標準確認項目・居宅介護支援/まとめ

標準確認項目についての一応、最後に居宅介護支援です。
(もうひとつ、認知症対応型共同生活介護もありますが、このサービスの実地指導について何か述べるほどは知っていないので。)

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まず、人員。従業者と管理者が項目には入っていますが、管理者の(主任)ケアマネ資格の確認について記載されていません。
「従業者」兼「管理者」というパターンだけでなく、ケアマネ業務に従事しない管理者ということもあり得るので、その管理者の資格更新が行われているか、という観点での確認も必要です。
それに、主任ケアマネでなくても管理者に就ける経過措置も、いずれなくなりますよね?
(私自身は、管理者の主任ケアマネ要件は不必要と考えていますが。)

あとは、訪問介護などと同様の項目が多数省略されています。
訪問系サービスである以上、身分証明書の携行などは確認した方がよいのではないかと思います。
(まともな事業所が相手なら、「どんな身分証を持って訪問されますか?」「これです」というやりとりだけで済むので、それほど時間はかからないはずです。)

もうひとつ、他のサービスを含めて指摘しておくとすれば、「記録の整備」関係の重要性です。
国の基準省令では2年保存となっていますが、多くの自治体では条例で5年保存と定めています。
これは、報酬返還が最大5年遡ることを考えれば、必要な規定です。
なので、厚労省が「記録の保存年限は確認しなくてよい」という無責任な見解を流したとしても、(5年保存を定めている)自治体としては、確認する必要があります。

もっとも、各サービスの基準省令で定めている事項を、実地指導で全て確認すべき、とは私は考えていません。
限られた時間の中で、限られた人員(往々にして、こういう法令に基づいた世の中に必要な仕事を行う部署の人員を減らしたがる首長が存在したりする)で行うためには、必要性が低い項目は省略すればよいと思います。
でも、それは、厚労省が全国一律に適用すべき項目として押しつけるものではありません。

事業者が事前に用意すべき書類の簡略化。結構なことです。
実地指導の所要時間を短くして、なるべく指定有効期間内に1度はまわるようにする。異議はありません。

でも、何を省略するか、何を重点的に見るか、は、地域の現場で決めるべきです。
厚労省の机上で決めるものではない。

見ようとする項目で、何が適切かを判断する基準は、自治体や職員個人で差があってはいけないとしても、
何を見るかは、状況によって差があってもよいと考えます。
異業種から参入してきたばかりの新規事業者と、地域に根ざした運営を地道に続けてきた事業者とでは、所要時間に差があって当たり前ではないでしょうか。

そんなことより。
指定の有効期間内に、確実に1回以上実地指導に回れるだけの人員を確保できるよう、自治体の財政を支援してほしい。交付税でも何でもよい。
首長が趣味でやりたがっているような事業はなくなってよいから。
私はそう思います。