社会福祉法人に期待すること

Q:緊急の短期入所先を探していたところ、特養併設の短期入所生活介護事業所がありました。
 「併設型」部分は満床ですが、特養本体に長期入院者があり「空床型」としては空きがあります。
 その施設も事業所も初めての利用ですが、緊急の新規利用は無理でしょうか?

A:全くの新規利用者だからといって緊急利用を拒否できるというルールはありません。
 「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第140条で準用する第9条(提供拒否の禁止)などをご参照ください。

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ちょっとしたきっかけで、ずっと以前のことを思い出しました。
介護保険が始まって、そんなに年数が経っていなかった頃です。

生活保護受給中の方で、在宅では置いとけないという事態が発生しました。
(長期入所が必要というわけではありません。詳細は割愛。)

在宅介護支援センターのソーシャルワーカー(ケアマネ)、生活保護担当ケースワーカー(私)などが、その人の自宅で本人を交えて協議し、とりあえず短期入所が必要、という方向になりました。
もう、午後。3時ぐらいにはなっていたでしょうか。
当時もショートの空きはなかなかなく、ソーシャルワーカーが、片っ端から電話する、という勢いで探し始めました。

1件目。地元の、もっとも普段のつきあいが多い特養併設事業所。

先方の相談員「いやあ、初めての方ですか」(くちごもりながら、ごにょごにょ、という感じ)

在介「ダメならダメって言ってください。本当に急ぐんで、次に電話しなければならないから」

相談員「いや、そういうわけでは・・・」

在介「どっちなん?」

普段は、ややボケ系(ただし、ツッコミも可能)で、コムスメ(ただし既婚)という雰囲気もある在介ソーシャルワーカーでしたが、今回の迫力ある対応のためか、見事に1件目で目的を果たしました。
(この後、本人の詳細な状況説明や書類作成など時間がない中で大変だったと思いますが、生保サイドの私としてはひと安心。)

受けてくれた相談員氏や施設の実働部隊にも感謝ですけどね。

あの頃のみなさん、お元気でしょうか?


現在は、いろいろ制度も変わり、緊急短期入所関係の加算もあります。

平成12年老企第40号の短期入所生活介護
(13)緊急短期入所加算について
 [2] 緊急短期入所受入加算

イ 「緊急利用者」とは、介護を行う者が疾病にかかっていることその他やむを得ない理由により居宅で介護を受けることができない、かつ、居宅サービス計画において当該日に利用することが計画されていない者をいう。なお、新規の利用者に限られるものではなく、既に当該事業所で緊急短期入所受入加算の算定実績のある利用者も算定対象となるものである。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/30637507.html

短期入所が、需給状況から見て「売り手市場」なのはやむを得ないとして、新規の緊急利用が十分「想定されている」ということは念押ししておきます。

大変な中、普通に受け入れていただいているであろうショート事業所が多いことは承知していますが。

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さて、ここまでが前置き。

社会福祉法人のあり方については、いろいろ議論もありますが、たとえば以前の記事。


あるいは、「内部留保」の問題。
<参考>
http://blogs.yahoo.co.jp/tanu_wb/64702918.html?vitality

私は、特に「内部留保」問題については、社会福祉法人に対する(国の諮問機関等からの)批判というのは、不当(と断言できないまでも「不適当」)ではないかと思っています。

ただ、緊急ショートの受け入れ拒否や、以前にも触れた
「身元引受人の強要」
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31698370.html

みたいなことをせずに、本来の社会福祉を担うということについては、きちんと役割を果たすべきだと考えています。