H30障害報酬パブコメ結果4

6.日中活動系サービス

 生活介護は重度障害者にとって重要な「日中の暮らしの場、つながりの場」となっており、また、施設・病院からの地域移行や在宅での引きこもりからの通所の場合、短時間からスタートするのが通常である。今回初めて生活介護で短時間利用の減算が導入されようとしているが、個々のニーズ・生活パターンが歪められたり日中の場を失うことが決してないよう、障害特性等やむを得ない事由での短時間利用は除外してほしい。
 今回の見直しに当たっては、関係団体等から御意見をうかがった上で、当該減算の対象となる利用者数を算定する際には、障害特性等により長時間の利用が難しい利用者については算定から除外できることとするなど、一律な算定方法とならないようにいたします。

 運営している生活介護事業所において、現在、支援員間の意思統一を図り支援の質を確保するために、毎週土曜日は利用時間を短縮し、残りの時間を職員会議の時間に充てている。しかし、今回の報酬改定により、このような場合も短時間利用減算の対象になってしまうため、減算の対象から除いてほしい。
 運営規程に営業時間を明示した上で、特例的に短時間開所の日を設けている場合等については、平均利用時間の算定から外すなど柔軟な取り扱いができるよう周知します。

 重度児者対応支援加算は、事業者の見込みの届け出のみで算定できるのか。
 重度児者対応支援加算については、実際に支援が行われた日において、障害支援区分5若しくは区分6又は障害児支援区分3に該当する利用者の数が全利用者の100分の50以上であった場合について、算定が可能です。

 福祉型強化型短期入所サービスは、医療的ケアが必要な利用者を受け入れるための制度とあるが、看護職員は常勤換算で1以上とのことなので、医ケア児の利用時間を通じての配置は必須ではないとの趣旨か。
 福祉型強化短期入所サービス費の算定に当たっては、看護職員が常勤換算で1以上配置されていれば、医療的ケアが必要な利用者の利用時間に関わらず算定が可能です。

 入所施設の不足等により、短期入所の長期利用は必要なケースが多い。実際にこれまでの実績で空きができれば入所に切り替えており、1年間の猶予期間とせずに実際のニーズで判断してほしい。
 短期入所の長期利用については、短期入所の本来の趣旨や実態を踏まえて、適正化を図ることとしていますが、介護者が急病や事故により長期間入院することとなった場合等はやむを得ない事情による長期利用については一定の配慮を行うこととしています。

 短期入所の長期利用の制限について、今回の改定で30日が限度と示されたが、連続して30日利用した後、1日以上利用しない期間があれば、再度連続した30日以内の利用は可能となるのか。
 連続して30日利用した後、1日以上利用しない期間があれば、再度連続した30日以内の利用は可能とします。

 長期(連続)利用日数の上限設定について、現在の障害福祉サービス利用者の状況を明らかにした上で説明すべきである。単に介護保険サービスと同じ扱いにするだけでは、利用制限をするだけになる。長期で短期入所を利用しなければいけない状況を改善するための施策を打ち出すべきである。
 長期利用の理由について、平成28年度改定検証調査の結果においては、「介護者の高齢化、体調不良等による介護力の低下で自宅に戻ることが困難」等の理由が挙げられています。
 長期利用については、短期入所の本来の趣旨や実態を踏まえて、適正化を図るものですが、介護者が急病や事故により長期間入院することとなった場合など、やむを得ない事情による長期利用についての一定の配慮を行います。

 医療型短期入所について、このたび示された障害福祉サービス費の報酬改定案によると、基本報酬の増額はされたものの、「医療型短期入所」の運営を安定させるには、さらなる上積みが必要であると考える。
 今回の報酬改定では、医療型短期入所について、基本報酬の増額のほか、医療的ケアが必要な障害児者の受入れを積極的に支援するため、看護職員を配置し、医療的ケアが必要な障害児者を受入れた場合の短期入所の新たな報酬区分として、「福祉型強化短期入所サービス費」を創設します。この福祉型強化短期入所においては、医療的ケアが必要な利用者を受け入れた場合や、重度な障害児者を一定割合受け入れる場合について、支援の負担を評価する加算を併せて創設し、医療的ケアが必要な利用者への支援を強化します。

7.施設系・居住系サービス

 日中サービス支援型グループホームの報酬が不十分ではないか。
 日中サービス支援型共同生活援助サービス費は、既存の共同生活援助の基本報酬を踏まえ、日中・夜間の支援等に必要な報酬を含めたものであり、適正な報酬となっています。

