介護基準パブコメ結果3

居宅介護支援

居宅介護支援の「質の高いケアマネジメントの推進」における「利用者に説明を行うこと」について、公正中立に業務を行っている事業所にとって特に難しいことではないが、ケアマネジメントの公正中立性の確保を図るうえで果たしてどれだけの効果があるのか疑問があり、事務の簡素化の流れにも逆行していると思われる。権限を持つ自治体が、利用者の囲い込み等、問題のあるケアマネジメントを行っている事業所の把握、指導を徹底されるよう希望する。
 また、割合の高い介護保険サービスを利用することが予想されるため、サービス付き高齢者住宅等、事業所を限定して実施してみてはどうか。

 今回の仕組みにより、居宅介護支援事業所の各サービスの利用状況や連携先事業所の状況を利用者がより把握可能になると考えております。
 また、新たな仕組みは現行の特定事業所集中減算の対象サービスと同様のサービスを対象にすることとしておりますが、当該減算の算定や介護情報公表システムの公表の実務も踏まえ、事業所に過度な負担がかからないよう運用で詳細を検討してまいります。


居宅介護支援の「質の高いケアマネジメントの推進」について、利用者に説明する際に、それらの割合を一人ずつに分けて出すなどシステムの整備の費用負担が生じるが、その負担は誰が行うものなのか。

 新たな仕組みについては、現行の特定事業所集中減算の対象サービスと同様のサービスを対象としていること、また、それぞれのサービスの割合については、利用者毎に算出するのではなく、事業所全体における割合を算出することになります。
 このように、既存の特定事業所集中減算の計算の仕組みを活用することが可能と考えており、現行の実務も踏まえ、事業所に過度な負担がかからないよう運用で詳細を検討してまいります。


「前6月間に作成したケアプラン」となっているが、プラン更新時、区分変更時、更新時など計画書を作成するタイミングで説明することが、前回作成の計画書と比較しやすく良いと考える。説明したことは、支援経過または担当者会議録に記録することが適当であると考える。

 新たな仕組みにおける利用者への説明のタイミングについては、現行の特定事業所集中減算の仕組みにおいて、事業所が年に2回、その算定に係る対応を行っていること、また、介護情報公表システムの公表が年に1回であること及び事業所に過度な負担がかからないよう運用で詳細を検討してまいります。


「質の高いケアマネジメントの推進」に関する「利用者への説明」について、利用者や家族側から「毎度同じ説明なので、説明しなくてもよい」と言われたときでも説明をしなければならないのか?

 利用者への説明については、居宅介護支援の契約時やケアプランの変更時等に行う方向で想定しております。


「質の高いケアマネジメントの推進」に関する「利用者への説明」について、口頭による説明でよいのか。割合が記された書類を用いて説明が必要なのか。その際、説明する段階で集中減算対象事業者に集中しそうで、他の事業所とサービスの特徴や値段に特変がなければ集中していない他事業所に選択してもらうとありがたく助かるなどの説明をしてもいいのか。

 利用者への説明については、重要事項説明書等を含め、書面(電磁的記録を含む)にて確認できることが必要と考えております。なお、説明については、今回の取扱いに限らず、居宅介護支援の提供にあたっては、法令上、公正中立に行わなければならない旨、定められておりますので適切な対応をお願いいたします。


「質の高いケアマネジメントの推進」に関する「利用者への説明」について、説明の義務化はケアマネジメント業務へ負担増となるため、介護サービスの情報公表制度での公表で対応することを求める。

 新たな仕組みは、ケアマネジメントの公正中立性の確保を図る観点から導入するものであることから、介護情報公表システムにその内容を掲示することを求めるとともに、居宅介護支援事業所における利用者の各サービスの利用状況やその連携先の事業所の状況を説明することとしております。
 なお、その際に事業所に過度な負担がかからないよう運用で詳細を検討してまいります。


「生活援助の訪問回数の多い利用者等への対応」について、多くのプランがあれば訪問介護を多く使うケースが出てくるのは当然であり、訪問回数の多さだけで点検を行うことは無意味ではないか。また、保険者へ事前届け出が必要となっており、この仕組みついて保険者からも疑問の声が上がっていると承知している。そのような状況なのに新たな仕組みを導入する改正案には疑問を感じる。

「生活援助の訪問回数の多い利用者等への対応」について、生活援助のみでなく身体介護を含む回数で点検、検証するべき。

 生活援助の訪問回数に着目したケアプラン検証の仕組みは、抽出したケアプランについて、ケアマネジャーの視点だけでなく多職種協働による検証を行うことにより、利用者の自立支援・重度化防止に資するより良い介護サービスを提供することを目的としています。なお、関係者の事務負担等にも配慮して、ケアプランの届出頻度の緩和や検証の場の拡充など運用面の見直しを行うこととしています。
 この仕組みについては、一定のケアプランの再考が促されたという実態もある一方で、生活援助が身体介護に振り返られているのではないか等の指摘もありました。その実施状況や効果を検証した上で、利用者の意向や状態像に合ったサービスの提供につなげるため、市町村が行う効果的・効率的な点検・検証の仕組みとして、①区分支給限度基準額の利用割合が高く、②訪問介護が利用サービスの大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者に限って事業所単位で抽出し、③市町村が多職種協働で検証を行う仕組みについて、令和3年10月より導入することとしたものです。
 新たに導入予定の仕組みも、利用者の自立支援・重度化防止に資するより良いサービスを提供することを目的としており、制度の実施に当たってはその趣旨を十分周知してまいります。


「生活援助の訪問回数の多い利用者等への対応」について、訪問介護は在宅で暮らす高齢者になくてはならない事業のため、訪問介護事業者だけを取り上げた適正化には反対する。

 生活援助の訪問回数に着目したケアプラン検証の仕組みは、抽出したケアプランについて、ケアマネジャーの視点だけでなく多職種協働による検証を行うことにより、利用者の自立支援・重度化防止に資するより良い介護サービスを提供することを目的としています。なお、関係者の事務負担等にも配慮して、ケアプランの届出頻度の緩和や検証の場の拡充など運用面の見直しを行うこととしています。


「生活援助の訪問回数の多い利用者等への対応」について、事務作業が増すので、抽出は行政が行う方向で検討いただきたい。

 居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出する新たなケアプラン検証の仕組みについてのご意見と考えますが、該当する居宅介護支援事業所の抽出については、事務負担の軽減を図るためのシステムの改修等を通じ、市町村が行う方向で検討してまいります。

 

(つづく)