居宅介護(5) 「通院等介助」と「通院等乗降介助」

 6 ロについては、別に厚生労働大臣が定める者が、通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である指定居宅介護等を行った場合に、所定単位数を算定する。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては、所定単位数に代えて、それぞれ(1)又は(2)に掲げる単位数を算定する。
 (1)別に厚生労働大臣が定める者が通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である指定居宅介護等を行った場合所定単位数の100分の70に相当する単位数
 (2)別に厚生労働大臣が定める者が通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である指定居宅介護等を行った場合次の(一)又は(二)に掲げる所要時間に応じ、それぞれ(一)又は(二)に掲げる単位数
  (一)所要時間3時間未満の場合第2の1に規定する所定単位数
  (二)所要時間3時間以上の場合630単位に所要時間3時間から計算して所要時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数

 7 ハについては、別に厚生労働大臣が定める者が、家事援助が中心である指定居宅介護等を行った場合に、所定単位数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める者が家事援助が中心である指定居宅介護等を行った場合にあっては、所定単位数に代えて、所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定する。

 8 ニについては、別に厚生労働大臣が定める者が、通院等介助(身体介護を伴わない場合)が中心である指定居宅介護等を行った場合に、所定単位数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める者が、通院等介助(身体介護を伴わない場合)が中心である指定居宅介護等を行った場合にあっては、所定単位数に代えて、所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定する。

【留意事項通知】
⑤ 「通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心である場合」(以下「通院等介助(身体介護を伴う場合)」という。)又は「通院等介助(身体介護を伴わない場合)が中心である場合」(以下「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」という。)(以下「通院等介助」と総称する。)の単位を算定する場合
  利用目的について、「通院等又は官公署(国、都道府県及び市町村の機関、外国公館(外国の大使館、公使館、領事館その他これに準ずる施設をいう。)並びに指定相談支援事業所)への移動(公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために利用する場合に限る。以下単に「通院等」という。)のため」とは、病院への通院等を行う場合、公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために官公署に訪れる場合、指定相談支援事業所を訪れる場合をいうものであるが、相談の結果、見学のために紹介された指定障害福祉サービス事業所を訪れる場合を含むものとする。なお、「通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合」(以下「通院等乗降介助」という。)としての通院等の介助と同じものである。

 9 ホについては、別に厚生労働大臣が定める者が、通院等のため、自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先での受診等の手続、移動等の介助を行った場合に、1回につき所定単位数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める者が、通院等のための乗車又は降車の介助が中心である指定居宅介護等を行った場合にあっては、所定単位数に代えて、所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定する。

【留意事項通知】
⑥ 「通院等乗降介助」の単位を算定する場合
(一)指定居宅介護事業者が「通院等乗降介助」を行う場合には、当該所定単位数を算定することとし、身体介護中心型、通院等介助の所定単位数は算定できない。当該所定単位数を算定するに当たっては、道路運送法(昭和26年法律第183号)等他の法令等に抵触しないよう留意すること。なお、移送行為そのもの、すなわち運転時間中は当該所定単位数の算定対象ではなく、移送に係る経費(運賃)は評価しない。
(二)当該所定単位数を算定することができる場合、片道につき所定単位数を算定する。よって、乗車と降車のそれぞれについて区分して算定することはできない。
(三)複数の利用者に「通院等乗降介助」を行った場合であって、乗降時に1人の利用者に対して1対1で行う場合には、それぞれ算定できる。なお、効率的なサービスの観点から移送時間を極小化すること。
(四)サービス行為について、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先での受診等の手続、移動等の介助」とは、それぞれ具体的に介助する行為を要することとする。例えば、利用者の日常生活動作能力などの向上のために、移動時、転倒しないように側について歩き、介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る場合は算定対象となるが、乗降時に車両内から見守るのみでは算定対象とならない。
   また、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」に加えて、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」を行うか、又は、「通院先での受診等の手続、移動等の介助」を行う場合に算定対象となるものであり、これらの移動等の介助又は受診等の手続を行わない場合には算定対象とならない。
(五)「通院等乗降介助」は、「自らの運転する車両への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」及び「通院先での受診等の手続、移動等の介助」を一連のサービス行為として含むものであり、それぞれの行為によって細かく区分し、「通院等乗降介助」又は「通院等介助」として算定できない。例えば、通院等に伴いこれに関連して行われる、居室内での「声かけ・説明」・「病院等に行くための準備」や通院先等での「院内の移動等の介助」は、「通院等乗降介助」に含まれるものであり、別に「通院等介助」として算定できない。
   なお、同一の事業所において、1人の利用者に対して複数の居宅介護従業者が交代して「通院等乗降介助」を行った場合も、1回の「通院等乗降介助」として算定し、居宅介護従業者ごとに細かく区分して算定できない。
(六)「通院等乗降介助」を算定するに当たっては、適切なアセスメントを通じて、生活全般の解決すべき課題に対応した様々なサービス内容の一つとして、総合的な援助の一環としてあらかじめ居宅介護計画に位置付けられている必要がある。
⑦ 「通院等乗降介助」と「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の区分
  「通院等乗降介助」を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20分~30分程度以上)を要しかつ手間のかかる身体介護を行う場合には、その所要時間に応じた「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の所定単位数を算定できる。この場合には、「通院等乗降介助」の所定単位数は算定できない。
 (例)(乗車の介助の前に連続して)寝たきりの利用者の更衣介助や排泄介助をした後、ベッドから車いすへ移乗介助し、車いすを押して自動車へ移動介助する場合。
⑧ 「通院等乗降介助」等と「身体介護中心型」の区分
  「通院等乗降介助」又は「通院等介助(身体介護を伴う場合)」を行うことの前後において、居宅における外出に直接関連しない身体介護(入浴介助、食事介助など)に30分~1時間以上を要しかつ当該身体介護が中心である場合には、これらを通算した所要時間に応じた「身体介護中心型」の所定単位数を算定できる。この場合には、「通院等乗降介助」及び「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の所定単位数は算定できない。なお、本取扱いは、「通院等介助(身体介護を伴わない場合)」の対象者には適用しないものであること。