介護基準パブコメ結果2

通所介護

通所介護事業所における地域等との連携の強化について、介護職員が、地域との連携で、家庭の介護技術講師として公民館に赴くと、通所介護事業所の介護職員の配置から当該介護職員を除く必要がある。送迎などの業務も同様であり、通所介護事業の業務に従事するのであれば、人員配置基準に含められるべきではないだろうか。

 通所介護において配置を義務づけている職種の一つである生活相談員については、地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者に必要な生活支援を担ってもらうなどの社会資源の発掘・活用のための時間等、利用者の地域生活を支えるため取組(ただし、利用者の生活の向上を図るため適切な相談・援助等を行うことに支障がない範囲で行われたものに限る。)のために必要な時間も、人員配置基準を満たすかどうかの判定基準となる勤務延べ時間数に含めることができることとしています。
 なお、介護職員については、利用者に対する直接介助を行う職種であることから、仮にこれ以外の業務を行った場合でも当該業務のために必要な時間を勤務延べ時間数に含めることとした場合、利用者の処遇に影響が生じるものと想定されるため、ご提案のような改正は適当ではないと考えています。


通所介護事業においても地域との連携を努力義務とする場合、通所介護事業と地域密着型通所介護事業の違いは、利用定員数と運営推進会議の有無くらいであり、異なる事業と区別し指定権者を分ける必要性があるものか疑問である。また、通所介護事業所のサービス実施地域は、通常、所在地の市区町村のみならず、近隣の市区町村にまで及んでいると推察されるため、「地域住民」と言った時、所在地の住民だけでよいのか、サービス実施地域全ての住民との連携を求められるのか明確に指針を示すべきである。

 要介護となっても地域において社会参加活動や地域住民との交流を行うことは重要であり、今般の改正は、利用する事業所が通所介護・地域密着型通所介護のいずれであってもこれが推進されるよう、通所介護についても地域密着型通所介護と同様の規定を設け、地域住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めることとするものです。
 連携の対象となる地域住民の範囲については、今般の改正の趣旨をふまえ、他サービスと同様、地域の実情に応じて判断することとしています。


通所介護事業所における地域等との連携の強化について、連携及び協力体制を構築する上での協定等の締結までを求められているのか。

 今般の改正に伴い、連携先となる地域住民やボランティア団体等との間で必ずしも協定等を締結する必要はなく、改正の目的(通所介護事業所の利用者が地域において社会参加活動や地域住民との交流を行うこと)を達成するために必要な措置が講じられていれば差し支えありません。


認知症対応型通所介護

管理者の配置基準の緩和について、管理者が他の職務に従事することは効率的ではあるが、職場の指揮系統が曖昧になる可能性がある。これにより、職責の明確さが阻害されるのではないか。

 今般の改正は、「共用型指定認知症対応型通所介護事業所の管理上の支障がない場合」に、共用型指定認知症対応型通所介護事業所の管理者が、当該共用型認知症対応型通所介護事業所の他の職務に従事し、かつ、同一敷地内にある他の本体事業所等の職務に従事することとしても差し支えないこととするものです。
 共用型認知症対応型通所介護事業所の管理上支障がある場合は、兼務は認められません。


短期入所生活介護

看護職員の配置基準の見直しについて、唐突に外部機関との連携を求められることとなるため事実上の人員基準引き上げであり大きな負担となる。地域に連携が取れそうな事業所もなく、仮に連携できても、その分の経費増も負担である。連携できない以上人員を増やすとなれば、人件費的に非常に厳しい。にもかかわらず、人員基準違反になるからと無理やり採用すれば人件費の圧迫による経営難になりかねない。特養に併設であれば併設特養に配置した看護職員による対応でよいとするなどの検討をお願いしたい。

 これまで看護職員の配置が必須ではなかった単独型及び併設型かつ定員19人以下の短期入所生活介護事業所については、看護職員を配置しなかった場合でも、医療的ケアの必要な利用者への対応の充実を図るため、利用者の状態像に応じて必要がある場合には、看護職員を病院、診療所又は訪問看護ステーション等との密接かつ適切な連携により確保することとする案を提示したところですが、連携先の範囲については、ご意見をふまえ、本体施設との連携を含め、解釈通知によりその詳細を明確化することとします。


看護職員の配置基準の見直しについて、看護職員を配置しなかった場合に、病院、診療所又は訪問看護ステーション等との間に契約が必要となるのか。

 短期入所生活介護事業所において、利用者の状態像に応じ、病院、診療所又は訪問看護ステーション等との密接かつ適切な連携により看護職員を確保することとした場合は、看護業務が利用者の処遇に直接影響を及ぼす業務であると想定されることから、予め連携先と契約等を締結し適切なサービス提供を担保しておく必要があると考えます。

 
小規模多機能型居宅介護

認知症グループホームの夜勤職員体制について見直しがなされたが、同じように人材有効活用の点から小規模多機能型居宅介護の夜勤職員体制についても併設事業所との兼務を認めるべきである。

 現行制度においても、小規模多機能型居宅介護事業所と認知症グループホームが併設されている場合は、一定要件(※)の下で夜勤職員の兼務が認められています。
 ご指摘については、利用者の安全確保やケアの質、職員の負担、人材の有効活用等の観点から、慎重な検討が必要と考えています。

(※)入居者の処遇に影響がないことを前提に、小規模多機能型居宅介護事業所の泊まり定員と認知症グループホームの定員の合計が9名以内であり、かつ、両者が同一階に隣接している場合


小規模多機能型居宅介護の人員配置基準の見直しについて、管理者(介護施設の責任者)が他の職務に従事することは、効率的かもしれないが、職場の全体把握や指揮系統が曖昧になる可能性があり、職責の明確化が阻害されるのではないか。

 管理者の兼務は、事業所の管理上支障がない場合に限って認めることとしております。なお、地域密着型特養との兼務はすでに認められており、今回の見直しは、これを広域型特養にも適用するものです。


多機能系サービス共通

過疎地等におけるサービス提供の確保について、「過疎地域」とは、中山間地域を含む考え方でよいのか。

 お示ししている案の「過疎地域その他これに類する地域」の範囲には中山間地域も含まれうると考えますが、具体的にどの地域まで対象範囲にするかについては、地域の実情に応じて保険者である市町村に判断いただくことになります。

 

(つづく)