選挙の参考にしなくていいですよ

衆院選の公約がいろいろ出てきたようです。
明後日(10月19日)の公示後は、あれこれ論評するとアジがよくないので、基本的には党名を挙げずに軽くコメントしておきます。

 

新型コロナ対策等の各種の給付策(→いろいろ問題あり)

 

2020年春頃の新型コロナ対策としての給付は、速度重視の観点から一律ひとり10万円ということでやむを得なかったと思います。あの時点で「真に必要な人に」ということを求めていたら、給付までにどれだけ時間がかかるか、受給者や自治体などの手間がどれぐらいかかるか、わからなかったでしょうから。

でも、それから1年以上が経過しました。政治家や官庁がしっかり努力していたら、バラマキの要素が低い、真に必要な人々に給付できるようなシステムが構築できていたはずだと思うのですが・・・
一定の条件の対象者(低所得者など)に限定する場合はともかく、今の時点で、全国民へ、とか、子育て世帯すべてへ、というような給付案が出てくるのはおかしいでしょう。
財務次官のバラマキ批判には賛否両論があるでしょうが、当っている面はあります。

 

ベーシックインカム(→反対)

 

富裕層を含む全国民に、一定の金額を定期的に給付する制度です。
財源に恵まれた国(石油など)が実施する場合を除いて、数万円からせいぜい十数万円程度(・・・まではいかないと思う)の金額の代わりに、年金やら生活保護やらほぼすべての社会保障がなくなるおそれがあります(閣僚が竹中平蔵氏なら当然のようにそうなりそうです)。
仮に生活保護の基準と同等額以上の給付があったとしても、それをもらってパーッと使っちゃうような金銭管理能力が乏しいような人たちが、生活保護受給者にもそうでない人たちにもいますが、そういう人々は「自己責任」のひとことで放置されそう。
そういう人々を相手に、生活保護に限らずケースワーカーソーシャルワーカーと呼ばれるような職種が汗をかいているのですが、ベーシックインカムの制度設計によっては、当然にこういう職種がなくなるか、少なくとも大幅減員となるでしょう。
ところで、すでに私たちが掛け金を払っている厚生年金なんかはどうなるのでしょうか?

 

消費税の廃止、(一時)税率引き下げなど(→だいたい反対)

 

令和5年(2023年)10月から、いよいよ(やっと)諸外国並みに、消費税のインボイス化が始まります(経過措置あり)。
帳簿方式による現行制度と比べ、不正がしにくくなる(バレやすくなる)などのメリットがあります。
また、軽減税率対象品目が増えても対応しやすくなるという効果も期待できます。
ここは、消費税廃止や、税率の(一律)引き下げなどは行わず、他の方法で困窮者対策や景気対策を考えましょう。
ただ、軽減税率対象品目の拡大は、将来にわたって検討すべきでしょう。
たとえば、まず生理用品。これがなぜ10%なのか。マスク、紙オムツなども軽減でよいのでは?
食料品でないから? でも、新聞は(生活必需性からいえば生理用品などより低いのに)軽減税率ですよね?
今、コロナ禍で苦しんでいる飲食業界でも、たとえば千円以下は軽減税率とか(これが適当とはいいませんが、線引きの議論はしてよいと思う)、いろいろ考えて行くべきだろうと思います。

 

原発の稼働(→コストが高いことを認めてから議論しましょう)

 

脱炭素対策もわかるのですが、廃棄物をどこに埋めるか(原発推進派の議員の地元選挙区でいいのか)も併せて検討してください。
なお、核分裂ではなくて(常温)核融合についての検討は結構なことと思います。

外交・安全保障(→敵基地攻撃能力について踏み込むことまでは求めませんが)

親中派、というか、中国政府とパイプのある政治家を否定するつもりはありません。
だけど、「パイプある政治家(または政党)が尖閣諸島についての中国からの挑発をやめさせた」というような実績は聞いたことがないし、また、新疆ウイグルチベットなどの人権抑圧について、批判や懸念ぐらいは発しないと、欧米の政治家とはまともにつきあいできないのでは?
蛇足ですが、少なくとも国交大臣を出している党は、海上保安庁の現場の足を引っ張ったりしないように。

 

夫婦選択別姓(→「党内が割れるから議論しない」はダメ)

 

本来は、政争ではなく、全政党が党議拘束を外して自由に議論すべきだろうと思います(この点については、自民党総裁選の河野太郎氏の意見のとおり)。
本件については、選挙に関係なく、また記事にするつもりです。