H250225会議資料つまみ食い5

(5)訪問系サービスに係る適切な支給決定事務について
[1] 支給決定事務における留意事項について

 訪問系サービスに係る支給決定事務については、「障害者自立支援法に基づく支給決定事務に係る留意事項について」(平成19年4月13日付事務連絡)において留意すべき事項をお示ししているところであるが、以下の事項について改めて御留意の上、適切に対応していただきたい。
 ア 適性かつ公平な支給決定を行うため、市町村においては、あらかじめ支給決定基準(個々の利用者の心身の状況や介護者の状況等に応じた支給量を定める基準)を定めておくこと
 イ 支給決定基準の設定に当たっては、国庫負担基準が個々の利用者に対する支給量の上限となるものではないことに留意すること
 ウ 支給決定に当たっては、申請のあった障害者等について、障害程度区分のみならず、すべての勘案事項に関する一人ひとりの事情を踏まえて適切に行うこと
 また、特に日常生活に支障が生じるおそれがある場合には、個別給付のみならず、地域生活支援事業におけるサービスを含め、利用者一人ひとりの事情を踏まえ、例えば、個別給付であれば、個別に市町村審査会の意見を徴収する等し、いわゆる「非定型ケース」(支給決定基準で定められた支給量によらずに支給決定を行う場合)として取り扱うなど、障害者及び障害児が地域において自立した日常生活を営むことができるよう適切な支給量を決定していただきたい。

[2] 障害者自立支援法介護保険法の適用に係る適切な運用について

 65歳以上の障害者については、介護保険法が優先的に適用される一方で、サービスの支給量・内容が介護保険制度では十分に確保されない場合には、障害者自立支援法において、その支給量・内容に上乗せしてサービスを受けられる仕組みとなっている。
 障害者の中には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や全身性障害などで介護保険制度が想定する加齢に伴う障害を超える重度の障害を持つ方々もいるため、このような方々が十分なサービスを受けられるよう、利用される方々の意向を丁寧に聴取するなど、個々の実態を十分に把握した上で、障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」(平成19年3月28日障企発第0328002号・障障発第0328002号厚生労働省社会・援護局障害保険福祉部企画課長・障害福祉課長連盟通知)を踏まえ、介護保険法によるサービスの支給量・内容では十分なサービスが受けられない場合には、障害者自立支援法において、その支給量・内容に上乗せしてサービスを受けられるようにするなど、適切な運用に努められたい。

[3] 重度訪問介護等の適切な支給決定について

 重度訪問介護等に係る支給決定事務については、「重度訪問介護等の適正な支給決定について」(平成19年2月16日付事務連絡)において留意すべき事項をお示ししているところであるが、以下の事項について改めて御留意願いたい。
 ア 平成21年4月より、重度訪問介護の報酬単価について、サービス提供時間の区分を30分単位に細分化したところであるが、これは、利用者が必要とするサービス量に即した給付とするためのものであり、重度訪問介護の想定している「同一箇所に長時間滞在しサービス提供を行うという業務形態」の変更を意味するものではなく、サービスが1日に複数回行われる場合の1回当たりのサービスについて30分単位等の短時間で行うことを想定しているものではないこと。
 イ これまでに、利用者から「短時間かつ1日複数回にわたるサービスで、本来、居宅介護として支給決定されるはずのサービスが重度訪問介護として支給決定を受けたことにより、適切なサービスの提供がされない。」といった声が寄せられているところである。短時間集中的な身体介護を中心とするサービスを1日に複数回行う場合の支給決定については、原則として、重度訪問介護ではなく、居宅介護として支給決定すること。
 ウ 「見守りを含めたサービスを希望しているにもかかわらず、見守りを除いた身体介護や家事援助に必要な時間分のみしか重度訪問介護として支給決定を受けられない」といった声も寄せられているところである。重度訪問介護は、比較的長時間にわたり総合的かつ断続的に提供されるものであり、これが1日に複数回提供される場合であっても1回当たりのサービスについては基本的には見守り等を含む比較的長時間にわたる支援を想定しているものであることから、利用者一人ひとりの事情を踏まえて適切な支給量の設定を行うこと。

[4] 居宅介護におけるサービス1回当たりの利用可能時間数について

・・・支給決定事務等に係る事務連絡において・・・障害者等に交付する受給者証に、居宅介護についてはサービス1回当たりの利用可能時間数を記載することとしており、また、目安として、サービス1回当たりの標準利用可能時間数を身体介護3時間まで、家事援助1.5時間まで」と示しているところである。
 支給決定に当たっては、申請のあった障害者等について、一人ひとりの事情を踏まえて適切に行うことが必要であり、居宅介護のサービス1回当たりの利用可能時間数についても、標準利用可能時間数一律に適用するのではなく、必要な場合は、標準利用可能時間数を超える時間数を設定するなど、一人ひとりの事情を踏まえ'''た支給決定をすることが必要であることに留意されたい・・・

「一人ひとりの事情を踏まえ」という言葉をくどいほど繰り返しているのは、結局、太字箇所ができていない自治体が少なくない、ということなのでしょうね。

この前の記事の「同行援護」関係もそうですが、不適切な自治体対応に、障害者団体も国も手を焼いているという状況なのでしょうか。
(ただし、国庫負担基準の件を含め、厚労省に全く問題なしとは思いません。)