外国人と生活保護

「外国人に生活保護受給権なし」最高裁が初判断

(読売新聞 2014年07月18日 22時11分)

 永住資格を持つ外国人に生活保護法上の受給権があるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は18日、「生活保護法の適用対象は日本国民に限られ、外国人は含まれない」との初判断を示し、受給権を認めた2審の判断を取り消す判決を言い渡した。

 生活保護申請を却下した大分市の処分取り消しを求めた中国籍の女性(82)の敗訴が確定した。

 各自治体は裁量で、永住資格を持つ外国人に生活保護に準じた措置を取っており、判決の影響は事実上ないとみられる。

 原告の女性は出生時から日本で生活しており、2008年12月、大分市生活保護を申請。十分な預金があるとして却下されたため、取り消しを求めて提訴した。1審・大分地裁は訴えを退けたが、2審・福岡高裁は「永住資格を持つなど、日本人と同様の生活を送る外国人には生活保護を受ける法的地位がある」と認め、却下処分を違法とした。

 この日の判決は「生活保護法を外国人に適用する根拠はない。行政措置によって、事実上の保護対象になり得るにとどまる」と判断した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140718-OYT1T50160.html


最高裁の判断が注目される訴訟が続いていますが、
まずは、外国人と生活保護の関係について。

生活保護法では、「すべて国民は」(第2条)というような表現で記載されていて、
日本国籍がない人には、保護を受ける権利としては保障されていない
・国の通知もあり、外国人に対しても行政の裁量として保護の対象としている
・ただし、権利としてではないので、審査請求等はできない
という取扱いです。

私がケースワーカーをしていたときには、外国籍の方に対しては、
保護決定通知書の末尾にある「この決定に不服があるときには・・・60日以内に審査請求・・・」
という部分を削除して通知していました。

もっとも、保護の基準の適用自体は、日本人と同じです。
在日特権云々という声もありますが、そんなものは私は全く知りません。)

日本人であろうがなかろうが、預貯金等の資産が十分にあれば保護は受けられません。

たとえば、ある単身者の最低生活費が10万円とします。
その半分程度まで(この場合は5万円)は手持ち金として保有が容認されます。

手持ちの預金が4万円なら、(他の要件を満たせば)そのまま保護開始決定。
預金が7万円なら、5万円を超える部分(2万円)を差し引いて、初回の保護費を支給します。
預金残高がもっと多ければ、保護は受けられません。国籍にかかわらず。

今回の報道で、全国紙の中で読売と日経は、この却下理由(預金)について触れていました。
触れていない他紙は、誤解を生じさせる恐れがあります。
というか、外国人だから保護が受けられなかった、と誤解した人々は多かったでしょう。

もちろん、「外国籍でも永住権利者には権利として保護を適用すべき」という主張はあり得るでしょう。
(そして、それに反対する意見も当然あり得ます。)
ですが、「外国人でも人道的に保護すべき」という批判があるとすれば、それは当たりません。

このあたりについては、生活保護制度が(若干)わかりにくいこともありますが、
マスメディアの責任が大きいと思います。