2024世界選手権(女子)9

(最近の記事タイトルの数字を修正しました。)

さて、世界選手権はカナダが優勝しました。

 

<決勝>
    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
カナダ * 1 0 1 0 2 0 0 0 3  X  7
スイス    0 2 0 2 0 0 0 1 0  X  5

 

<3位決定戦>
     1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
イタリア * 0 1 0 0 1 0 0 1 0  0  3
韓国   0 0 0 1 0 2 0 0 0  3  6        


カナダ(チーム・ホーマン)は強かった。

事前の予想は、上位3チームについては的中。
ノルウェーは思ったよりよくなかった。
日本については・・・市川美余さんよりは慎重に見たつもりでしたが、まあ五十歩百歩か。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/03/14/213607

 

今大会の結果、2026年冬季五輪出場権のためのポイントは、上表の赤色数字のとおりとなりました。

日本はかなり厳しくなったように見えますが(そして、それは間違いではありませんが)、過去の五輪ポイントはこういう感じです。

 


北京五輪の際は、コロナ禍で2021年世界選手権のみで6チームを決め、開催国を除く残り3チームを最終予選で決めるという、イレギュラーな形となりました。
それまでは、優勝14点、準優勝12点、3位10点、4位9点・・・というように付与されて、世界選手権2大会分のポイントで上位から7チーム(開催国が7位以上の場合は8チーム)が出場権を獲得していました(それ以前は、3大会分のポイントで決定)。
残りの2枠は、やはり最終予選で決定です。

 

2026年の冬季五輪は、基本的に平昌やソチのときと同じです。
(ただし、世界選手権で付与されるポイントが、1点ずつ増えています。)
開催国イタリアが、今回11点獲得し、来季も上位でしょうから、ポイント合計で8位以内なら出場権獲得でしょう。
単純に考えて、8位6点×2=12点あたりが目安でしょうか。
過去の例では、9当8落(ソチ五輪)もあり、2大会のポイントの集中具合によってはボーダーラインが変わってきます。

 

まず、来季の世界選手権に出場することが重要です。
なので、SC軽井沢クラブは今秋のPCCC(パンコンチネンタルカーリング選手権)で5位以上になることが求められます。
中国が下部リーグから上がってくるので、具体的にはニュージーランドよりも上位に入ること。
(もともと、PCCC諸国では、日中韓米加(順不同)が5強と目されていました。)

 

まあ、マスメディアや、私のような素人は五輪五輪とこだわりがちですが、世界選手権は五輪予選ではありません。

「オリンピックのために世界選手権がある」
のではなく、
「世界選手権の延長上(頑張ったご褒美?)にオリンピック出場権がある」
のだろうと思います。

だから、世界選手権で3勝に終わったSC軽井沢クラブを責めるのではなく、
日本選手権でSC軽井沢クラブに負けて優勝できなかった他チームを責めるのでもなく、
次にどんなドラマが待っているのか見守りたいと思います。

2024世界選手権(女子)8

世界選手権は準決勝までが済みました。

だいたい現時点で強そうな方、予選リーグ(ラウンドロビン)で上位の方が勝っています。

 

 

ところで、昨季の世界選手権の結果(ロコ・ソラーレは5位タイ)について、私は(素人なりに)こんなことを書いていました。

 

1)欧州系のアイス
2)ピーキングまたは体力(日本ミックスダブルス選手権から間隔が短かった?)
3)新ルールに伴う戦術の変遷
4)イタリアなど力をつけてきた国々
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/03/27/204545

 

今季は、五輪ポイントがかかる年で、13チーム中11位に終わり、さらにいろいろな議論が飛び交っているようです。

 

日本代表(SC軽井沢クラブ)が3勝9敗に終わった理由について
・アリーナ・アイスに不慣れ(五輪や世界選手権に使われるアリーナは、専用のカーリング施設よりもアイスの変化が大きい 等)
・ピーキング、日本ミックスダブルス選手権との日程の関係
・代表選考方法
・戦術
・選手やコーチ等の個人批判 等
SC軽井沢クラブに日本選手権優勝を許した他チームへの批判 等

 

2026年冬季五輪出場権に向けて
・来季の日本代表チームの選出方法(五輪ポイントがかかる年度には、欧州には、国内選手権の優勝者にかかわらず世界ランク最上位者を代表として派遣するという国も複数ある)

 

理由のあるもの、誹謗中傷に類するものなどさまざまですが、ここでは詳しく触れません。

ただ、どこが代表になるにしても、来季の日本選手権をアリーナで実施するということは検討した方がよいかな、とは素人でも思います。
今季の世界選手権でも、地元・カナダがコンシード勝ちした後に観客がどっと減り、アイスの状態も大変わりした、というような情報があります。
ロコ・ソラーレなどアリーナ慣れしたチームに有利になる、という観点のみならず、どこ(たとえばSC軽井沢クラブ)が優勝するにしても「アリーナ・アイスに慣れたチーム」が派遣できる、というメリットはあるでしょう。

懸念材料は、やはり金がかかるので、アリーナをある程度埋めるぐらいの観客数が見込めるかどうか、ということでしょうか。

 

ともかく、今回の世界選手権は、考え方によっては今後の日本チームの強化に資するような材料の宝庫でしょう。
当事者のSC軽井沢クラブはもちろん、各ライバルチーム、日本カーリング協会などは、いろいろ分析したり、頭を抱えていたり(?)しているのではないでしょうか?

