ケアマネ検討会中間整理1

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002s7f7.html

久しぶりに、wiki文法を使ってみることにします(なので、原文とは若干レイアウトに差があります)。
なお、この手の枠内は、引用者のコメントです。

平成25年1月7日
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会

1.はじめに


○ 今後、2025年に向けて、団塊の世代が75歳以上となっていくことに伴い、要介護発生率が高くなる75歳以上の高齢者の割合が急速に進むことが見込まれる。また、認知症高齢者は2012年時点で約300万人と増加してきており、今後もその増加が見込まれる。さらに、高齢者のみ世帯や一人暮らし高齢者の数の増加も進んできており、地域全体で支援を必要とする高齢者を支える必要性も高まってきている。
 一方、介護が必要となった場合に、自宅で介護を受けたいという希望を持つ人は74%となっているなど、要介護者等となっても、高齢者が尊厳を持って、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるよう、地域包括ケアシステムを日常生活圏域で実現していくことが重要な政策課題となっている。

○ こうした中、要介護者等に、その人にふさわしい適切な介護サービス、保健医療サービス、インフォーマルサービス等を総合的に提供することが、これまでにも増して求められるようになってきており、介護支援専門員の資質やケアマネジメントの質の向上に対する期待も大きくなってきている。

○ 現状における介護支援専門員の資質やそれを支える体制については、様々な課題が指摘されており、社会保障審議会においても、「より良質で効果的なケアマネジメントができるケアマネジャーの資格のあり方や研修カリキュラムの見直し、ケアプランの標準化等の課題について、別途の検討の場を設けて議論を進めることが必要である」(介護保険部会意見書(平成22年11月30日))、「根本的なケアマネジメントの在り方の検討が求められている」「ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置し、議論を進める」(介護給付費分科会審議報告(平成23年12月7日))などの指摘がされてきている。

○ さらに、社会保障・税一体改革大綱(平成24年2月17日閣議決定)においても、「ケアマネジメントの機能強化を図る」、「自立支援型のケアマネジメントの実現に向けた制度的対応を検討する」とされている。

○ こうしたなか、本検討会は、平成24年3月に、ケアマネジャーの資質向上と今後のあり方について議論を行うことを目的として設置され、これまで7回にわたって議論を重ね、このたび、中間的な整理を取りまとめた。なお、中間的な整理の取りまとめにおいては、パブリックコメントを行い、平成24年10月11日から31日までの間において、727件の意見が寄せられたところである。

2.総論


○ 介護保険法の目的・理念としては、高齢者が要介護状態等となっても、尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要な支援を行うことである。

○ そのため、保険給付は、要介護状態の維持・改善に資するよう行われ、利用者本位による保健・医療・福祉サービスが、総合的かつ効率的に提供されなければならない。

○ 一方、利用者についても努力義務が唱われており、自ら要介護状態となることの予防のため健康の保持増進に努めることや要介護状態になった場合であっても、進んでリハビリテーションやその他の適切なサービスを利用することで、自らが有する能力の維持向上に努めることとされている。

○ 介護支援専門員は、利用者が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有する者として、介護保険制度を運用する要として重要な役割を担っている。
 介護保険制度は、利用者本位の介護サービスの提供を基本理念の一つとして創設された。介護支援専門員は、その理念を実現する中心となる資格であり、利用者の立場に立って、その生活全般に寄り添って支援を行う機能を果たしてきており、制度創設から10年以上が経過した現在、国民の間にも定着し、要介護者等にとって欠かせない存在となってきている。

○ 介護保険制度においては、利用者の尊厳の保持を旨とした自立支援を実現していくことが重要であり、そのためには、介護支援専門員による適切なケアマネジメントは必要不可欠であり、その質の向上は不断に求められるものである。

○ 平成18年の制度改正においては、介護支援専門員の専門性の確立という観点から、研修の強化を図るとともに、資格の更新制を導入し、更新時の研修を義務付けるといった見直しを行ったが、その後も、医療の必要性が高い利用者や独居世帯の利用者、認知症の利用者が増加するなど、ケアマネジメントの質をより高くすることが求められるようになってきている。

○ また、国の政策においては、高齢者が住み慣れた地域で自立した日常生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組を進めており、各地域におけるその実現に向けても、これらのサービスが有機的・包括的に機能していくための橋渡しをするケアマネジメントへの期待が高まっている。