災害減免法

第4 災害減免法
1 災害減免法の適用
問 単身赴任先の社宅が大震災により全壊し、社宅で使用していた家財に被害を受けました。
 なお、自宅は大震災による被害は受けていません。
 災害減免法による税金の軽減免除を受けるためには、その損失額が住宅又は家財の価額の2分の1以上である必要がありますが、この場合、自宅にある家財を含めたところで判定するのでしょうか。

(答)
 大震災による損失金額が住宅又は家財の価額の2分の1以上であるかどうかは、その方及びその方と生計を一にする配偶者その他の親族の所有する住宅又は家財の全部につき、各別に判定すべきものです。
 したがって、ご質問の場合、自宅にある家財を含めたところで判定することとなります。

【法令等】
災免法2、災免令1



1-2 災害減免法と損失額の合理的な計算方法との関係
問 災害減免法による税金の軽減免除は、損害金額が住宅又は家財の2分の1以上の場合に適用できますが、この損害金額の算定を雑損控除における損失額の合理的な計算方法によることはできますか。

(答)
 雑損控除の適用における住宅家財等の損失額は、その損失の生じた時の直前におけるその資産の価額を基に計算することとされています。
 一方、災害減免法による税金の軽減免除における住宅又は家財について生じた損害金額がその住宅又は家財の価額の2分の1以上であるかどうかは、被災時の時価により算定することとされています。
 したがって、損害を受けた資産について個々に損失額を計算することが困難な場合で損失額の合理的な計算方法により計算した結果、損害金額(保険金等により補てんされる金額を除きます。)が住宅又は家財の2分の1以上であれば、災害減免法による税金の軽減免除の適用を受けることができます。

【法令等】
災免法2、災免令1、災免通1、所令206[3]

平成23年5月16日追加



2 住宅又は家財の意義
問 災害減免法による税金の軽減免除の対象となる「住宅又は家財」とはどのようなものをいいますか。

(答)
1 住宅とは、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族が常時起居する住宅をいい、必ずしも生活の本拠であることは要しないこととされています。
 したがって、例えば、2以上の住宅に自己又は自己と生計を一にする親族が常時起居しているときは、そのいずれもが災害減免法による税金の軽減免除の対象となる住宅となります。
 また、常時起居している住宅に附属する倉庫、物置等の附属建物は、住宅に含まれます。
(注)現に起居している住宅であっても、常時起居しない別荘のようなものは住宅には該当しません。

2 家財とは、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の日常生活に通常必要な家具、什器、衣服、書籍その他の家庭用動産をいいます。
 ただし、貴金属、書画、骨とう、美術工芸品で1個又は1組の価額が30万円を超えるものなど生活に通常必要な程度を超えるものは、家財に含まれません。
 雑損控除の対象となる資産は、居住者又はその者と生計を一にする一定の親族の有する資産のうち生活に通常必要でない資産及び被災事業用資産を除くすべての資産とされていることから、上記の「住宅又は家財」は、すべて雑損控除の対象となる資産に含まれます。

【法令等】
災免法2、災免通2



3 扶養親族の所有する住宅
問 扶養親族が所有する住宅が大震災により損壊した場合、納税者本人が居住の用に供していなくても災害減免法の適用はありますか。

(答)
 災害減免法による税金の軽減免除の対象となる住宅とは、自己が所有する住宅のほか、自己と生計を一にする配偶者その他の親族が所有する住宅も含まれます。
 なお、配偶者その他の親族は、その年の総所得金額等が38万円以下の方に限ります。
 したがって、扶養親族が所有し常時起居する住宅はその適用対象となる住宅に該当することから、自己が所有する住宅と扶養親族が所有する住宅の損失額の合計額がそれらの住宅価額の合計額の2分の1以上で、かつ、納税者本人の所得金額が1,000万円以下であれば災害減免法による税金の軽減免除が受けられます。
(注)雑損控除は、被害割合や所得要件がないことから、雑損失の金額([1]損失額-所得金額の10分の1と、[2]損失額のうち災害関連支出の金額-5万円のうちいずれか多い方の金額)があれば適用されます。

【法令等】
災免法1、所法72



4 所得金額要件の判定
問 災害減免法による税金の軽減免除が受けられる要件の所得金額1,000万円以下の場合に受けられますが、その所得金額はどのように計算するのでしょうか。

(答)
 災害減免法による税金の軽減免除が受けられる場合の所得金額1,000万円以下とは、繰越損失控除後の総所得金額、分離課税の土地建物等の譲渡所得金額(特別控除後)、分離課税の株式等の譲渡所得等の金額、分離課税の上場株式等の配当所得の金額、分離課税の先物取引の雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
(注)雑損控除の計算上差引損失額から控除する所得金額の10%とは、繰越損失控除後の総所得金額、分離課税の土地建物等の譲渡所得金額(特別控除前)、分離課税の株式等の譲渡所得等の金額、分離課税の上場株式等の配当所得の金額、分離課税の先物取引の雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額の10%となります。

【法令等】
災免法2、所法2[1]三十、措令4の2[8]、20[5]、21[7]、25の8[15]、25の11の2[21]、25の12の2[23]、26の23[7]、26の26[12]