義務的経費に関するタワゴト

●義務的経費
性質別経費のうち義務的・非弾力的性格の強い経費で,一般には人件費,扶助費及び公債費を指す。人件費は経常的に支出を予定せざるを得ないし,扶助費は生活扶助をはじめ法令の規定によって支出が義務づけられており,また,公債費は負債の償還に要する経費であって,いずれも任意に節減できない経費である。義務的経費の増加傾向は財政構造の硬直化を招く恐れがあるので,その内容,動向に注意する必要がある。
京都市情報館)
http://www.city.kyoto.jp/rizai/shukei/kojin/index.html


最初にこういうのを出してしまうと、その後を読まなくなる方が多いかもしれませんが・・・(笑)


介護保険の限度額オーバー分を障害福祉サービスで上乗せすることについて、廃止された平成12年の通知に基づいて全身性障害者レベルに限定する取扱いの自治体が、たまに報告されます(もちろん、根拠なし)。

それに関連して、
「予算不足等は、行政や政治が解決するべき問題であり、障害者サイドには関係ない」
ということを書いた障害者の身内の方に対して批判めいたコメントが寄せられたりもしています。

いろいろ考え方(あるいは感じ方)はあると思いますが、この件については、
「予算不足だから障害の上乗せ申請はしないでくださいね」
とは自治体としては(当然)言えません。

基本的に、法令で義務づけられた経費というのは、そうでない経費(たとえば首長が公約、マニフェストに挙げた施策であったとしても)を削ってでも確保しなければならないものです。

もちろん、こういう義務的経費の割合が増えることを歓迎する首長は、まずいないでしょう。
「財政構造の硬直化」とかいうカタイ言葉を持ち出さなくても、「自分がしたいことができなくなるから」という方がわかりやすいかもしれません。

でも、首長の独自施策を実現するために、義務的経費(特に社会保障分野などの扶助費)を不当に削って財源を確保することは不適切ですし、普通の自治体は(財政が苦しくても)そこまではやりません。

扶助費をケチって独自施策を行うのは・・・例えは悪いですが、一般家庭で言えば

金があるのに保育園の保育料や学校の給食費を払わずに、家族の遊興に使うようなものです。


(現在の自治体を取り巻く環境や、扶助費など義務的経費のあり方に全く問題がない、という意味ではありません。)



蛇足です。

義務的経費とされている費用のうち、職員の人件費は、少なからぬ自治体で、本来の条例上の水準よりは削られています。
そのことについての是非ではなく・・・

一般職員の給与カットをしている間は、不要不急のハコモノ建設や首長の外遊はやめてくれ!

まあ、公選首長である以上、どういう市町村長や知事を選ぶかは、その地域の有権者の責任ではあるわけですが。