社会保険料に余裕はない

少子化対策社会保険料「使う余地はない」加藤氏
産経新聞 5/7(日) 14:06配信

加藤勝信厚生労働相は7日のフジテレビ番組で、少子化対策の財源として、医療や年金などの社会保険料を引き上げる案について「正直、(保険料の一部を)子供に持っていく余地はない」と否定的な見方を示した。

加藤氏は「医療や年金はそれぞれの目的と負担との関係で(制度を)作っている。今が目一杯で、(負担と給付が)均衡する形でいただいている」と指摘。医療費や年金の支払いなど、各社会保険の主目的以外に振り向ける余裕はないと訴えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/99735c74e10b58272c47eb2a18765b21fee06051

 


ごもっとも。


この加藤勝信氏については、厚生労働相としても、以前の内閣官房長官としても、あまり評価していない(いなかった)が、この発言は真っ当だと思います。

社会保険料は、所得税に比べて累進性が弱い、というか、逆進性を有しています。
つまり、経済的弱者ほど負担が重い。
また、勤務先の負担もあります。

 

さらに、社会保障関係は、財務省筋が減らしたくて減らしたくてたまらない分野でもあるようです。
高齢社会で毎年のように増える。
それは、つまり社会の役に立っている、必要なお金ということでもあります。
年金については相対的に高所得者分、たとえば財務省関係者の将来の年金を減らしてもいいというのなら検討の余地はありますが(基礎年金など低所得者に影響が出る年金は減らすと生活保護受給者が増えて、かえって財政的に厳しくなります)、医療はもちろん、介護保険もしっかり維持しないと、たとえば親を介護する現役世代が安心して働けなくなります。

 

防衛費のために所得税増などの財源を考え、国債もそうそう無制限に増やせないから、消去法的に社会保険料でも、という考え方が与党筋にあるのかもしれませんが、きわめて安易な考え方といわざるをえません。