 夜勤職員配置体制加算について、算定要件を満たす夜勤職員の数を越えて配置している場合の評価はされないため、一人増えるごとにさらに単位が追加されるようにしてほしい。
 夜間業務については、利用者の重度化・高齢化に伴う業務負担の増加や日中業務とは異なる負担感や勤務態勢であることを踏まえ、夜間支援体制をより適切に評価するため、夜勤職員配置体制加算の単位数を引き上げるところです。職員の加配に対する更なる評価については、支援に必要な人員数等を慎重に検討していく必要があります。

 重度・高齢に対応した類型が新設されるが、既存の共同生活援助についても、重度障害者に対する支援が低下しないよう、基本報酬を引き上げてほしい。
 既存の共同生活援助については、平成27年度報酬改定において区分4以上の基本報酬を引き上げており、その結果、収支差率が高い状況であるため、基本報酬の引き上げは行いませんが、看護職員を常勤配置した場合の加算を新設する等、重度障害者に対する支援の充実を図っています。

 来年度から精神障害者地域移行特別加算が新設されるが、このような改定以前の時期に当該加算の要件を満たした場合も加算の対象として考慮してほしい。
 平成30年度報酬改定は、平成30年4月から適用されるため、それ以前に要件を満たした場合については加算の対象外となります。

 共同生活援助の基本報酬の引き下げは、実情に合っていない。特に、区分1以下の大幅な減額は納得できない。
 共同生活援助にかかる平成30年度報酬改定は、報酬改定検討チームの議論を踏まえ、重度・高齢の利用者への支援の充実等を図るとともに、経営実態を踏まえ、基本報酬の見直しを行っています。

 共同生活援助の精神障害者地域移行特別加算の算定にあたり、精神科病院への入院歴はどのような方法で確認・証明を求めるのか。また、
相談援助や個別支援を行う専門職は、事業所の従事者であることを要するのか。
 精神障害者地域移行特別加算の算定対象者の確認は、支給決定の際に、市町村が行うことを想定しており、診断書等による証明を必須とはしません。また、当該共同生活援助事業所の従業者として社会福祉士等を配置する必要があります。

 精神障害者地域移行特別加算は、社会福祉士精神保健福祉士又は公認心理師等が支援を行うことになっているが、精神科作業療法精神障害者の社会復帰に有効であるため、作業療法士も含めるべきである。
 精神障害者地域移行特別加算は、住まいの場であるグループホームにおいて、社会福祉士等が日常生活に関する相談や助言等の支援を行うことを評価する加算であるため、作業療法士等の訓練等を行う職種は要件に含めておりません。

 共同生活援助の強度行動障害者地域移行特別加算は、強度行動障害の有無は誰がどのように判定するのか。
 精神障害者地域移行特別加算の算定対象者の確認は、支給決定の際に、市町村が行うことを想定しております。

 日中サービス支援型共同生活援助について、既存の類型と同様、定員8名以上の場合の大規模住居等減算を適用することを必須にすることが必要と考える。
 日中サービス支援型共同生活援助は、共同生活住居ごとの独立性が確保されている等の場合に、1つの建物に複数の共同生活住居を設け、入居定員の合計を20人以下とすることを認める類型であるため、大規模住居等減算は21人以上の場合に適用することとしています。

 日中サービス支援型共同生活援助について、他類型のグループホームと同様、夜間支援体制加算等の各加算を算定できるようにしてほしい。
 日中サービス支援型共同生活援助は、運営基準や支援内容等を踏まえ、基本報酬や加算を設定しており、既存の共同生活援助と全く同じ加算を算定することはできません。

 日中サービス支援型共同生活援助の新たな加算「夜勤職員加配加算」「看護職員配置加算」の算定要件は事業所単位か、それとも住居単位か。
 夜勤職員加配加算は「住居」、看護職員配置加算は「事業所」を算定要件の単位としています。

8.訓練系サービス

 自立訓練(機能訓練)のリハビリテーション加算の見直しについて、「頸髄損傷による四肢の麻痺等」とあり、対象が頸髄損傷を原因とするものに限るかのように読み取れるが、原因ではなく状態によって対象と認めてほしい。
 リハビリテーション加算の対象者は「頸髄損傷による四肢麻痺その他これに類する状態にある障害者」となるため、疾患等の原因を問わず、四肢麻痺の状態にある者が対象となります。

 自立訓練(生活訓練)の個別計画訓練支援加算について、「・・・社会福祉士精神保健福祉士等が作成する・・・」とあるが、介護福祉士も含まれるのか。
 個別計画訓練支援加算については、社会福祉士精神保健福祉士公認心理師が個別訓練実施計画を作成することを要件とするため、介護福祉士は含まれません。