 

<おまけ>
日本ジュニアカーリング選手権

 

女子は札幌国際大学、男子は常呂ジュニアが優勝。

女子の札幌国際大学は三浦由唯奈選手たちのチームです。

2024世界選手権(女子)7

世界カーリング選手権(女子)はラウンドロビン(予選リーグ)が終了。
日本代表(SC軽井沢クラブ)は、スコットランド、イタリアに連敗。


          1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
スコットランド * 0 0 0 1 3 0 0 2 1  X  7
日本           0 0 0 0 0 1 1 0 0  X  2

序盤はブランクエンドの連続。
第4エンドに後攻のスコットランドに1点取らせたのはセオリーどおりとして、その次に3点スチールされたのが痛かった。
この試合、ドロー(たぶん)がハウスまで届かないというショットが多くて、選手も見る方もストレスが溜まる展開だったと思います。


      1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 E 計
日本    0 0 2 1 0 4 0 0 1  0 0  8
イタリア *  0 2 0 0 2 0 1 1 0  2 2 10

点の取り合いから、第6エンドに一挙4点取ったのが大きく、日本のペースでした。
ですが、第8エンドにスチールされたのはともかく、後攻の第9エンドに(ブランクで後攻持越しではなく)1点取らされ、第10エンドに2点取られてエクストラエンド(延長)へ。
最後はイタリアのスキップ・コンスタンティーニ選手の凄さを見せられ、惜しい敗戦となりました。

 


これで日本は3勝9敗で11位。
五輪ポイントは3点しか確保できなかったということで、ネット上某所なども荒れているようですが、選手のみなさん、ともかくお疲れさまでした。

 

ちなみに、SC軽井沢クラブのショット成功率は、こんな感じで、順位相当といえるでしょう。

ショット成功率自体は、必ずしもあてになる指標とは限りませんが。

ロシアの「自白」

大統領選の投票用紙に「戦争反対」、女性に拘留8日 ロシア
AFP=時事 3/21(木) 13:37配信

【AFP=時事】ロシアの裁判所は20日ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領によるウクライナ侵攻に抗議し、大統領選の投票用紙に「戦争反対」と書いたサンクトペテルブルク(St. Petersburg)の女性に拘留8日を言い渡した。

 先週末3日間にわたって行われたロシア大統領選では、プーチン氏が圧勝。通算5期目、少なくとも2030年までの続投を決めた。

 プーチン氏は勝利演説で、投票用紙を不正使用した者には「対処が必要だ」と警告した。

 サンクトペテルブルクの裁判所は20日、乱暴罪と「ロシア軍の信用を失墜させた」罪で、アレクサンドラ・チリャティエワ被告に拘留8日と罰金4万ルーブル(約6万5000円)の判決を下した。

 裁判所は、投票用紙の裏に赤いマーカーで「戦争反対」と書いて投票箱に入れた行為は、「国有財産に損害を与え、ロシア軍の信用を失墜させた」と述べた。

 裁判所によると、被告が行動したのは、プーチン氏の勝利が確実な大統領選に対し、反体制派が抗議行動を呼び掛けていた最終日だった。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e883cbd776f9c90ce5e5bc72cda34a2f8590abd

 


さらに、読売新聞(2024/03/21 17:18)によると
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240321-OYT1T50166/

 

 プーチン大統領が圧勝した大統領選を巡っては、投票用紙にウクライナ侵略に反対するメッセージを書き込み、摘発される事例が相次いでいる。BBCロシア語版も、中部エカテリンブルク在住の男性が、投票用紙に反戦メッセージを書いて逮捕されたと報じた。警察官が透明な投票箱に入った票を見て気づいたという。
**********

 

とのことです。
要するに、ロシアには投票の秘密すらない、という自白をしているようなものですね。


立候補希望者に難癖つけて立候補を認めないのだから(プーチン氏はよほど自分の支持率に自信がないのか)、公正な選挙制度からほど遠いのは知っていましたが。

 

参議院議員鈴木宗男氏は、3月19日のブログで

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 プーチン氏の得票率は87.3%で、圧倒的勝利である。選挙中、ナワリヌイ氏の死亡があり、西側メディアは裏付けのない一方的な批判や非難をしたが、逆にそのことがロシア国民の「プーチン大統領を守らなければ」という思いに繋がったと私は見ている。
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と書いていますが、透明な投票箱で監視し、ロシア国民(及び国際法上はロシア国民ではないロシア軍占領下のウクライナ国民)に圧力をかけてすら、こういう勇気を持った人たちがいるということです。
(87.3%という数字自体に不正疑惑もあるようですが。)

 

