登録喀痰吸引等事業者の登録等を行った場合、法第48条の8において公示が義務づけられているところであるが、公示に関する事務手続きなどその運用においては適切かつ速やかに行う体制を構築するとともに、公示した場合には、当該喀痰吸引等の提供の対象者等をはじめとした関係者・関係団体への周知についても留意すること。