ボランティアXX年※、ある被災地での会話。
ありがとうございました。おかげで片づけもはかどります。こちらで、少し休憩してください。
はい、では・・・
どうぞ、一応、当地の名物です。
お、これは美味しいですね。もう作られてるんですか。
はい、工場がやられてから、すぐに経営者の方が別の場所で作り始めた、と聞いています。
じゃあ、終わったら買って帰ろう。
みんな喜ぶと思います。被災地にお金が落ちますから(笑)
ひどい津波でしたからねえ。でも、ひとりも犠牲者が出なかったそうで。
はい、子どもたちが率先して避難して、それを見た人たちも疑わずに続きました。
学校の指導もよかったんでしょうね。
命があれば、たいていのことは取り返しがつきますから。
そうですね。うちも・・・東日本大震災があったのを憶えておられますか?
はい、2011年3月11日でしたか。
その被災地でお子さんだった方が、うちの災害のときに支援に来られたんです。
そうだったんですか。
その方の話では、もう無理だろう、って思ってたら、関西から来られたボランティアの方が、
うちも復興できましたよ、って。
ああ、阪神大震災の。1995年1月17日、でしたよね。
ええ。でも、淡路の人は「阪神・淡路大震災」と呼ぶそうですし、
明石の人は「兵庫県南部地震」と呼ぶと聞いたことがあります(笑)
なるほど。なんにしても、いろいろな地域の人の想いがつながって、うちに来てくださってるんですね。
(ちょっと照れたように)さあ、ごちそうさまでした。続きをやりましょうか。
※1995年をボランティア元年というそうです。