パブコメ~要介護認定等基準時間(2)

(前記事の続き)
ということで、私が送った意見は、以下のとおりです。

************

 今回示された樹形図等を基に、シミュレーション用のエクセルシートを作成しました。樹形図も表示可能です。こちらにアップしていますので、不当な軽度誘導になっていないか、貴職でもご確認ください。
http://www.jupiter.sannet.ne.jp/to403/dl.html

 なお、本件パブリックコメントで提示された資料には、樹形図部分までしか示されていません。「運動能力の低下していない認知症高齢者のケア時間加算」等のロジックについては、その後、自治体サイトで審査会委員テキストが掲載されるまで、当方ではわかりませんでした。一部しか示さずに意見募集を行うことは、パブリックコメントのあり方として不適切です。今後のパブリックコメントの実施に際しては、このようなことがないように努めてください。

 ちなみに、主治医意見書と認定調査の認知症自立度の記載に差がある場合の「認知症自立度II以上の蓋然性」については、低めに出る傾向があるように感じました。「要介護1相当」で要支援2と要介護1との振り分けをする際には、コンピュータで出された「蓋然性」の数値は、絶対的なものと捉えず、参考程度に考えて審査するようにした方がよいように思います。

 いずれにせよ、「要介護1相当」という、心身の状態が変動しやすいあたりに線を引いて、予防給付と介護給付とに分けること自体に無理があるとは思います。そのために、ケアマネジメントの担い手が、認定のたびに交替するという、利用者にも一般国民にも理解しづらい現象が発生します。今回のパブリックコメントの対象とはなっていませんが、現行の予防給付制度は、早急に廃止し、介護給付に一本化すべきです。

 さて、どのように改良したシステムであっても、例外的に外れ値が出る可能性は否定できません。特に、モデル事業等は行ったとはいえ、全国で実戦投入されるとなると、不測の事態も予想できるので、審査会委員が一次判定結果を変更することを、柔軟に認めるべきと考えます。変更率が高いことのみをもって、各自治体や審査会に不当な圧力をかけることがないようにしてください。むしろ、各審査会の変更の状況を分析し、今後の認定制度の向上に活かすべきとも考えます。

************

(前記事から再掲)
 お寄せいただいた主な御意見とそれらに対する当省の考え方について、以下のとおり御報告いたします。なお、とりまとめの都合上、いただいた御意見は、適宜集約して掲載しています。
 また、意見募集の対象外の御意見につきましては、個々の回答はいたしませんが、お寄せいただいた御意見に関しましては、今後の参考とさせていただきたいと考えております。


やはり、私が送ったのは、「主な御意見」ではないし、「意見募集の対象外の御意見」と判断されたということなんでしょうねえ(苦笑)