お金はないの?

社会保障や福祉サービスなどの話をすると、財源の問題が避けて通れなくなっています。
 
本当に、お金はないのでしょうか?
 
はい、ないと思います。
 
より正確には、国や保険財政には十分な財源がない、ということで。
 
では、どこにもないかというと、あるところにはあります。
 
(これは正確ではなく、イメージ的にいえば、ということになりますが)
 
1)脱税者(脱税法人)
2)高額年金受給者
3)裕福な一部の自治
 
などを挙げておきます。
 
他にも、まっとうに働いて、まっとうに稼いでいる人たち(法人も)がありますが、今回は除外して進めます。
 
 
1)脱税者(社)
 
税の徴収の効率が良くなれば、当然、税収も(いくらかでも)増えます。
脱税は、どんな社会、どんな制度でもゼロにすることは困難です。残念ながら。
ですが、相対的に脱税しにくい、あるいは脱税が発覚しやすい制度はあります。
というところで、消費税のインボイス(伝票方式)を導入すべき、と言っておきます。
 
インボイスについては、いろいろ過去記事があると思いますが、たとえばこちら。
 
 
2)高額年金受給者
 
脱税者と並べられると、年金受給者の方は(「裕福な一部の自治体」も)迷惑だと思いますが、ご容赦ください。
厚生年金や共済年金などの受給者の中には、若年の会社員や公務員などより使えるお金が多い人たちがゴロゴロしています。
社会保障制度改革国民会議」などでも、こういう年金水準の見直しについては言及されていますが、財産権の保護(もしくは高齢有権者の反発などのおそれ)などから、消極的な意見が多いかもしれません。
 
 A:年金のうち、一定額を超えた部分について減額する。
 B:制度的に困難なら、年金税制の変更で対応する(控除や遺族年金非課税などの見直し)。
 C:それも困難なら、1号介護保険料などを現在より多段階にし、あるいは各段階の負担額の差を大きくする。
 
BとCは、公租公課による富の再配分機能の強化、ということになりますか。
 
付け加えれば、施設入所者の、いわゆる補足給付などについて、死亡時に財産から優先的に徴収する、というのも、似たような効果があるといえます。
親の面倒(介護に限らず)を施設に任せて、親が残した年金原資の財産は全額相続する、というのも、ねえ。
 
 
3)裕福な一部の自治
 
・・・というのは、一般的には、普通地方交付税の不交付団体ということになります。
都道府県では、東京都のみ。
市町村では、大都市圏とは限らず、意外な財源をもっている自治体もあります。
まあ、楽して儲けているというわけではなく、いろいろ努力の結果、独自財源を確保するに至った場合もありますが、あまりに格差が大きすぎると、バランスを考えざるを得ない面があります。
(裕福でない自治体が、必ずしも、浪費したわけでも努力をしていないわけでもないことに留意。)
市町村事業に振り替え、みたいなことを提案する場合には、やはり無縁の問題ではないと思います。
 
蛇足ですが、「過疎地なんかどうなっても仕方ない」と思われている方がいらっしゃるとすれば、
国土を守るという意味でも過疎地帯策というのは重要なんですよね。
離島に人が住んでいるというのは、まさに「我が国が実効支配している」ということの現れですし(注:無人島であっても実効支配の主張は可能です)、過疎の山間地で森林の手入れがされていないがために下流の都市域で台風災害が深刻になった例もあります。
 

それはそれとして。
社会保障制度改革国民会議の審議のための意見募集<メールは5/15(水)17:00まで>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/iken.html