震災・雑損控除の例

引用ばかりが続いたので、ちょっと、例を考えてみます。
よい例ではないかもしれませんが・・・


たとえば、年間所得300万円の人が、震災や津波で1300万円の被害を受けたとします。

 被害額1300万円-年間所得の1割(30万円)=1270万円

 (他の計算方法や、災害減免法による減免も選択できますが、ここでは、この額を基準にします。)

23年の所得300万円は、まるまる雑損控除で0円になり、課税は発生しません。
給料から所得税源泉徴収されていたら、その額が全て返ってきます。

で、23年所得に対して300万円雑損控除を使いましたが、まだ970万円残っています。

 1270万円-300万円=970万円

これは、翌年以降に繰り越しができます。
仮に、翌年以降も所得額が300万円だったとすると、

 24年 : 雑損控除300万円 (670万円を翌年に繰越)
 25年 : 雑損控除300万円 (370万円を翌年に繰越)
 26年 : 雑損控除300万円 →通常の災害では、3年間しか繰り越しできないので、ここまで。

ですが、東日本大震災の特例では、最大5年間繰り越しができます。


ですから、370万円-300万円=70万円が、27年に繰り越しできます。

これが、震災特例のひとつ。



もうひとつ。

上では、23年所得から雑損控除を行いましたが、
東日本大震災の特例では、22年に遡って控除を受けることも可能です。
(22年に確定申告していない人は、確定申告が必要です。申告済の人は更正請求を行います。)

この場合、22年から始まって、これも最大5年間、雑損控除の繰り越しができることになります。

同じ例を使うと、

 22年 : 雑損控除300万円 (970万円を翌年に繰越)
 23年 : 雑損控除300万円 (670万円を翌年に繰越)
 24年 : 雑損控除300万円 (370万円を翌年に繰越)
 25年 : 雑損控除300万円 ( 70万円を翌年に繰越)

となります。