まあ、「ロシアは自由と民主、市場経済、日本と同じです。」などと主張する鈴木氏のことですから、恥ずかしくはないのかもしれませんが・・・
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/01/14/145057

2024世界選手権(女子)6

世界カーリング選手権(女子)はセッション17まで終了。
日本代表(SC軽井沢クラブ)は、米国、スウェーデンと対戦。


   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
日本 * 2 0 1 0 2 0 0 0 2  0 7
米国 0 1 0 4 0 2 0 0 0  2 9

序盤、日本は後攻で2点取り、先攻で相手の得点を1点に抑えるというセオリーどおりの展開。
が、第4エンドに一挙4点取られてから、追いつきはするものの相手ペースの展開となり、7-7の同点で迎えた第10エンドに2点取られて敗戦。


       1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
日本        * 1 0 0 0 0 0 0 1 0  1  3
スウェーデン 0 0 0 0 1 0 2 0 2  0  5

一見してブランクエンドが多い印象ですが、前半は、複数失点の危機を上野美優選手のトリプルテイクアウトや、金井亜翠香選手のランバックからのダブルテイクアウトなどでしのいでしのいでという展開。
後半はスウェーデンに複数点を2回(うち1回はスチール)を取られ、日本の後攻では1点に抑えられるという形で、7敗目(3勝)を喫しました。

 


これで予選突破の6チームが確定(カナダ、イタリア、スイス、韓国、スウェーデンデンマーク。ただし順位は未定)。

 

日本は(日本時間の)今夜のスコットランド戦に勝てば、8位にまでは進出する可能性がけっこうありますが、負ければ11位に終わる可能性が高くなります。
「なんだ、8位か」といわれそうですが、11位とは五輪ポイントで3点違うので、来季の世界選手権に出るチーム(どこかわかりません)が感じるプレッシャーがかなり変わって来ます。
(五輪ポイントだけで五輪出場が決まるのは、上位7カ国。別に出場権のある開催国イタリアは、まず間違いなくそのレベルに入ってくるので、単純に考えると8位以内に入れば、出場の可能性が高くなりそう。)

まあ、11位でも五輪ポイントはゼロではないし(3ポイント)、世界選手権に出場すらできなかった頃よりはマシとも考えられますが。

2024世界選手権(女子)5

世界カーリング選手権(女子)はセッション14まで終了。
日本代表(SC軽井沢クラブ)は、カナダ、ノルウェーと連戦。


    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
日本  0 0 0 1 0 0 1 0 0  X 2
カナダ * 1 0 1 0 0 1 0 3 1  X 7

ロースコアの前半で、ブランクエンド(両者0点のエンド)も多い展開。
第7エンドで3点取ったカナダが勝って全勝、予選突破を決めました。
日本としては、第4エンドの最終投でダブルテイクアウトを狙って複数点を取りに行くという選択も議論があるようですが、チームカラーなのかもしれません。


       1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
ノルウェー *  0 1 0 2 0 0 0 1 1  0 5
日本     1 0 1 0 3 1 1 0 0  1 8

序盤から両チームともミスが目につき、結果的に接戦。
日本は第5エンドに3点取った後、第6、第7エンドに連続でスチールし、勝ち切りました。
これで3勝目(5敗)です。

 


日本は(日本時間の)今夜から明朝にかけて米国、スウェーデンと対戦。
明晩からその翌朝にかけてスコットランド、イタリアと対戦します。
この4戦は、よくても2勝2敗と予想しますが、スイスがスコットランドに競り負けるなど、有力チームでも難しいアイスのようです。


悔いが残らないように、できれば来季のPCCC(パンコンチネンタル選手権=今のルールではSC軽井沢クラブが日本代表となる)での戦い方にプラスになるように頑張っていただければ、と思います。

2024世界選手権(女子)4

世界カーリング選手権(女子)はセッション11まで終了。
日本代表(SC軽井沢クラブ)は、エストニアと対戦。


       1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
エストニア *  1 0 0 1 0 2 0 X X X 4
日本     0 2 1 0 2 0 5 X X X  10

2点取って逆転した直後の第3エンドに1点スチールし、優位に進めます。
第7エンドに一挙5点を挙げ、コンシード勝ちしました。

復調の兆しか、エストニア(本来のスキップではないチーム)が弱かったためなのかは、次戦以降を見ていくべきかも。
次は首位(6-0)のカナダです。

 

 

カナダ(チーム・ホーマン)は、8-5でスイスを破りました。
スイス(チーム・ティリンツォーニ)は2021年の世界選手権でスウェーデン(チーム・ハッセルボリ)に敗れてから、2021年7連勝、2022年と2023年で14連勝×2、2024年6連勝と、世界選手権41連勝中だったのですが、とうとう土がつきました。

その間、チーム・ティリンツォーニも、メンバー交代はあったと思いますが、それにしても、すさまじい連勝記録です。

 

日本は、正直なところ、カナダ戦は厳しいと思いますが、その次のノルウェー戦以降(特にあまり調子がよくなさそうなスコットランドか米国あたり)で好プレーが出ることを期待しています。