PTの(おもしろい)本

身内の要介護者に貸していた本が、彼の死後、何年か経って返ってきました。

本を貸し出したときは要介護2、されど、知的好奇心はなかなか落ちにくかった彼の遺品には、やたら本が多く、今まで出てこなかったようです。

その本は、これ。


「地域ケアを見直そう」(備酒伸彦・著 医学書院・発行)

http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=5435


筆者は理学療法士ですが、シロウト(たとえば行政の事務屋)が読んでもおもしろく、わかりやすいと思います。
(だからこそ、要介護高齢者に貸したりもしたのですが。)


本筋とはあまり関係なく、私が興味を惹かれた話を書き出すと、

1)
長い間、牛を飼ってきた、今は片麻痺の高齢者。ベッド上の生活から動いてもらうために、地域ケアスタッフが提案したことは何でしょうか?

2)
前問は易しかったかもしれません。動き出した彼を、冬の積雪が阻みます。その結果、彼が家の中で取った行動は何でしょうか?

3)
筆者のお母さん(昭和2年生まれ)がお好きで、CDを購入された音楽は何でしょうか?
(ヒント:演歌や童謡ではありません。)

4)
「理学療法士さんが来ました。体操をするから集まってください」と声をかけられたデイサービスの利用者が、
「うるさい、今○○がええとこや!」と答えました。どんなテレビ番組だったでしょうか?

知りたい方は、本書をご覧ください。
(すぐに教えてくれ、という方は、内緒コメで。)

ともかく、「高齢者」という存在に対する思い込みがあったとしたら、きれいさっぱり抜け落ちます。


現在の筆者は、某大学の教授になったようです。

どこかの介護給付分科会委員の代わりに、彼か、この本の出版にきっかけを与えたらしい岡本祐三氏あたりが委員になっていたとしたら、もっとおもしろく、世のためになる分科会になっていたと思うのですが・・・

厚生労働省さん、いまからでも遅くないですよ。