全仏オープンの失格事件

「恥を知れ!」「品位の欠片もない」全仏OP、加藤未唯の失格で“ほくそ笑んだ”対戦ペアの画像に非難が殺到!
THE DIGEST 6/6(火) 12:45配信

 テニス四大大会「全仏オープン」でまさかのハプニングが発生したのは、現地6月4日の女子ダブルス3回戦だった。

 加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組とマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組が、ベスト8進出を懸けて対戦。その第2セットの第5ゲームで、スチアディがリターンをミスした直後に、加藤が相手コート側へ軽くボールを打ち込んだ。その球が相手ペアにボールを渡そうと待っていたボールガールの頭部に直撃したのだ。

 過呼吸のようになって涙が止まらないボールガール。アレクサンドル・ジュジュ主審は加藤に警告を言い渡したが、対戦ペアのボウズコワ/ソリベストルモ組は納得がいかない。ジュジュ主審が「彼女(加藤)がわざとやったわけでも、彼女(ボールガール)が怪我をしたわけでもない」と説明するなか、ソリベストルモは「わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」と反論し、ボウズコワは「血が出ているわよ。よく見てあげて」と主審のさらなるアクションをジェスチャーで促した。

 加藤は少女の元に駆け寄って「大丈夫? わざとじゃないのよ」と語りかけて謝罪したものの、ジュジュ主審は危険な行為だったと判定を覆して失格処分とし、試合終了を宣言したのだ。想定外の展開に加藤は涙に暮れ、スチアディに慰められながらコートを去った。

 加藤は夜になってツイッターを更新。なんと主催側からペナルティも科された事実を明かしている。

「本日の不幸な出来事により、ボールガール、パートナーのアルディラ(スチアディ)と彼女のチーム、そしてファンの皆さまに心からお詫び申し上げます。全く意図的なものではありませんでした。結果的に全仏主催側から今大会で獲得した賞金とランキングポイントを没収されるというペナルティを受けることにもなりました。これからも応援よろしくお願いします!」

 この投稿を受けてすぐさま他の女子選手たちから、「謝罪する必要なんてない」「あなたは悪くないわ!」「理不尽な仕打ちに抗議する」など、続々と加藤を擁護する声が上がる一方で、ボウズコワ/ソリベストルモ組を非難する風潮が高まった。

 米ネットワーク『FOX SPORTS』は「相手ペアが失格になって、両選手が笑みを浮かべる姿があった」と記して、実際にボウズコワ/ソリベストルモ組がベンチに座りながらほくそ笑んでいる画像を添えた。そして彼女たちの振る舞いを酷評するコメントを紹介している。
 
 カナダ出身のテニスリポーターであるベン・ルイス氏は「単なる事故にも関わらず、執拗に失格を主張して勝利を収めたボウズコワとソリベストルモには、恥を知れと言いたい。彼女たちはロッカールームで尊敬を失なうだろう。まったくバカバカしい」と怒りを露にした。

 インドネシアの男子プロ選手、ヴィトー・ジャヒャディは「彼女たちは笑って楽しんでさえいる! 嫌悪しかない!」と綴って当該の画像をリツイート。テニスのポッドキャスト番組を発信しているクレイグ・シャピロ氏も「ボウズコワとソリベストルモによるカスのような振る舞い。本当に残念な結果だ」と吐き捨てた。

 ほかにも『FOX SPORTS』はテニスファンからの手厳しい意見として、「品位の欠片もない」「テニスコートで見た最大の愚行」「もはやスポーツじゃないよ」「彼女たちはボールが当たったところを見ていない。抗議に全力を傾けたんだ」「この笑顔は多くのひとの記憶に刻まれるだろう」といったコメントを並べた。

 さらに、ボウズコワが試合後に語った言葉も報じている。以下の通りだ。

「難しい判断だったと思います。でも、あの子は15分も泣いていた。最初にまず警告にとどまったのは、審判が彼女がどれだけの苦痛を感じているかに気づいていなかったからでしょう。私たちはボールが直接彼女に当たって、そして泣いているのだから、もっとよくチェックするべきだと言ったのです。カトウとスチアディには『とても残念なことだ』と伝えました」

 試合翌日の6月5日、加藤はティム・プッツ(ドイツ)と組んで混合ダブルス準々決勝に登場。ブラジルの強豪ペアを7―6、6―2のストレートで破り、堂々のベスト4進出を果たした。試合後の会見で失格処分を不服として四大大会側に提訴したと報告している。

 そのうえでツイッターを更新し、「みなさんからの変わらぬご支援に感謝申し上げます。世界中からポジティブなエネルギーを受け取り、すごく精神が高揚しているところです!」と熱いメッセージを寄せ、「成功を掴むためにこのポジティブなエネルギーをすべて使って、混同ダブルスの準決勝に臨みます」と決意を新たにした。

構成●THE DIGEST編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/dce79c1da694d5728b5ea1e6873887537fb1dc6b


あの時、何が起きたのか――。加藤未唯のパートナー、スチアディが明かす、失格が言い渡されるまで
内田暁フリーランスライター 6/6(火) 12:46
https://news.yahoo.co.jp/byline/akatsukiuchida/20230606-00352680

 

によると、第1セットは加藤/スチアディ組が落としましたが、第2セットは3-1とリードしていました。

主審(審判)は当初、警告を出し、その次に相手ペアからの執拗な抗議を受けて、スーパーバイザー、レフェリーという役職の人間をコート内に呼んだようです。
スチアディ選手の話では
「彼に『判決を下す前に、ビデオを見て何があったか確認して』と言ったのですが、彼は『ノー。それは出来ない』としか言わず、理由を説明してくれませんでした。彼はボールガールと話し、そして私たちに『意図は関係ない。君が打ったボールが当たった子は、まだ泣いている。泣き止むことが出来ない。それは君の打ったボールが当たったからだ』と。それでお終いです。」


ということで、昔ちょっとテニスを楽しんだことがある程度の私が言うこともないのですが、ひとつだけ。

これ、対戦相手のマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ組の抗議って、審判は取り合う必要があったのでしょうか?
というより、ボウズコワ/ソリベストルモ組は、加藤選手の(不運で軽率ではあったかもしれない)行為の利害関係者ではないですよね?

たとえば、加藤/スチアディ組の打球がボウズコワ/ソリベストルモ組側のコートに入っているかいないか、ということでの疑義なら、利害関係があります。
また、お互いがトイレや負傷治療などに要する時間が認められるかどうかということなら、やはり利害関係があります。

でも、ボールガールに(インプレー中ではない)ボールが当たったからといって、君たちには関係ないよね?
主審が一度は下した判定(警告)に抗議できる当事者がいるとすれば、それはそのボールガールぐらいでしょう。

もし、それで加藤/スチアディ組にペナルティが与えられたとしても、それはボウズコワ/ソリベストルモ組の権利ではない。
法律用語(?)でいう「反射的利益」に過ぎません。

 

ちなみに、私も別記事から当該行為の動画を見ましたが、少なくとも失格ではないわな、と思いました。

 

なお、ボウズコワ/ソリベストルモ組以外に、失格を主張した人間は(観客も含めて)いなかったように思います。まあ、観客は(試合を見る権利を不当に奪われた)被害者ともいえますが。