CW不足でどうやって就労指導するの?

生活保護却下は違法=「求職努力していた」―大阪地裁

時事通信 10月31日(木)16時59分配信)

 大阪府岸和田市が「就労が期待できる」として生活保護の申請を却下したのは違法だとして、同市の男性(40)が却下処分取り消しと100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は「生活保護法の解釈を誤り違法」として取り消し、市に約68万円の支払いを命じた。
 受給要件の稼働能力などを最大限に活用しても生活に困窮するケースに男性が該当するかが争点。田中裁判長は、男性がハローワークや広告を利用して求職活動をしていたことから、「稼働能力を有し活用の意思もあったが、就労の場を得られる状況になかった」と述べた。
 判決によると、男性は2008年6~12月、5回にわたり生活保護を申請したが、健康状態に問題がなく年齢も当時30代と若かったため、「稼働能力が未活用」として却下された。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131031-00000096-jij-soci


これは、難しい問題とは思います。

もう10年以上前になりますが、私も、30代よりはもう少し年配でしたが、障害も病気もない失業中の男性の生活保護申請を受けたことがあります。

保護可否を決める会議の場で、管理職の一人が難色を示しましたが、やはり法令からはやむを得ないということで、保護開始決定となりました。

私と後任のケースワーカーが就労指導を続け、やがて仕事が決まって保護廃止となったようです。


時代も地域性も違う中、このニュースについてもコメントはしにくいところはありますが、
あえていえば、2点。

1)行政の決定については、常に審査請求や訴訟を起こされる可能性(危険性)があるということを意識しておくべきこと。

2)ケースワーカーがきめ細やかな指導や調査を行うためには、それなりの人員配置が必要ということ。

ちなみに、ちょっと検索してみたら、岸和田市議会のコンテンツがヒットしました。

(2012年8月1日掲載)
【問】不正受給の防止や自立支援を行うためには、ケースワーカーによる家庭訪問や調査、指導が重要である。しかし、年々増え続ける生活保護世帯に対し、人員不足が明らかである。
 今後、どのように対応していくのか。

【答】生活保護世帯数が増加するなか、厳しい状況ではあるが、就労支援専門員などの配置により、的確で効率的な職務遂行に努力している。引き続き、全庁的な業務のバランスにも配慮して人員の適正配置に努めていく。
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/62/149nisida.html

これはまあ、苦しいながらも答弁になっていると思いますが、

(2013年11月1日掲載)
【問】生活保護受給者が増え、ケースワーカーが不足しているが、対策は。

【答】就労による自立に導く形で、受給者数を減らしていきたい。
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/62/154kessansinsa.html

こりゃ、だめですな(涙)

上の2012年の質問も参照していただきたいのですが、
「不正受給の防止や自立支援を行うためには、ケースワーカーによる家庭訪問や調査、指導が重要」
なのに、
生活保護受給者が増え、ケースワーカーが不足している」
状況では
「就労による自立に導く形で、受給者数を減らして」
いくことは困難です。

ケースワーカーが倒れたり心を病んだりしなければいいのですが・・・・・・