東電パブコメと原発コスト

パブリックコメントの結果発表で、こんなものがありました。

東京電力株式会社による電気料金の値上げ申請に係る「国民の声」に対する結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620212011&Mode=2

東京電力の電気料金値上げに係る公聴会及び「国民の声」で寄せられた主な意見に対する見解」

まあ、いろいろな意見が出ていますが、それは省略して・・・

事故コストを考えると原発コストは高いことを認めて欲しい。
原子力について、絶対安全ではないこと、お金がかかることを認識してください。

それに対する見解が、

 各電源の発電コストについては、昨年12月に「エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会」により報告されている。その報告によると代表的な設備利用率(70%)、運転年数(40年)において使用済み核燃料の処理費用、廃炉費用、試算時点で明らかになっている東京電力福島第1原子力発電所の事故処理費用などを含めた原子力の発電コストは8.9円/kWh以上と試算されている。また、設備利用率(80%)、運転年数(40年)の場合、石炭火力は9.5円/kWh、LNG火力は10.7円/kWhと試算されており、東京電力福島第1原子力発電所の事故処理費用によっては原子力の発電コストは今後増える可能性がある。
 詳しくは、以下のURLで公開されている「エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会 報告書」を参考にされたい。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive02_hokoku.html

 なお、原子力発電所にかかるコストとして、例えば核燃料資産や核燃料費、原子力バックエンド費用等が計上されているが、これらはいずれも、それぞれの根拠となる法令に基づき、適切に算定され、原価に計上されていることが確認されている。


その報告書の中にも、
原子力発電所のコストは下限値として提示する」
と明記されているのですが、図表などを見ると、いまだに原子力のコストが低いように見えるところが何とも。
上の「見解」も、もうちょっと書き方があると思うのですが、けいさんのできない経産省の限界でしょうか。


ちなみに、2012年8月2日の東京新聞には、こういうコラムもあります。

 原子力発電はコストが高く、経済的に見合わなくなる-。脱原発派の主張ではない。原子炉メーカー世界大手の一角を占めるゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト最高経営責任者が最近、英紙フィナンシャル・タイムズに語った内容である▼発言の背景にあるのは「シェールガス革命」だ。地中深い岩盤から採取されるシェールガスの増産が進み、天然ガス価格はここ十年来の安値水準を続けている▼イメルト氏は原発はコストが高いと指摘、「(経済的に)正当化するのが非常に難しい」「天然ガスが非常に安くなり、いずれかの時点で経済原則が効いてくる」と述べて、天然ガスと風力、太陽光の組み合わせに向かっている世界の趨勢(すうせい)を語っている(以下略)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012080202000107.html