居宅介護支援2/報酬告示の通知案

引き続き、報酬告示の留意事項通知(平成12年老企第36号)の改定案の、居宅介護支援関係です。
文中の[ ]内数字は、原文では丸付数字です。
例によって、この手の枠囲みは、どるくすのコメントなので、信用しないでください。

11 特定事業所加算の取扱いについて

(1)趣旨

 特定事業所加算制度は、中重度者や支援困難ケースへの積極的な対応を行うほか、専門性の高い人材を確保し、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価し、地域全体のケアマネジメントの質の向上に資することを目的とするものである。

(2)基本的取扱方針

 この特定事業所加算制度の対象となる事業所については、
・公正中立性を確保し、サービス提供主体からも実質的に独立した事業所であること
・常勤かつ専従の主任介護支援専門員及び介護支援専門員が配置され、どのような支援困難ケースでも適切に処理できる体制が整備されている、いわばモデル的な居宅介護支援事業所であることが必要となるものである。

 本制度については、こうした基本的な取扱方針を十分に踏まえ、中重度者や支援困難ケースを中心とした質の高いケアマネジメントを行うという特定事業所の趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。

(3)厚生労働大臣の定める基準の具体的運用方針

 第二十五号告示第十九号に規定する各要件の取扱については、次に定めるところによること。

 [1] イ関係
  常勤かつ専従の主任介護支援専門員については、当該指定居宅介護支援事業所の兼務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。

 [2] ロ関係
  常勤かつ専従の介護支援専門員三名とは別に、主任介護支援専門員を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員及び介意支援専門員三名の合計四名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

 [3] ハ関係
  「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議」は、次の要件を満たすものでなければならないこと。
  ア 議題については、少なくとも次のような議事を含めること。
  (1)現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
  (2)過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
  (3)地域における事業者や活用できる社会資源の状況
  (4)保健医療及び福祉に関する諸制度
  (5)ケアマネジメントに関する技術
  (6)利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
  (7)その他必要な事項.
  イ 議事については、記録を作成し、二年間保存しなければならないこと。
  ウ 「定期的」とは、概ね週一回以上であること。

 [4] ニ関係
  二四時間連絡可能な体制とは、常時、担当者が携帯電話等により連絡を取ることができ、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることを言うものであり、当該事業所の介護支援専門員が輪番制による対応等も可能であること。

 [5] ホ関係
  要介護三、要介護四又は要介護五までの者の割合が五〇%以上であることについては、毎月その割合を記録しておくこと。
  なお、特定事業所加算を算定する事業所については、積極的に支援困難ケースに取り組むべきこととされているものであり、こうした割合を満たすのみではなく、それ以外のケースについても、常に積極的に支援困難ケースを受け入れるべきものであること。
  また、トの要件のうち、「地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合」に該当するケースについては、例外的にホの五〇%要件の枠外として取り扱うことが可能であること(すなわち、当該ケースについては、要介護三、要介護四又は要介護五の者の割合の計算の対象外として取り扱うことが可能)。

 [6] へ関係
  「計画的に研修を実施していること」については、当該事業所における介護支援専門員の資質向上のための研修体系と当該研修実施のための勤務体制の確保を定めるとともに、介護支援専門員について個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等について、毎年度少なくとも年度が始まる三月前までに次年度の計画を定めなければならない。また、管理者は、研修目標の達成状況について、適宜、確認し、必要に応じて改善措置を講じなければならないこと。
  なお、年度の途中で加算取得の届出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに当該計画を策定すればよいこと。

 [7] ト関係
  特定事業所加算算定事業所については、自ら積極的に支援困難ケースを受け入れるものでなければならず、また、そのため、常に地域包括支援センターとの連携を図らなければならないこと。

 [8] リ関係
  特定事業所加算の趣旨を踏まえ、単に減算の適用になっていないのみならず、特定事業所加算の趣旨を踏まえた、中立公正を確保し、実質的にサービス提供事業者からの独立性を確保した事業所である必要があること。

 [9] ヌ関係
  取り扱う利用者数については、原則として事業所単位で平均して介護支援専門員一名当たり四〇名未満であれば差し支えないこととするが、ただし、不当に特定の者に偏るなど、適切なケアマネジメントに支障がでることがないよう配慮しなければならないこと。

 [10] 特定事業所加算(II)について
  主任介護支援専門員等の「等」については、平成二十一年度中に主任介護支援専門員研修課程を受講し、かつ必ず修了する見込みがある者であることとする。
  また、常勤かつ専従の介護支援専門員二名とは別に、主任介護支援専門員等を置く必要があること。したがって、当該加算を算定する事業所においては、少なくとも主任介護支援専門員等及び介護支援専門員二名の合計三名を常勤かつ専従で配置する必要があること。

