認知症でないのに認知症と診断

認知症でないのに認知症と診断 3500人余

(NHK 8月5日 19時09分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150805/k10010179491000.html

認知症の高齢者が急増するなか、実際には認知症でないのに認知症と診断されていた人が去年1年間に全国で少なくとも3500人余りに上ることが、NHKが専門医を対象に行ったアンケート調査で初めて明らかになりました。中には認知症の治療薬を服用し、深刻な副作用が出ていたケースがあることも分かり、厚生労働省は「こうした実態があるとすれば問題で診断が適切に行われるよう対策を急ぎたい」と話しています。

以下、NHKの報道より。

日本認知症学会と日本老年精神医学会に所属する認知症の専門医1634人を対象にアンケート調査
全体の32%に当たる531人から回答

「ほかの施設で認知症とされた患者を診断した結果認知症ではなかったケースがある」と答えた専門医:426人(回答者の80%)

専門医が改めて診断を行った結果
 「うつ病」:26%
 手術のあとなどに意識が混乱する「せん妄」:23%
 持病の薬の副作用でもの忘れなど認知症のような症状が出ていたケース:14%

厚生労働省は調査のような実態があるとすれば問題だとしたうえで、「診断が適切に行われるよう医師の対応力を高めるなど対策を急ぎたい」と話しています。一方、日本老年精神医学会の理事長で順天堂大学の新井平伊教授は「現場の実態を現す初めての数字で、こうした人たちがさらにいる可能性がある。認知症と紛らわしい病気の中には、治る可能性があるものもあり、かかりつけ医はこうした病気に気づいて早い段階で専門医と連携を取って正しい診断につなげてほしい」と話しています。
などと続いています。

認知症と老人性うつ病などとは紛らわしい。

仕事であろうが、家族や知人としてであろうが、高齢者に関わる人々の中には、
認知症の専門医でなくても、このようなことに気がついている場合があると思います。

だから、こういう診断の間違いは(ない方がよいのは当然ですが)あるだろうな、というのが私の認識です。
厚労省が「こうした実態があるとすれば問題」などと、初めて知ったかのような、あるいは「こうした実態はないかもしれない」という含みの見解を示す方が問題ではないかと思います。

別の角度では、
たとえば認知症のように見えても、本人の意欲が戻れば生活上のさまざまな障害が軽減する。
そういうべきなのかもしれません。