実地指導の標準化・効率化等の運用指針2

別添
実地指導の標準化・効率化等の運用指針

1 実地指導の標準確認項目等
 実地指導は、別紙「標準確認項目」及び「標準確認文書」に基づき、実施するものとする。これは代表的な7種類のサービス*に関して介護サービスの質の確保、利用者保護等の観点から重要と考えられる標準的な確認項目及び確認文書について定めたものである。
 なお、7種類のサービス以外のものについては、別紙を参考に、各自治体において「標準確認項目」及び「標準確認文書」を検討の上、適宜反映させるものとする。
 「標準確認項目」以外の項目は、特段の事情がない限り行わないものとし、「標準確認文書」以外の文書は原則求めないものとする。
 また、実地指導を進める中で、不正が見込まれる等、詳細な確認が必要と判断する場合は、監査に切り替え、「標準確認項目」及び「標準確認文書」に限定せず、必要な文書を徴し確認するものとする。

*・・訪問介護通所介護介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、認知症対応型共同生活介護、介護老人保健施設訪問看護

2 実地指導の所要時間の短縮
 実地指導の所要時間については、「標準確認項目」を踏まえることで、一の事業所当たりの所要時間をできる限り短縮するとともに、1日で複数の事業所の実地指導を行うなど事業所と自治体双方の負担を軽減し、実地指導の頻度向上を図ること。

3 実地指導の頻度
 実地指導の頻度については、事業所の指定有効期間に最低でも1回以上は実施することを基本としつつ、本指針に基づく実地指導の標準化及び効率化等を図ってもなお十分な実施頻度の確保が困難な場合には、過去の実地指導等において、事業運営に特に問題がないと認められる事業所の頻度を緩和し、集団指導のみとすることなども検討すること。

4 同一所在地等の実地指導の同時実施
 同一所在地や近隣に所在する事業所に対する実地指導については、できるだけ同日又は連続した日程で行うなどにより、効率化を図ること。

5 関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
 老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく指導・監査等との合同実施については、自治体の担当部門間で調整を行い、事業者の状況も踏まえ同日又は連続した日程で行うことを一層推進すること。

6 運用の標準化
 実地指導の実施に際しては、原則として1ヶ月前までに事業所へその旨通知するとともに、実地指導当日の確認が円滑に行えるよう、当日の概ねの流れをあらかじめ示すものとする。
 利用者へのケアの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、原則として3名以内とすること。
 ただし、居宅介護支援事業所については、原則として介護支援専門員1人あたり1名~2名の利用者についてその記録等を確認するものとする。

7 実地指導における文書の効率的活用
 実地指導において確認する文書は、原則として実地指導の前年度から直近の実績に係る書類とすること。
 また、事業所に事前又は指導の当日提出を求める資料の部数は1部とし、自治体が既に保有している文書(新規指定時・指定更新時・変更時に提出されている文書等)については、再提出を求めず、自治体内での共有を図るものとする。

8 留意事項
・実地指導にあたっては、担当職員の主観に基づく指導や、当該事業所に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意すること。
・個々の指導内容については具体的な状況や理由を良く聴取し、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行うこと。
・高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導やより良いケア等を促す助言等について、事業者との共通認識が得られるよう留意すること。
・効果的な取り組みを行っている事業所については、積極的に評価し、他の事業所へも紹介するなど、介護サービスの質の向上に向けた指導の手法について工夫すること。
・実地指導の際、事業所の対応者については、必ずしも当該事業所管理者に限定することなく、実情に詳しい従業者や事業所を経営する法人の労務・会計等の担当者が同席することは問題ないこと。


国が言いたいことはわからないでもないのですが、
「標準確認項目」以外の項目は、特段の事情がない限り行わないものとし、「標準確認文書」以外の文書は原則求めないものとする。
というのは、ちょっと(あるいは、かなり)疑問です。
今回提示された標準確認項目の出来がよくない上に、仮に出来がよい項目だったとしても、その実地指導の相手方の状況(新規指定後の最初の実地指導か、ある程度運営されている事業所である程度の安定感があるか、等)によって省略しない方がよい場合も多いだろうと思います。
そういうことを「特段の事情」と考えてよいのなら、まだわかりますが。

誤解を恐れずにいえば、
「標準確認項目」以外の項目も確認する必要があるが、監査を行うほどではない
という事業所や施設は少なくないと思います。

標準確認項目については、次回以降の記事で見ていきたいと思います。