ケアマネが最低3名(うち1名は、主任ケアマネか、21年度中に主任ケアマネ研修修了見込み)必要ということですね。

 [11] その他
  特定事業所加算取得事業所については、介護保険法に基づく情報公表を行うほか、積極的に特定事業所加算取得事業所である旨を表示するなど利用者に対する情報提供を行うこと。また、利用者に対し、特定事業所加算取得事業所である旨及びその内容が理解できるよう説明を行うこと。

(4)手続

 本加算を取得した特定事業所については、毎月末までに、基準の遵守状況に関する所定の記録を作成し、二年間保存するとともに、都道府県知事等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

12 医療連携加算の取扱いについて

 必要な情報とは、具体的には、当該利用者の心身の状況、生活環境及びサービスの利用状況をいう。当該加算については、利用者一人につき、一月に一回を限度として算定することとする。なお、利用者が入院してから遅くとも七日以内に情報提供した場合に算定することとする。

13 退院・退所加算の取扱いについて

(1)退院・退所加算(I)

 病院若しくは診療所への入院期間又は地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護保険施設への入所期間が三十日以下であった者が退院又は退所(地域密着型介護福祉施設サービス又は介護福祉施設サービスの在宅・入所相互利用加算を算定する場合を除く。)し、その居宅において居宅サービスを利用する場合において、当該利用者の退院又は退所に当たって、当該病院、診療所、地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設の職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報の提供を得た上で、居宅サービス計画を作成し、居宅サービスの利用に関する調整を行った場合には、当該利用者の居宅サービスの利用開始月に所定単位数を加算する。ただし、初回加算を算定する場合は、算定しない、なお、利用者に関する必要な情報については、別途定めることとする。

(2)退院・退所加算(II)

 病院若しくは診療所への入院期間又は地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護保険施設への入所期間が三十日を超える者が退院又は退所(地域密着型介護福祉施設サービス又は介護福祉施設サービスの在宅・入所相互利用加算を算定する場合を除く。)し、その居宅において居宅サービスを利用する場合において、当該利用者の退院又は退所に当たって、当該病院、診療所、地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設の職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報の提供を得た上で、居宅サービス計画を作成し、居宅サービスの利用こ関する調整を行った場合には、当該利用者の居宅サービスの利用開始月に所定単位数を加算する。ただし、初回加算を算定する場合は、算定しない。なお、利用者に関する必要な情報については、別途定めることとする。

(3)退院・退所加算(I)については、同一月に一回のみ算定することができる。
 退院・退所加算(I)及び(II)については、同一月に退院・退所した病院等又は施設が同一である場合には、併せて算定することはできない。なお、原則として、退院・退所前に利用者に関する必要な情報を得ることが望ましいが、退院後七日以内に情報を得た場合には算定することとする。

14 認知症加算の取扱いについて

 ヘにおいて「日常生活に支障をきたすおそれのある症状又は行動が認められることから介護を必要とする認知症の利用者」とあるのは、日常生活自立度のランクIII、IV又はMに該当する者をいうものであること。

15 独居高齢者加算の取扱いについて

 当該加算は、利用者から介護支援専門員に対し、単身で居住している旨の申立てがあった場合であって、介護支援専門員が利用者の同意を得て、当該利用者が住民票上でも単独世帯であることの確認を行っている場合に算定できるものとする。ただし、住民票による確認を行うことについて利用者の同意が得られなかった場合又は住民票においては単独世帯ではなかった場合であっても、介護支援専門員のアセスメントにより利用者が単身で居住していると認められる場合は、算定できるものとする。なお、介護支援専門員のアセスメントの結果については、居宅サービス計画等に記載する、また、少なくとも月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者が単身で居住している旨を確認し、その結果を居宅サービス計画等に記載すること。

 住民票での独居を基本としながらも、実際に独居だったら算定できる、ということですね。これは妥当と思います。
 問題は、むしろ、「住民票では独居だが実際には家族が同居している」という場合ではないかと思います。二世帯住宅、同一敷地内の別家屋の場合など、今後のQ&Aなどを確認する必要があります。

16 小規模多機能型居宅介護事業所連携加算の取扱いについて

 当該加算は、介護支援専門員が、小規模多機能型居宅介護事業所に出向き、利用者の居宅サービスの利用状況等の情報提供を行うことにより、当該利用者の小規模多機能型居宅介護における居宅サービス計画の作成に協力を行った場合に、算定を行うものである。ただし、当該小規模多機能型居宅介護事業所について六月以内に当該加算を算定した利用者については、算定することができない。また、当該加算は、利用者が小規模多機能型居宅介護の利用を開始した場合にのみ算定することができるものとする。