続・議事録つまみ食い(パブコメ参考)

今回も、「2014年11月19日 第115回社会保障審議会介護給付費分科会議事録」より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000070202.html


まず、地域区分単価について。

○河村委員 人材確保の処遇の充実について異を唱えるものではありませんけれども、介護保険事業をずっと行ってきて、いろいろな意味で、全国の町村を代表して町村の実情について、この会の中で何回かお話をさせていただきました。特に地域区分の問題について私は何回か発言させていただき、この地域区分そのものに、国家公務員、地方公務員の基準を準用する、そのこと自身が私は違うのではないかと申しました。それはなぜかというと、実態として見ていただきますと、国の官公署があったら、区分は高く、ないところは、それより低い。そうすると、私の周辺地域で申し上げますと、官公署があるところの市が高くて、その周辺の市が低い。同一の行政圏として仕事を行っているにもかかわらず、そんなばかなことがあるのかということで、誰が見ても一般論としておかしいのではないかというのが私の主張です。そういう意味では、基本的な判断をする基本の指標が間違っていると思います。人材を確保することは町村では困難なのだから、逆にしてくださいという発言をさせてもらいました。

 逆に言いますと、地域区分が上がりますと、現実の問題としては、保険者としては、その地域の住民の介護保険料が上げなくてはならなくなり困ります。だから、地域区分は0%のほうが好ましいのです。しかし、地域区分を介護人材の確保のために導入することによって、結果、地域的に凹凸をつけるというその発想が、私はおかしいのではないかと主張してきました。そういう点で、今回はその部分の対応策が幾つか出されましたが、最後には見直しの方向はそれぞれの市町村が個別に行うというお話であります。しかし、個別で行っても、その解消がなされるわけではないのです。前回の改定の時に私の町は0%でしたが、隣の村が3%でした。そうしたら事業者から強い要求がありました。実際に、そのように言われると自治体では対応せざるを得ない。3年間で6,000万円を一般財源で補?してきました。そういうことが起きてしまったのです。だから、小さい町村ごとに区分するのはどうなのかというこの地域区分の問題を指摘しております。

 それで、特にこれから先、介護保険料は、私どもの積算では、次の改定の段階で一人当たり約6,000円になってしまいます。それで、ほかの近隣の市町村に比べて高い保険料を設定せざるを得ない。また、民間のサービスが参入してきませんから、町は単独で在宅サービスセンターを2つ開設しています。そこに一般財源を投入しています。そういうことが小さい町村で起きているというのが事実です。だからこそ、いろいろな意味でこういう制度設計をするときには配慮していただきたいということを私は言わせていただいたところです。
(略)

○石崎参考人(福田委員代理) (略)
介護サービスの提供について、都市部においては、地価の高騰等から新たな施設整備が困難であり、また、中山間地域や離島においては、地理的条件や効率的な運営が難しいことから事業者の参入が進まないなどの課題が生じていることに対しまして、地域区分や特別地域加算の設定等が措置されているところでございますが、不十分な状況にあると考えます。このため、国におきましては、国民がひとしく介護サービスを受けられる体制を確保することが重要な課題であると認識し、地域の特性に応じた介護サービスの提供体制が確保されるよう、抜本的な対策を中長期的に見て講じていただく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。

なんか、東京の報酬を上げるべき、という主張は(事務局である<東京在勤の>厚労省職員を除けば)目につかないように思うのですが。

次に、居宅介護支援の、特に集中減算関係。これも事務局案への反対あるいは危惧の声が少なくないようです。

○鷲見委員 (略)
 最後になりますが、論点3についての集中減算については、ぜひ地方等の状況を勘案することを強く要望します。また、医療保険での機能強化訪問看護ステーションの要綱にありますケアプラン作成1割以上といいますのは、この集中減算の視点とは相反することになると思いますので、今後ぜひ整理をしていっていただきたいと思います。

○鈴木委員 それでは、資料9からお話しさせていただきます。2ページ目の論点1でございます。これにつきましては、先ほど来、何人かの方からお話がありますが、たとえ結果的には福祉用具貸与のみになっても、ケアマネジメントのプロセスは同じではないかと思います。この考え方でいくと、逆に無報酬で手間のかかる住宅改修におけるケアマネジャーの行う書類作成などに対しては、加算が必要だということになると思います。

15ページでございます。これにつきましては、認知症や独居高齢者は、ほかの方と比較して手間がかかるのは事実でございますので、何らかの評価は必要だと思います。

18ページでございます。これに関しましては反対でございます。質の高い事業者に依頼が集中するのは、ある意味、当然であります。特定の事業所に集中していることのみをもって減算対象とするのは、逆に利用者にとって公平・中立性が担保できないことになるのではないでしょうか。一部の問題のある事業者に対しては、指導や監査で行政が対応すべきだと思います。大都市では可能な話なのかもしれませんが、地方ではとても無理でございます。同じサービスがたとえあったとしても、質の違いがあり過ぎます。

19ページの(マル4)の例外規定があるではないかとおっしゃるかもしれませんが、具体例が非常に乏しいし、市町村によって対応も異なります。大体この考え方の影響が大きいので、細かいところを説明しても、考え方によって影響されることが大く、考え方そのものが果たして正しいのかという気すらいたします。
(略)

福祉用具貸与のみが減額なら、住宅改修関係の業務に報酬を出すべき」
というのは全く正論で、他の委員からの反対意見も多く、福祉用具貸与のみのケアプランに対する減額案は消えました。

○山際委員 居宅介護支援について3点ございます。

 論点3の公平・中立性の確保については極めて重要だと考えておりますが、一方で、結果として、質の高い事業者がより多くの利用者にサービスを提供することについては、利用者にとっても有益なことだと考えております。逆に、集中減算のために利用が制限されるということは本旨ではないと考えております。21ページに資料も出ておりますが、ほとんどが90%以下のところという実態になっておりますので、減算を適用する割合を引き下げる方向、この必要性はないと考えております。逆に、不適切な事例については、きちんと指導の強化等で対応すべきと考えています。

 それから、論点6ですが、ケアマネジャーに対して個別のサービス計画書の提出を求めることについては、趣旨については十分理解できるものなのですが、やはり何よりもケアマネジメントの中での活用が非常に重要だと思っておりまして、仮に紙ベースで提出された場合、こうしたものを5年間保管をするとかということになりますと、極めて非効率的な中身にもなりかねませんので、手法の検討も含めて御検討いただければと思っております。

 それから、論点7についてですが、地域ケア会議も非常に重要だと思っておりますが、求めに応じて資料等を提出するということについて、単に保険者の給付管理適正丘の強化に活用されることのないように、本来の地域ケア会議の持つ目的に沿って活用できることをぜひ求めていきたいと思います。

 最後、区分支給限度額についてですが、以前から申し上げておりますが、加算による仕組みの場合に、利用者の負担が増すケースにおいて、実際には要件を満たしていても、事業者が加算をとれないということがままあります。こうしたときに、実際には処遇改善につながらないということにもなりかねません。今回の加算について、限度額に含まれないということについては非常に歓迎したいと思っておりますが、現在の既存の訪問介護特定事業所加算なども限度額外とし、利用者にとって過度な負担につながらないように、ぜひ配慮をお願いしたいと思っております。

「単に保険者の給付管理適正丘の強化に活用されることのないように」
というのは、
「単に保険者の給付管理適正の強化に活用されることのないように」
の誤りのような気がします。

それにしても、まあ正論でしょう。

特定事業所加算などを限度額管理から除外すべきという意見も、私が以前から主張していたもので、賛成です。