地域ケア会議(2)

では、すでにある通知からの抜粋です。


地域包括支援センターの設置運営について
(平成18年10月18日・老計発第1018001号/老振発第1018001号/老老発第1018001号)
(各都道府県・各指定都市介護保険主管部(局)・各中核市長あて厚生労働省老健局計画課長・振興課長・老人保健課長通知)

4 事業内容
(2)多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

 包括的支援事業を効果的に実施するためには、介護サービスに限らず、地域の保健・福祉・医療サービスやボランティア活動、インフォーマルサービスなどの様々な社会的資源が有機的に連携することができる環境整備を行うことが重要である。(法第115条の46第5項)このため、こうした連携体制を支える共通的基盤として多職種協働による「地域包括支援ネットワーク」を構築することが必要である。
 法第5条第3項に掲げる地域における包括的な支援体制を推進するためには、このような地域包括支援ネットワークを通じて、高齢者個人に対する支援の充実を図るとともに、それを支える社会基盤の整備を図る必要がある。そのための一つの手法として、「行政職員をはじめ、地域の関係者から構成される会議体」(以下「地域ケア会議」という。)を、センター(又は市町村)が主催し、設置・運営することが考えられる。

[1] 地域ケア会議の目的
 ア 個別ケースの支援内容の検討を通じた、
 (i)地域の介護支援専門員の、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援
 (ii)高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築
 (iii)個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握
 イ その他地域の実情に応じて必要と認められる事項

[2] 地域ケア会議の機能
 ア 個別課題の解決
  多職種が協働して個別ケースの支援内容を検討することによって、高齢者の課題解決を支援するとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める機能
 イ 地域包括支援ネットワークの構築
  高齢者の実態把握や課題解決を図るため、地域の関係機関等の相互の連携を高め地域包括支援ネットワークを構築する機能
 ウ 地域課題の発見
  個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を浮き彫りにする機能
 エ 地域づくり・資源開発
  インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど、地域で必要な資源を開発する機能
 オ 政策の形成
  地域に必要な取組を明らかにし、政策を立案・提言していく機能
  なお、オについて市町村は、センターの提言を受け、日常生活圏域ニーズ調査結果等に基づき資源を開発し、次期介護保険事業計画に位置づける等の対応を図ることが望ましい。

[3] 地域ケア会議の主催者及び名称
 上記[2]のアからウについては主にセンター主催による「地域ケア個別会議」、エ及びオについては検討内容によってセンターまたは市町村主催による「地域ケア推進会議」と称するなど、会議の目的・機能に応じて設定することが考えられる。
 なお、各市町村において、すでに上記[2]の機能を有する会議を実施している場合、会議の名称変更を強いるものではない。

[4] 地域ケア会議の構成員
 会議の目的に応じ、行政職員、センター職員、介護支援専門員、介護サービス事業者、保健医療関係者、民生委員、住民組織等の中から、必要に応じて出席者を調整する。
 なお、地域の実情に応じて上記[2]のアからウの場合は実務者、エ及びオの場合は地域包括支援ネットワークを支える職種・機関の代表者レベルによる開催が考えられる。

[5] 地域ケア会議の留意点
 地域ケア会議は、個人で解決できない課題等を多職種で解決し、そのノウハウの蓄積や課題の共有によって、地域づくり・資源開発、政策形成等につなげ、さらにそれらの取組が個人の支援を充実させていくという一連のつながりで実施するとともに、特に始点となる個別ケースの支援内容の検討は極めて重要であるので、センター(又は市町村)が主体となって取組むことが求められる。
 また、多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築に当たっては、[1]センター単位のネットワーク、[2]市町村単位のネットワーク、[3]市町村の圏域を超えたネットワークなど、地域の特性に応じたネットワークを構築することにより、地域の関係者との相互のつながりを築き、日常的に連携が図られるよう留意する必要がある。
 特に、医療と介護の連携に基づく地域包括ケアの構築のためには、在宅医療の関係者との緊密な連携を図ることが望ましい。
 なお、市町村は、要援護者の支援に必要な個人情報を、個人情報の保護の観点にも十分留意しつつ、支援関係者間で共有する仕組みや運用について、センターと連携して構築することが望ましい。

(たぶん、続きます。)