ケアマネごと別の事業所に変わった場合

ネット上某所の話題から。
 


問:これまでA社の居宅介護支援事業所を利用してきた人が、事業所の閉鎖によりB社の事業所を利用することになった。
 これまでの担当ケアマネもB社に移り、引き続きケアプランを担当するが、B社から見れば居宅サービス計画の新規作成となる。
 アセスメント、サービス担当者会議の開催等、一連の手順を行う必要があるか。


 

いらんやろ(爆)
 

いえ、ごく平凡な行政担当者(指定権者としての都道府県や、保険者としての市町村)に相談したとすれば、
「居宅介護支援事業者(B社)としては新規作成なので、基準に定められている一連の手順を行ってください」
といわれる可能性は、けっこうあるだろうと思います。
 
その予想の上で、「一連の手順を行う(方が無難なので、事業者としては行っておく)べき」という結論が出たとしても、責めるつもりはありません。
 
でも、私が行政担当者として相談を受けたとしたら、「不要です」と答えるでしょう。
 
平成11年厚生省令第38号「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」
第13条で「指定居宅介護支援の具体的取扱方針」について規定されていますが、

「ケアマネが別の事業所に移り、利用者をそのまま担当する」というような状況は、
この基準では特に想定していないのだろうと考えられます。
 
それは、そういう「ケアマネごとの事業所移動というのは不可」という意味ではなく、
そういう場合に(ケアマネジメント上の)新規作成扱いとするか、継続扱いとするか、特に定められていない、という意味です。
 
定められていないのだから、法令の趣旨を考慮して、権限のある行政担当者が「不要」と判断したとしても違法とはいえません。
 
第13条の各項では、「指定居宅介護支援事業所の管理者は」とか「指定居宅介護支援事業者は」というような主語もありますが、ほとんどは(特にケアマネジメントに関する具体的業務については全て)「介護支援専門員は」で始まっています。
 
担当ケアマネが変わらず、利用者本人や家族の状況も変わらないとすれば、居宅介護支援事業所やその運営法人が変わったとしても、居宅サービス計画自体には何も影響がない(軽微な変更ですらない)という考え方も可能です。
 
私が利用者の家族だったとしたら、このような場合に(減算にならないために)サービス担当者会議を開くので出席してほしい、といわれたとしても、仕事を休むのは嫌ですね。
 
もっとも、ケアマネジメントに関する一連の手順については行う必要はないにしても、
居宅介護支援事業所が変わったことによる契約関連の手順(重要事項説明など)は必要ですので、念のため。