2023世界選手権最終日

世界カーリング選手権(女子)は、スイスが4連覇を達成。
準優勝はノルウェー、3位カナダ、4位スウェーデン

<3月29日22:33頃 日本の順位を「5位(タイ)」に修正しました。>

さて、前記事で触れた4点について、素人なりに考えてみます。

1)欧州系のアイス
2)ピーキングまたは体力(日本ミックスダブルス選手権から間隔が短かった?)
3)新ルールに伴う戦術の変遷
4)イタリアなど力をつけてきた国々

数字をつけましたが、重要順ではありません。思いつき順ぐらいで。

 

1)欧州系のアイス

日本のスキップ・藤澤選手だけではなく、苦労していた選手が多かった印象です(カナダのエイナーソン選手とかも)。
日本については、前記事のショット成功率の表を見ると、CDシート(特にD)で分が悪く、また遅い時間帯の方がよくない傾向です。
欧州チームでも、ヨーロッパ選手権3位のスコットランドは12位に沈みました。
北京五輪世界最終予選(2021オランダ開催)のアイスよりも、もっと個性的なのでしょうか。
一方、スイスは全く苦労していない感があります。
2026冬季五輪はイタリア開催ですが、どんなアイスになるか、情報収集の動きは今後出てきそうです。

 

2)ピーキングまたは体力

今季のロコ・ソラーレは、PCCC(11月)、日本選手権(1月末~2月上旬)の他に、初優勝したカナディアンオープン(1月)のようなグランドスラムなど、心身を調整しながら戦ってきたと思います、
日本ミックスダブルス選手権(2/21~2/26)から世界選手権(3/18~)までは、日数があるように見えて、スウェーデンとの時差(日加の時差よりも慣れていない)や、シーズン終盤の疲労の蓄積を考えると、一考の余地があったかもしれません。
鍛えていたにしても、スウェーデン(チーム5人のうち2人が妊婦、1人が産後でも4位)やカナダ(1人が妊婦でも3位)のような驚異的な身体ではなく、日本選手の中でも小柄な方のチームですから。
あと、男女別で開催される世界選手権は、今回のように最短5時間(開始時刻の間隔)で連戦があります。
五輪なら男女交互に実施するので、10時間か11時間か空きます。その間に体力を回復させるなり課題を修正するなりしやすいのですが。

 

3)新ルールに伴う戦術の変遷

具体的にはノーティックルールです。全体の5投目までは、センターラインに触れている相手ガードはウィック(排除せずに移動させること)もできないという。
後攻の有利さが減り、スチールが増え、コーナーガードよりもセンターガードの出現率が高くなった・・・ような気がしますが、これは必要あればリンドコーチなど専門家が分析にかかるでしょう。

 

4)イタリアなど力をつけてきた国々

実は、事前に懸念していた相手以外には、日本は負けていません。イタリア以外は。
スイスは鬼のように強い。スウェーデンも強豪ですが、平昌五輪の頃までは、どちらかといえば分がよかったのに、近年は逆転しています。まあ、この2チームに負けるのはあり得る話。
デンマーク、トルコは、調子に乗っているときは手がつけにくいチーム。
それ以外の、比較的オーソドックスなチームには勝ち切っています。イタリア以外は。
イタリアのスキップは、北京五輪のミックスダブルスの優勝者です。次期開催国として4人制の強化も図っているのでしょう。今後、もっと強敵になる可能性があります。
他の国、たとえば準優勝のノルウェーもそうですが、最下位のニュージーランドにしても、この大会中に経験値を積んで、強くなってきたような気がします。

 

余談ですが、今大会の最終順位10位までが五輪に参加したとすると、
リーグ戦では、
1位スイス(9-0)、2位スウェーデン(5-4)、3位日本(同)、4位カナダ(同)、5位ノルウェー(同)、6位米国(4-5)、7位イタリア(同)、8位トルコ(3-6)、9位ドイツ(同)、10位韓国(2-7)
となります。

さらに余談。
中部電力が出場した2022年と、今回の世界選手権は五輪ポイントには関係ありませんが、仮にこの2大会で計算すると、次期五輪出場権を確保したのは、

1:スイス(28)、2:カナダ(20)、3:スウェーデン(18)、4:ノルウェー(17)、5:韓国(16)、6:米国(14)、7:日本(13)、8:イタリア(11、というより開催国)

(カッコ内はポイント)となります。
あとは、最終予選(今回は2枠)に回ります。
2024、2025、どこが世界選手権の日本代表になるにしても、これぐらいの成績を収めないと、最終予選で勝ち抜く必要があるということです。