ケアマネ検討会中間整理5

(2)保険者機能の強化等による介護支援専門員の支援について


 介護支援専門員に係る課題については、研修などを通じて介護支援専門員自身の知識や技術の向上に取り組むことも重要であるが、介護支援専門員の資質の向上への取組を効果的なものとするため、保険者である市町村により、介護支援専門員の支援を充実していくことも重要である。
 そこで、上記(1)で示した見直しに加えて、以下のように、保険者による介護支援専門員の支援体制を充実すべきである。
 また、保険者として、介護保険制度の目的・理念やケアマネジメントの意義などについて、被保険者やその家族に周知していくことが重要である。

[1] 地域ケア会議の機能強化

○ 厚生労働省では、平成24年3月に「地域包括支援センターの設置運営について」(平成24年3月31日付け厚生労働省老健介護保険計画課・振興課・老人保健課長連名通知)において、地域ケア会議の設置運営について改めて方針を示している。
  そこでは、地域ケア会議の目的を、多職種協働による個別ケースの支援内容の検討を通じた
 ・高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築
 ・地域の介護支援専門員の、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援
 ・個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握
 などを行うこととしている。

○ この地域ケア会議は、以下のような意義を持つものと評価でき、積極的な取組を推進すべきである。
 ・実践を通じた、多職種によるアセスメント能力などの介護支援専門員の資質向上の支援
 ・高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの実現
 ・多職種協働によるサービス担当者会議の実効性を高める支援
 ・医療との連携、インフォーマルサービスの組み込み、支援困難事例に対する支援
 ・地域における課題の発見、地域のネットワーク化、社会資源の開発
 ・介護支援専門員の独立性・中立性・自律性の確保
 ・小規模事業所の支援
 ・日常的な多職種の学びの場

○ また、地域ケア会議では、個別ケースの課題分析等の積み重ねにより地域課題を把握することにつながり、地域に必要な資源開発や地域づくり、さらには次期介護保険事業計画への反映などの政策形成や地域包括ケアの実現につなげていくことが期待される。
  こうした地域づくりや政策形成等につながる地域ケア会議は、日常生活圏域のものに加えて、市町村レベルで関係者が集まり協議していくことが重要である。
  その際には、在宅医療の関係者との緊密な連携が望ましく、後述の在宅医療連携拠点事業と連携協働していくことが期待される。

○ このような地域ケア会議については、地域の実情に応じた柔軟な取組を進めるとともに、今後、全ての保険者で実施されるよう、国は法制度的な位置付けも含め、その制度的位置付けについて強化すべきである。

○ また、保険者に対する地域ケア会議の普及・促進を図っていくためには、保険者が具体的なイメージを持って取り組んでいけるよう、国において、地域ケア会議の運営手順書の整備、先進的な取組を行っているモデル事例の収集及びその全国の保険者への紹介、議論を行う上で有益な情報を提供できる基盤の整備を進めることが必要である。
 さらに、地域ケア会議の開催にはコーディネーターの役割が重要であることから、コーディネーター養成のための研修の取組も必要である。

○ なお、この地域ケア会議は、特定の個別ケースについて、当該ケースのサービス提供に直接関わらない専門職等も含め、第三者的視点により検討するものであり、充実したサービス担当者会議の支援にもつながるものである。

○ 現在、保険者が実施しているケアプラン点検については、自立支援に資するケアプランを進める取組であり、地域ケア会議の取組とともに進めていくことが重要である。

○ 自立支援に資するケアマネジメントを進める上では、身体機能の維持・改善に限定して考えるのではなく、利用者の意思、意欲、QOL(生活の質)の向上などの要素にも留意すべきである。

最後の「身体機能の維持・改善に限定して考えるのではなく、利用者の意思、意欲、QOL(生活の質)の向上などの要素にも留意すべき」という趣旨の意見は、パブリック・コメントでも、いろいろな表現で寄せられていましたね。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31723742.html