新しい方へ(その2)

Q:自治体で介護保険を担当することになりました。
困難な仕事でしょうか?

A:公務員といえど、人には向き不向きがあり、相性もあります。
が、許認可業務の一種という観点に立てば、行政の他の仕事に比べて特別に難しいというわけではないと思います。今は報酬改定で大変な時期ですが。
法律~政省令・告示~通知~Q&Aなど、という感じで調べていくことは可能ですし。
ただ、市区町村で保険者業務を担当する場合には、資格管理や要介護認定など、やや特殊かもしれない事務もあります。


Q:ネット上の掲示板などで自治体職員が批判されていることも多いようですが。

A:批判されても仕方がないような対応の自治体もあるようです(苦笑)
ただ、批判する側の誤解や勉強不足という場合もあります。国(厚生労働省)への不満が自治体に飛び火することもあります。
ですが、多くの自治体は、まっとうなレベル、あるいは「これぐらいなら仕方がないかな」というレベルにあると私は思います。
なお、全てが、というわけではありませんが、掲示板などの書き込みのレベルも下がってきているかもしれません。


Q:自治体職員について、「法令や通知の文言ばかり追って現場を知らない」という批判もあるようですが。

A:そういう批判の事例をよく読むと、実は法令や通知の文言すら理解していない場合があるようです。
一般的な自治体職員よりは現場の専門職の方が現場の実態を熟知しているのは当然ですから、実際の運用について現場の声を聴いたり、それを国やしかるべきところに伝えたり、というのはあり得る対応だろうと思います。
ですが、たとえば「サービス担当者会議は利用者の自宅で開催しなければならない」とか「実際に利用者の身体に触れなければ身体介護は算定できない」というような誤った解釈は、法令や基本的な通知を読んでいれば出てこないと思います。


Q:現場のスタッフ、たとえばケアマネジャーなどのレベルは下がってきていますか?

A:いろいろな方がいますが・・・この3年ごとに報酬改定がある(しかも国の発表等が遅い)という環境下で、総じて頑張っていると私は思います。
自治体職員批判もそうですが、自分たちの周囲に変な人間がいると、その属性の人々(公務員とかケアマネとか)全てが変だという風に思いがちです。
でも、そんなに変な人ばかりが携わっていたら、制度は維持されていないでしょう。


Q:厚生労働省社会保障審議会の資料などは読んでおくべきですか?

A:余裕があったら、どうぞ。介護給付分科会や介護保険分科会の議事録などを読んでみるとおもしろいと思います。
事務局案に疑問あるいは反対意見がけっこう出ているのに、そのまま通されてしまったり、とか。
(本当は、おもしろい、では済まないのですが。)
でも、4月から配属された自治体職員が、真っ先に読むべき資料、ではないと思います。
まず、実際に公布された法令、そしてその解釈通知、留意事項通知、Q&Aなどを理解すること。
いや、全部を頭に入れるのは無理です、私には。どこを見ればよいのか、調べ方を理解するだけでやりやすくなると思います。


おまけ。私が書いた駄文で恐縮ですが、こちらもご覧ください。