李下に冠を正さず

「ゴルフ解禁」の是非検討=公務員倫理で調査―人事院

時事通信2月7日(日)2時31分配信)
 倫理規程で禁止された国家公務員の「利害関係者とのゴルフ」に関連し、人事院の国家公務員倫理審査会は今年度内にも、民間企業での接待ゴルフの状況についてヒアリング調査を始める。
 超党派議員連盟が、禁止行為からの削除を求めていることを受けた。現在は、プレー代金を折半した場合でも規程違反となるが、調査結果が「ゴルフ解禁」につながるかが焦点だ。
 規程は、国家公務員への過剰な接待や贈与が問題となったことから、2000年4月に施行された。許認可の相手方や補助金の相手先などを「利害関係者」と位置付け、一緒にマージャンなどの遊技やゴルフをすることを禁止している。一方、公務員が個人的にゴルフをすることは認められている。
 これに対し、超党派ゴルフ議員連盟衛藤征士郎名誉会長)は、禁止行為から「ゴルフ」を削除するよう求めている。国民の1割が楽しむ人気スポーツであることなどを理由に挙げており、15年11月には菅義偉官房長官に要請した。
 そのため、倫理審査会は数十社を対象に、どういう時にゴルフ接待するかなどをヒアリング調査することを決めた。具体的には、ゴルフ会員権の保有状況や、営業活動の一環としてのプレー回数や支出額などを尋ねる予定。さらに有識者にもゴルフ禁止についての見解を聴取する。調査結果によっては、倫理審査会が規程改正に向けた意見を内閣に申し出るとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00000006-jij-pol

この「超党派ゴルフ議員連盟」なるものの主張とされていることについて独断で批判を行うため、記事を全文引用しています。

この議員連盟は、ゴルフ場利用税の廃止を主張しているということは知っていました。
ゴルフ場利用税都道府県税ですが、7割がゴルフ場所在市町村に配分されます。まあ、ゴルフ場利用者に対する応益税的性格もあります。
ただ、この税の廃止を主張するという意見があっても不思議ではないとは思います。
(代替財源も提案しないと、少なくとも政治家の主張としては無責任だとも思いますが。)

ただし、国家公務員が利害関係者とゴルフをすることは、また別の問題でしょう。

「李下に冠を正さず、瓜田に履を納れず」という言葉があります。
李(スモモ)や瓜を盗もうとしていると思われかねない行為は慎むべき、ということです。

たとえば、この超党派ゴルフ議員連盟なるものに属する議員が、ゴルフ業界関係者とゴルフをしたとします。
それ自体、怪しい行為だと私は思いますが、そこに国家公務員、特に財務省などゴルフ場利用税の改廃に関わる可能性がある職員が加わっていた場合、純粋にプレー自体を楽しんでいた、と解釈する国民がどれくらいいるでしょうか?

"「国民の1割が楽しむ人気スポーツ」"というのは統計的に確認していませんが、
もっと多くの国民が楽しんでいる普通の飲食ですら、利害関係者と同席するのは慎むべきでしょう。
それが公務員(国家も地方も)というものだと思います。

結論として、これはダメ。


もっとも、ゴルフ場利用税のあり方、たとえば五輪参加など、選手に対する優遇措置を拡大するとか、そういう見直しについて議論することは否定するものではありません。