高齢者、5~10歳 若返り

高齢者、5~10歳若返り…老年学会

10~20年前と比較…知力・体力向上 病気の人減少

 日本老年学会は12日、65歳以上の高齢者の身体、知的機能や健康状態についての分析結果を発表した。

 最新の科学データを総合すると、「現在の高齢者は10~20年前に比べて、5~10歳は若返っていると想定される」と評価。高齢者の健康状態は個人差が大きいが、「高齢者が就労やボランティア活動などに参加できる社会を創ることが今後の超高齢社会を活力あるものにするために大切だ」との声明を出した。
(2015年6月13日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=119880


以下、記事を適宜要約します。

○知的機能
 ・日本大の内藤佳津雄教授(心理学)らが、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が大府市の40歳以上の住民約2300人に実施してきた知能検査のデータを分析。
 ・認知症がなく、健康状態の良い高齢者の集団では、ほとんどの検査項目で60~70歳代の成績が向上。
 ・2010年の70歳代は10年前の10歳程度若い人たちと同等の成績

○病気にかかる割合
 ・東京大・秋下雅弘教授(老年医学)が全国の65~79歳の高齢者が1996~2011年に医療機関で治療を受けた割合を分析。 ・75~79歳の女性では脳卒中で治療を受けた割合が3分の1近くに
 ・脳卒中の他、心筋梗塞骨粗しょう症も大きく減少
 ・アルツハイマー病を除く、ほぼ全ての病気で低下傾向。
 ・要介護認定率もほぼ全ての年代で低下。

*秋下教授は、定期的な運動など生活習慣が改善したのが原因ではないかと指摘。65~79歳の高齢者の健康状態は5~10歳程度改善している可能性があるとした。

○身体機能
 ・桜美林大の鈴木隆雄教授(老年医学)が、1992年と2002年に秋田県で実施された高齢者の調査のデータを比較。
 ・歩く速さや握力、片足立ちの時間などが各年代で向上。
 ・この地域では、その後の調査でも身体機能が改善しているデータも出ている。

*同学会では、今後、これらのデータを基に、現在65歳以上とされている高齢者の定義を変更する必要があるかどうかも検討する。

(記事の要約または引用ここまで)

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どちらかといえば、
首都圏の介護不足を地方で補う提言(それはそれで提言の意味はあると思いますが)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/34006400.html

よりは、今回のニュースの方が私は好きです。

というより、社会保障費増大対策としても、
「要介護2以下を軽度者として介護保険から除外する」
ような経済的にも(社会全体が)損をしそうな方法よりは、
高齢者の若返りを目指す方が本筋だろうと思います。

この手の分析には今後も注目していくつもりですが、
もしも検討の結果、「65歳は高齢者ではない」という制度になるのなら、
いっそのこと、介護保険の被保険者を若年層まで拡大して、
年齢にかかわらず切れ目のない支援が受けられるようにすべきだと思っています。