マイナ口座の家族名義

マイナに家族口座、2月に把握 デジタル庁、情報共有せず
共同通信 6/6(火) 12:04配信

 河野太郎デジタル相は6日の記者会見で、マイナンバーと連動した公的給付金の受取口座を本人以外の家族の口座で登録した事例を、デジタル庁が2月に2件把握していたと明らかにした。国税庁から情報提供があったが、デジタル庁内で幹部に共有されず、河野氏は「大変申し訳ない」と陳謝した。

 国税庁の担当者によると、2月に昨年分の税還付の振り込みを進めようとしたところ「マイナポータル」から申請があった口座名と納税者名が一致しないケースがあった。いずれも名前の読みが違ったり、家族とみられる口座が登録されていたりしていたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf6df091cc0ebb2fda27b180e9e0977b85291340

 


この件の前提として、地方自治体など官公庁からの公金振込は、権利者と口座名義が同じ、ということが原則になっています。
ちょっとでも公金支払業務に携わったことのある公務員なら、当然に知っているはずです。


だから、たとえば事情があってAさんに支払うべき公金をBさんに支払う場合には、
・「Bさんに委任する」というAさんの委任状と、
・Bさんからの請求書(Bさん名義の口座情報を表示)
が必要となります。

 

でも、一般の人はそういうことを知らなくてもおかしくはありません。
たとえば、今回でもあったような、子どもに支払われるべき公金を、保護者の口座で受け取ろうとすることについて、それができないとは思わない人も少なくないでしょう。

 

上の記事にあるような、国税庁からの情報を、デジタル庁の中で共有できていなかった、というのは問題ではありますが、それ以前にこういうことが起き得るということを認識し、事前に何らかの対策を講じておくべきだった、と私は考えます。
システム上での対応が望ましいのでしょうが、それが難しければ、「登録口座は本人名義に限る」ということを、操作画面、ウェブサイト、リーフレット自治体窓口などで何度も周知されるようにするとか、いろいろ考えられるところだったと思います。

 

ところで。
このマイナンバー口座の他人(家族)名義の問題など、いろいろな事態が起きていますが・・・

(参考)マイナカードのミス続出
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/05/23/212403

 

これらのことは、デジタル庁などで本当に気がついていなかったのでしょうか?
起こり得る可能性は認識していた職員がいたけれど、庁内の雰囲気や、上司に睨まれたり、自分の仕事が増えたりすることを避けるために、あえて黙っていたということはないのでしょうか?
あるいは、問題点の指摘は(部下から)あったけれど、大臣や庁内幹部などに上げるのが嫌で、握り潰した、というような中間管理職はいなかったのでしょうか?

ほとんど役に立たなかった新型コロナのアプリCOCOAも、ひょっとしたら不具合がいっぱい出そうだということに担当職員等が気がついていたけれど指摘できる雰囲気が省庁内になかった、というようなことは、なかったでしょうか?

 

真実はわかりませんが、部下が恐れて正しい情報を報告しなくなると、その組織の目的遂行は困難になりますよ。
プーチン氏に正しい情報が伝わっていないのと同じように。