批判に対する感謝

国史上でトップクラスの名君とされている人物に、唐の大宗があります。

兄弟と皇帝の座を争って殺したりもしましたが、その政敵であった兄の臣下を許して活用したり、諌言する臣下を大事にした、と伝わっています。

権力者の意に反することを表明するのは、勇気が必要です。
諌言を歓迎する君主の話が残るのも、そうでない人物が多いことの裏返しかもしれません。

現代の日本では、国政レベルの暴君は生まれにくくなっています。
地方自治体レベルの方が、システム上は権限の強いトップが生まれやすいかもしれません。
部下の諌言を好むか、選挙に通ったのは自分だから黙って従え、とするか、人によって差があるでしょう。

そういう昨今の権力者には比べるべくもありませんが、ネット上で情報発信している以上、私たちもいくらかは力を持っていると言えないこともありません。

私たちの情報発信に、違った角度から意見を頂くこともあります。
樹形図の二つのシミュレータ、樹解夢と樹介は、多くの人々のご意見で、少しずつ改良してきました。
中には、ご意見をお寄せいただいた方の勘違いもありましたが、そういう方にも私は感謝しています。
間違っているかもしれない、と思ってご意見が寄せられなかったとすると、間違っていないご意見にも巡り会えなかったかもしれないからです。

春秋時代の政治家、子産は、「ご意見には従えませんが、ご忠告いただいたことは感謝します」という意味のことを言ったようです。
及ばずながら、私も努力していきたいと思います。