赤本・青本

ネット上のある場所で、
「行政職員が押し売りする赤本・青本
というようなコメントを見かけました。
 
赤本・青本といっても、分野によって何を指すかは異なりますが、
一般に介護保険業界では「介護報酬の解釈(指定基準編・単位数表編)」を指します。
 
実地指導とか監査とか呼ばれる業務に携わっていた頃、複数の拠点を持つ法人本部での講評で、
「赤本・青本ぐらいは、少なくとも各拠点に1冊は買ってあげてください」
という趣旨の発言をしたことがある人間としては、苦笑するしかないコメントです。
 
もっとも、安いとはいえない価格で、3年ごとの報酬改定ごとに購入するとなれば、
「押し売り」と言いたくなる気持ちはわからないでもありません。
そのコメントを書き込んだ人と行政職員とで、どのようなやりとりがあったか、詳細がわかりませんし。
 
私の発言については、次のような内容が続きます。
 
1)必要な加算が堂々と取れるようになれば、すぐに(購入費の)元が取れます。
2)法令、告示、通知などが掲載されているわかりやすい本があれば、他の本でもけっこうです。
3)官報やその他インターネット上に掲載されているデータから自分で作られるのであれば、それでもかまいません。
 
1について補足すれば、自信がなくて連携系の加算などを取るのを躊躇している居宅介護支援事業所だったということがあります。
(それなのに、特定事業所加算は算定しています。)
 
2については、今のところ、適当な本を見つけられないでいます。
 
3について。
実は、平成21年4月頃からしばらくの間、報酬告示、留意事項通知、Q&Aなどを並べた記事を当ブログで大量にアップしています。
くだんの本の改訂版は、すぐには出版されませんから、自分の仕事上、必要だった、ということが一番大きな動機です。
 
データと根気さえあれば、それほど難しい作業ではないので、ワープロソフトなどを使えば誰にでもできます。
 
そのためにも、厚労省は、通知などのデータをPDFファイルではなく、テキスト形式かワープロ形式(ワードでも一太郎でも)でアップしていただきたいところです。
 
法令や通知は、とっつきにくい、うっとうしい、対人サービスの本質とは違う、などと感じている方は、いまだに少なくないかもしれません。
でも、よその事業所や利用者が不適当な要求をしてきたとき、行政が間違ったルールを押し付けようとしたとき、などには交渉する根拠になりますから、やはり何らかの法令集のようなものは必要です。
 
蛇足ですが・・・従業者が必要だと上申してきたら、経営者の方は迷わず購入してください。
間違っても、どこぞのように私物で買わせたりしないように(謎)