介護基準改正パブコメ結果3

6[1] 公正中立性の確保のための取組の見直し

23 公正中立性の確保のための取組の見直しについて、利用者やその家族は前6月間のサービス利用割合等に関心を持っていないうえ、サービス利用割合等を説明することで、かえって特定のサービスや事業所に利用が偏ってしまうリスクがあり、説明義務は意味がない。「努力義務」という不明瞭な表現だと現場の混乱を招くほか、保険者によって対応に差が出ることも踏まえ、業務負担の軽減のため、説明義務を努力義務とせずに廃止してほしい。

 前6月間のサービス利用割合等の説明義務については、一定の必要性はあると考えられるものの、利用者への説明に係る事務負担に比して公正中立性の確保への効果が必ずしも高いとは言えない調査結果が出ていることを踏まえ、事業者の負担軽減を図るために努力義務に改めるものです。運用の詳細を検討するに当たっての御意見として承ります。


24 公正中立性の確保のための取組の見直しについて、努力義務化はケアマネ事業所の負担軽減につながるため賛成。

 本案に賛成の御意見として承ります。


25 これまでの流れと逆行した改正を行うこととなった経緯をわかりやすく説明してもらいたい。

 前6月間のサービス利用割合等の説明義務については、一定の必要性はあると考えられるものの、利用者への説明に係る事務負担に比して公正中立性の確保への効果が必ずしも高いとは言えない調査結果が出ていることを踏まえ、事業者の負担軽減を図るために努力義務に改めるものです。


6[2] 指定居宅サービス事業者等との連携によるモニタリング

26 テレビ電話装置を利用できる者は限られているため、業務負担軽減の効果は限定的。2か月に1回のモニタリングでもよいこととするほか、電話でのモニタリングや家族からの聞き取り、サービス事業所への文書での確認等も可能とすべき。

 モニタリングに当たっては、利用者の生活全般についての状況を把握する必要があると考えており、毎月のモニタリングや利用者との面接による情報収集が重要であると考えております。今回の改正案では、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としたところですが、ケアマネジメントの質を担保する観点から、サービス事業所と連携した情報収集等一定の要件を設けており、業務負担軽減のみを目的として行うものではありません。
 介護支援専門員の業務負担の軽減については、今回の改正の影響等も踏まえ、引き続き検討してまいります。


27 2か月に1回の訪問については、通所介護事業所等、利用者の自宅以外での面会も認めてほしい。利用者の状態が安定している場合には、3か月に1回の訪問とするなど、現場の裁量に委ねてほしい。

 今回の改正案では、引き続き、少なくとも月1回(介護予防支援の場合は3月に1回)の訪問を原則としつつ、人材の有効活用及びサービス事業所との連携促進によるケアマネジメントの質の向上の観点から、一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としたところです。モニタリングに当たっては、利用者の居住環境を含む生活全般についての状況を把握する必要があると考えており、テレビ電話装置等を活用する場合においても、利用者の居宅でのモニタリングが必要と考えております。また、毎月のモニタリングは、利用者の心身の状況等を把握するためには重要であるため、今回の改正において、モニタリングの頻度を緩和することとはしておりません。


28 利用者の状況のみならず、その生活状況もモニタリングするためには訪問が必要であり、担当者から得られない情報もあることから、テレビ電話装置等によるモニタリングは現実的ではない。

 今回の改正案は、実証調査の結果を踏まえ、少なくとも月1回(介護予防支援の場合は3月に1回)の訪問を原則としつつ、2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)の訪問等一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能とするものです。適正な運用が行われるよう、通知等により周知してまいります。


29 設けられた要件を全て満たそうとすると、他事業所の負担も含め、ケアマネジャーの負担がかえって増える。サービス担当者会議の同意は不要ではないか。また、医師の確認を取ることが困難であり、日々変化する利用者の状態について安定していることを都度医師に確認するのか。何をもって利用者の状態を判断するのか。

 サービス担当者会議等において合意を得ることについては、介護支援専門員等に過度な負担がかからないよう、運用の方法について、通知等で示すことを検討してまいります。また、テレビ電話装置等によるモニタリングの対象となる利用者の考え方についても通知等で示すことを検討してまいります。


30 ケアマネジャーの負担軽減を図るためにはモニタリング訪問ではなく、書類作成業務や更新研修、ローカルルールへの対応が必要。利用票の交付時にメールの活用を認めるほか、運営基準の見直しや減算対象項目の緩和等が必要。

 介護支援専門員の業務負担の軽減については、今回の改正の影響等も踏まえ、引き続き検討してまいります。


31 ICT活用や訪問日を減らすことは賛成。訪問を2か月に1回とする場合には、利用票や別表は2か月分まとめて利用者から同意を経て交付することできるようにしてほしい。

 今回の改正案において、一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としたところですが、サービスの利用状況などケアプランの実施状況について利用者に説明することは重要であるため、ケアプラン第6表(サービス利用票)や第7表(サービス利用票別表)の取扱いについては、特段の見直しの予定はありません。


32 利用者のタブレットやインターネット回線を用意するための補助や活用のための研修が必要。地域や事業所(集合住宅併設か否か)によって格差を生じさせないための対応が必要。

 今回の改正案は、実証調査の結果を踏まえ、少なくとも月1回(介護予防支援の場合は3月に1回)の訪問を原則としつつ、一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能とするものです。テレビ電話装置等を活用した面接の環境が整わない場合には、原則どおり、利用者の居宅に訪問して面接を行うことになります。

 

(つづく)