成人の日クイズ

今日は「成人の日」ということで、成年・未成年についての(あまり出来が良くない)クイズを。


1 17歳の未婚の少女が妊娠し、18歳で出産しました。生まれた赤ちゃんの親権者は誰でしょうか?

2 赤ちゃんの父親も18歳の少年です。
 少女と結婚したかったのですが、自分の両親に反対されました。
 せめて赤ちゃんを自分の子として認知しようと思いますが、それも両親が反対しています。
 認知できますか?

3 少年は自分の両親を説得し、少女と結婚することについて同意を得ることができました。
 少女の母親は賛成していますが、父親は反対しています。二人は結婚できますか?

4 少年と少女は結婚しました。18歳同士ですが、赤ちゃんの親権者はどうなりますか?

5 二人の結婚後、かれらが20歳になるまで、次の行為は可能ですか?
(1)飲酒
(2)喫煙
(3)選挙


「成人の日」は、以前は1月15日でしたが、今は1月の第2月曜となっています。

成人式はこの日に開催されるところが多いのですが、その前日の日曜日や、正月、5月の連休、盆などの自治体もあります。
大学進学など故郷を一時的に離れている若者が多い地域や、冬場は豪雪で参加しにくい地域など、いろいろありますから。

参加対象者は、暦年(1月から12月まで)や、実年齢(成人式までに20歳到達)というのもありましたが、今は学年単位(成人式の日を含む4月から3月までに20歳に到達する人間)が多くなっているのではないでしょうか。

20歳前後に引っ越しすると、自治体間のルールの違いによって成人式の案内が来なかったり、2年連続で来たり、という現象もありましたが、今はどうでしょうねえ。

ちなみに、私自身は、成人式会場の故郷(住民票を置いている親元)から離れて、安アパートで二日酔いと戦っていたような記憶があります(苦笑)


さて、上のクイズは、たいてい民法に答えがあります。
(以下、特記のない条文は民法。)


1 赤ちゃんの母親である少女の両親が親権者となります。

(親権者)
第818条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

(子に代わる親権の行使)
第833条 親権を行う者は、その親権に服する子に代わって親権を行う。


2 未成年者でも、自分の子の認知は法定代理人(自分自身の親権者)の同意がなくても行うことができます。

(認知)
第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

(認知能力)
第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。

なお、「あんたなんか父親ではない」といえるとしたら、赤ちゃんの母親などの関係者です。

(認知に対する反対の事実の主張)
第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。


3 未成年者の結婚には父母の同意が必要ですが、両親ではなくどちらかの同意だけでも結婚は可能です。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。


4 親が同意して結婚したら、その時点で成年に達したと見なされます。だから、赤ちゃんの母親である少女が親権者となります。
 少年が自分の子として認知していたら、少年も親権者です。

(婚姻による成年擬制
第753条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。


5 飲酒、喫煙は、民法ではなく他の法律で「20歳未満は不可」と規定しています。
 選挙も、公職選挙法で同様の定めがあるため、すべて不可。
 ただし、憲法改正手続き関連の国民投票法では、18歳以上に投票権というのを原則とし、附則で公職選挙法の改正までは暫定的に20歳以上としています。

 なお、選挙権や婚姻を含め、20歳以外の年齢で成年に達すると定めている国や地域は多数あります。