最新情報Vol.205(4)

事務連絡
平成23年5月16日
都道府県介護保険担当主管部(局) 御中
厚生労働省老健介護保険計画課
高齢者支援課 
振興課      
老人保健課   

東日本大震災による被災者に係る利用料等の取扱いについて
 
 東日本大震災による災害発生に関し、介護サービスに係る利用料等の支払いが困難な者の取扱いについては、これまで「3月11日に東北地方を中心として発生した地震並びに津波により被災した要介護者等への対応について」(平成23年3月11日付け厚生労働省老健局総務課ほか事務連絡)及び「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による被災者に係る利用料等の取扱いについて」(平成23年3月17日、22日、23日及び24日並びに4月22日付け厚生労働省老健介護保険計画課ほか事務連絡)により利用料の減免及び猶予についてお示しするとともに、保険者の判断により被保険者の利用料の免除を行うことについて、特段の配慮をお願いしているところです。
 また、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成23年法律第40号)等の施行に伴い、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律における介護保険関係規定等の施行について」(平成23年5月2日付け老発第0502第1号厚生労働省老健局長通知)及び「東日本大震災により被災した介護保険の被保険者に対する利用料の免除等の運用について」(平成23年5月16日付け老介発第0516第1号厚生労働省老健介護保険計画課長通知。以下「課長通知」という。)により同法に基づく東日本大震災により被災した介護保険の被保険者に対する利用料等の特例措置の内容及び運用につきお示ししたところです。
 以上を踏まえ、次のような点を内容とする標記取扱いを下記のとおりまとめましたので、利用料等の免除・猶予等の実施に当たっての参考とされたく、管内市町村、サービス事業所等に周知を図るようよろしくお願いします。
 ① これまで発出した標記に係る事務連絡の内容を改めてとりまとめたこと。
 ② 従来の事務連絡では、猶予期限を5月末までとしていたところ、利用料免除証明書等(以下「免除証明書等」という。)の発行に係る保険者の事務手続き期間を考慮して、猶予期限を原則として6月末まで延長したこと。

1 対象者の要件
 (1)及び(2)のいずれにも該当する者であること。

(1)災害救助法(昭和22 年法律第118 号)の適用市町村又は被災者生活再建支援法(平成15年法律第66号)の適用市町村のうち以下の市町村に住所を有する(地震の発生以後、以下の市町村から他の市町村に転入した場合を含む。)介護保険法(平成9年法律第123号)の被保険者であること。
 ① 岩手県全34市町村、宮城県全35市町村、福島県全59市町村
 ② 青森県八戸市三沢市、上北郡おいらせ町、三戸郡階上町
 ③ 茨城県水戸市日立市土浦市古河市石岡市結城市龍ヶ崎市下妻市常総市常陸太田市高萩市北茨城市笠間市取手市牛久市つくば市ひたちなか市鹿嶋市潮来市常陸大宮市那珂市筑西市稲敷市かすみがうら市桜川市神栖市行方市鉾田市つくばみらい市小美玉市東茨城郡茨城町東茨城郡大洗町東茨城郡城里町那珂郡東海村久慈郡大子町稲敷郡美浦村稲敷郡阿見町稲敷群河内町、北相馬群利根町④ 栃木県宇都宮市足利市小山市、真岡市、大田原市矢板市那須塩原市さくら市那須烏山市芳賀郡益子町芳賀郡茂木町、芳賀郡市貝町芳賀郡芳賀町塩谷郡高根沢町那須郡那須町那須郡那珂川町
 ⑤ 千葉県千葉市銚子市市川市船橋市松戸市成田市佐倉市東金市旭市習志野市八千代市我孫子市浦安市印西市富里市香取市山武市印旛郡酒々井町印旛郡栄町、香取郡多古町香取郡東庄町山武郡九十九里町山武郡横芝光町
 ⑥ 新潟県十日町市上越市中魚沼郡津南町
 ⑦ 長野県下水内群栄村

(2)東日本大震災により、次のいずれかの申立てをした者であること。
 ① 当該被保険者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けた旨
 ② 当該被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者が死亡したこと、又はその者が心身に重大な障害を受け、若しくは長期間入院したことにより、その者の収入が著しく減少した旨
 ③ 主たる生計維持者の行方が不明である旨
 ④ 当該被保険者又はその属する世帯の主たる生計維持者が業務を廃止し、又は休止した旨
 ⑤ 当該被保険者又はその属する世帯の主たる生計維持者が失職し、現在収入がない旨
 ⑥ 原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第15条第3項の規定による、避難のための立退き又は屋内への退避に係る内閣総理大臣の指示の対象地域であるため避難又は退避を行っている旨
 ⑦ 原子力災害対策特別措置法第20条第3項の規定による、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定に係る原子力災害対策本部長の指示の対象となっている旨

2 取扱いの期間
 課長通知により、免除証明書等の発行に関して事務手続きの簡素化を図っているところであるが、免除証明書等の発行に係る保険者の事務手続き期間を考慮して、6月までの介護サービス分について、6月末日まで支払いを猶予して差し支えない。(1(2)⑥の屋内への退避に係る指示の解除の対象となった場合も同様。)ただし、1(2)③の場合は主たる生計維持者の行方が明らかとなるまでの間に限り、課長通知第1の3(5)に基づき申出を行った市町村(5月下旬以降に連絡予定)に住所を有する者については、当分の間、支払猶予の期間を延長する。
 7月1日以降は、上記課長通知第1の3(5)に基づき申出を行った市町村に住所を有する者を除いて免除証明書等の提示が必要となるのでご留意いただきたい。
※ 介護保険施設等の食費及び居住費に係る利用者負担額についても同様の取扱いとする。

3 介護サービス事業所等における確認等
 上記1(2)の申立てをした者については、被保険者証等により、住所が1(1)の市町村の区域であることを確認するとともに、当該者の1(2)の申立ての内容を給付費の請求に関する書類等に簡潔に記録しておくこと。
 ただし、被保険者証等が提示できない場合には、「東北地方太平洋沖地震の被災者に係る被保険者証の提示等について」(平成23年3月12日付け厚生労働省老健介護保険計画課ほか事務連絡)を参照のこと。

4 その他
(1)本事務連絡に基づき利用料等の支払いを免除・猶予した場合は、利用料を含めて10割を審査支払機関等へ請求すること。
 なお、請求の具体的な手続きについては、「東日本大震災に関する介護報酬等の請求等取扱いについて」(平成23年4月5日付け厚生労働省老健介護保険計画課ほか事務連絡)及び「東日本大震災に関する介護報酬等の請求等の取扱いについて(4月サービス提供分)」(平成23年4月22日付け厚生労働省老健介護保険計画課ほか事務連絡)を参照されたい。

(2)上記2のとおり、平成23 年7月1日からは免除証明書等が必要となるため、介護サービス事業所等においては、現在、利用料等の支払を猶予している利用者に対し、速やかに保険者へ免除証明書等の申請を行うよう、周知にご協力いただきたい。

(3)次に掲げる者は、保険者へ申請することにより、すでに介護サービス事業所等に支払った利用料等について保険者から還付を受けることができる。
 ① 平成23年6月末までの間に、上記1の要件に該当していたが利用料等の支払いを行った者
 ② 平成23年7月以降、保険者の事情によって免除証明書等の交付を受けていない場合等、介護サービス事業所等に提出しなかったことがやむを得ないと認められる者